新・警視庁捜査一課9係 (2011年7月期・朝日・水曜21時枠) ゼネラルプロデューサー：松本基弘 プロデューサー：島川博篤、金丸哲也、丸山真哉 脚本：ハセベバクシンオー(1)、深沢正樹(2)(3)、真部千晶 波多野都、瀧川晃代、岡崎由紀子、伊藤洋子 監督：杉村六郎(1)(2)、吉田啓一郎(3)、長谷川康、田村孝蔵 音楽：吉川清之 http://www.tv-asahi.co.jp/9gakari/

第3話 赤い破片の秘密
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矢沢と青柳は、二人で妙子が歌うバーへ行く。
矢沢は高松の早苗の実家に一泊で帰省していた。青柳は矢沢が
何も言わずに帰省したのが癇に触れて矢沢に嫌みな態度を取る。
"ちっちぇー奴だ"と。

そんな中、テアトルヴォイスという音楽スクールで殺人事件が
起こる。被害者は前川昭一(48歳)。元ブラックガンズのボーカ
ルとして一世を風靡し、10年前に引退して8年前からこのスクール
を立ち上げ、倉橋理緒などの有名歌手を育てていた。
死亡推定時刻は20時から21時の間。第一発見者は作詞家で、
前川とは古くからの付き合いである岩木元子だという。
9時に待ち合わせしていたが、その場所に来なかったのでオフィ
スを見に来たら亡くなっていたとの事だった。

倉橋を人気者に育てたことでスクールには多数の生徒が入塾する
も、倉橋の人気はここ1、2年低迷しており、倉橋には独立の噂
が有ったという。倉橋のマネージャーの石垣守が独立を促した
との事。前川自身は女性関係がとても派手で有名だった。

矢沢はこのスクールの中に、金沢美里が居ることを知る。
彼女は人気声優の一人で、矢沢の妻・早苗が書いていた漫画の
アニメ"サマー・ストーリー"で鈴見コハネのキャラクターの声
をあてていた人だという。部屋が荒らされていないことから、
顔見知りの犯行が推定される。

青柳は浅輪を連れて捜査を始める。

志保と村瀬は真澄の元に行き、遺体から浮かび上がる情報を聞
きにいく。遺体は死んだときに喉が開いた状態で、大きく深呼吸
をしていたり、歌を歌っている状況で殺害されたという。口の
中には何らかの破片が残っていた事を聞く。

加納と矢沢は、岩木から話を聞きに行く。
公私ともにパートナーだった男を殺害するはずはないという。
矢沢は雑誌に掲載されている前川と金沢のスクープ写真を見せる
と、こんな女の話は一切興味はなく、嫉妬なんてしたことも
ないと告げる。

青柳と浅輪は倉橋に話を聞きに行こうとする。
とても我が儘な歌手だと聞いて、浅輪は倫子の作ったケーキを
お土産に持って行けば機嫌を良くしてくれるのではないかと
考える。

一方矢沢と加納は妙子が前川のヴォイスレッスンを受けていた
事を知り、妙子から話を聞きに行く。妙子は2、3度レッスンを
受けただけで、金を貸してくれと言われたので、それ以来疎遠
になったという。他の生徒にも多数声を掛けていたという。
矢沢は現場に落ちていた破片の写真を見せるがそれが何かは
分からないとの事だった。
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ボイストレーナーの前川昭一が殺害される。
殺害されたのは痴情の縺れなのか、それとも金銭トラブルなの
か。被害者の口の中に入っていたエチレン酢酸ビニルの破片
は一体何なのか。

殺人の動機に過去の事件を含ませるのは良いとしても、イマイ
チ面白みを感じない内容だった。

何故被害者の口に発生練習機を含ませたのかもよく分からない
し、視聴者に的を絞らせないが為だけに倉橋などのキャラクター
を登場させた所は、ちょっぴり展開として野暮ったく写る。

出来れば美里と前川が出会う辺りの理由付けをもう少しきっち
りと描き、因縁さを感じさせる事に集中した方が良かったと
思う。

ドラマとしての興味は、獄中で自殺した日下部と金沢の関係
へと移行するけど、別れた兄妹であろう事はすぐに分かるし、
ドラマとして残された興味は、起訴を取り下げて自殺した理由
が何なのかという所に集中する。

加納が多くを語るシーンを描いて、彼にしては珍しく、犯人と
同じ世代の娘を持つ父親の心情を吐露するけれど、倫太郎は
言葉ではあんまり娘の事を語らせない方が良いと思うんだよね。
最後のケーキのシーンだけで、娘に対する気持ちは分かるしね。

新シーズンで初めて妙子がらみ。
青柳と矢沢がケンカしつつも仲がよい所は微笑ましいし、
ケンカする事で、青柳と浅輪という珍しいコンビも誕生したし
その辺のキャラクター同士のオーバーなやりとりは、このドラマ
らしさに繋がっていると思う。