下町ロケット
(2011年8月期・WOWOW・日曜22時枠)

原作:池井戸潤『下町ロケット』
監督:鈴木浩介(1)、水谷俊之
脚本:前川洋一
プロデューサー:青木泰憲、土橋覚
音楽:羽岡佳
主題歌:『スマイル』エルヴィス・コステロ

http://www.wowow.co.jp/dramaw/rocket/





第1話
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ロケットの発射を見守る研究員達。
打ち上げのリーダーは
宇宙科学開発機構 教授・大場一義
そして研究員の
佃航平にも見守る中、ついにロケットが発射
する。しかし上手く発射したかと思えば、第一エンジンが
異変を起こし予定のコースから外れたことで、仕方なくロケッ
トを自爆させる。

7年後。
バルブシステム特許を獲得し、より大型エンジン用に作りたい
事を社長の佃航平は語る。
つくだ製作所を先代から引き継いだ
佃航平は技術開発部長の
山崎光彦たちに語るが、それだと実用
化までに時間がかかるという。営業の
江原春樹と技術担当の
真野賢作も社長の研究熱心さを見つめていた。

筑波第一宇宙センターでは、宇宙科学開発機構の本木孝
和泉沙耶が語り合う。スターダスト計画と呼ばれる純国産
ロケットが
帝国重工主導の元で行われようとしており、本日
記者会見が開かれようとしていた。
社長の
藤間秀樹、そして宇宙航空部部長の財前道生がマスコミ
が見守る中説明する。これが完成すれば10年は技術開発が
前進する事だという。

帝国重工の広報で働く
鈴木智美は、付き合っている彼・つくだ
製作者の江原春樹に電話する。

弁護士の
神谷涼子は偶然大川京一と遭遇する。これから面白い
事が始まるという大川は、神谷はかつて家の弁護士事務所で
働いていた事を
三田公康に語る。

つくだ製作所の佃は、
京浜マシナリー調達部長の徳田修に逢う
と社長の方針でつくだ製作所の品物を使わない事に決めた事を
通達。先代からの付き合いなのになんとかならないのかと
佃は詰め寄るがどうしようもなかった。
このままだと赤字だと、
白水銀行から出向してきた殿村直弘
佃と話し合う。更に研究開発に3億の融資を求めるのは銀行も
懸念している事。しかし佃は研究開発こそがウチにとっての
生命線である事を訴える。しかし殿村や
津野薫からは、佃は
もう研究者ではなく経営者だとして夢を忘れて現実で実用的な
ものを作るべきだと言われてしまう。

そんな中、つくだ製作所は、ライバルの大企業である
ナカシマ
精機
から訴状が届く。特許の侵害をしているとの事。
ナカシマ精機はつくだ製作所の仕様をマネして制作しているに
も関わらず、まさか訴えてくるとは思わなかったとして、つくだ
製作所もあ然とさせられる。

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宇宙開発の一端を担う部品を作り続ける佃率いるつくだ製作所。
しかし慢性的な不況の波から開発研究費の削減を余儀なくされ
即利益に繋がる製品の開発を求められ、ロケット開発にかける
予算の是非が問われていく中で、更に特許紛争に巻き込まれて
いく。自分たちが開発したものだと自負するものの、法律上
その正当性をきっちり主張できるのか。

WOWOWの連続ドラマW枠のドラマの第10弾ドラマ。

脚本を担当しているのが前川洋一さんというだけ有り、
空飛ぶタイヤと似たような裁判沙汰が展開されようとして
いるが、ベースとしては日本の製造業の中で息づく夢と、生き
残りを賭けた現場での現実的な戦いを描いていくものだろう。

下町の工場からアメリカのロケット産業を支える部品会社の
話などはよく取り上げられる話なので、そういう頑張っている
会社を取り上げたものなのかもしれない。

ドラマとしてはありがちだけど、優秀な弁護士によって事実
とは別に法律的解釈により、事実をねじ曲げられていくもの
を描いていくのだろう。

ロケット打ち上げを夢だとして取り上げるのは、やはり昭和
時代の物語という感じがするが、今の日本人でもそんな夢が
通じるものなのか。

人物の配置が計算され尽くされていて、都合良くこれから起こ
りうる戦いに向けた体制が整っている感じがする。
それにしても初回から色んな登場人物を出し過ぎ。ドラマは
少ない人数で回っていた方が感情移入しやすいと思うんだよね。

つきだ製作所 vs ナカシマ精機だけでなく、帝国重工が特許に
於いても関わっているだけに、なかなか複雑になりそうだ。
宇宙科学開発機構などの役割がドラマではどうなっていくのか
も期待する物があるのかも。

つくだ製作所
佃航平 - 三上博史 (社長)
江原春樹 - 池内博之 (営業部 係長)
真野賢作 - 綾野剛 (技術部)
山崎光彦 - 松尾諭 (技術開発部 部長)
津野薫 - 光石研 (営業部 部長)
殿村直弘 - 小市慢太郎 (経理部 部長。銀行からの出向)
田辺篤 - 井上高志 (顧問弁護士)

帝国重工
財前道生 - 渡部篤郎 (宇宙航空部 部長)
鈴木智美 - 原田夏希 (広報部。江原の恋人)
富山敬治 - 眞島秀和 (宇宙航空部 主任。水原本部長の腹心)
水原重治 - 升毅 (宇宙航空部 本部長)
帝国重工の技術者 - 忍成修吾
藤間秀樹 - 田村亮 (社長)
アサギ - 忍成修吾 (技術者)

三田公康 - 佐藤二朗: ナカシマ精機 法務担当。財前の後輩。
大川京一 - 小木茂光: 大川総合法律事務所 代表。
神谷涼子 - 寺島しのぶ (神谷法律事務所弁護士)
佃利菜 - 美山加恋 (佃の一人娘)
佃和枝 - 長内美那子 (佃の母親)
財前冬美 - 奥田恵梨華 (財前の妻)

大場一義 - 古谷一行 (宇宙科学開発機構 教授)
本木孝 - 堀部圭亮 (宇宙科学開発機構 研究員。佃の元同僚)
和泉沙耶 - 水野真紀 (宇宙科学開発機構 研究員。佃の元妻)

須田 - 津田寛治 (企業投資会社バースパートナーズ)
岩崎 - 螢雪次朗 (倒産に追い込んだ会社の社長)
裁判官 - 相島一之 (裁判を担当)
根本節生 - 阿南健治 (白水銀行大森支店)
徳田修 - 俵木藤汰 (京浜マシナリー部品調達)


森正樹、市村直樹、坂本直季
石山和史、榎本貴也、羽田沙織、古谷一行、倉八慶
安達功一、扇田森也、鈴木英治、島田三枝子、城下千砂
金子裕二、毛呂恭久、吉田高之、野中富徳、岩川鉄兵
向井まどか、中川健、石井裕、須田弘章、久保隆、井上莉穂
岩嵜敏剛、伊東義孝


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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