下町ロケット
(2011年8月期・WOWOW・日曜22時枠)

原作:池井戸潤『下町ロケット』
監督:鈴木浩介(1)(2)、水谷俊之
脚本:前川洋一
プロデューサー:青木泰憲、土橋覚
音楽:羽岡佳
主題歌:『スマイル』エルヴィス・コステロ

http://www.wowow.co.jp/dramaw/rocket/




 
第2
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ナカシマ精機つくだ製作所を特許侵害で訴えた第一回口頭弁
論が開始される。被告であるつくだ製作所の顧問弁護士の
田辺は特許侵害を否認するが、その反論が技術的なやりとり
故にその手の訴訟になれていない弁護士では対応に苦慮する。
原告側の弁護士・大川からは、ちゃんと検証しているのか?と
言われる始末。次の弁論は一ヶ月後に決まる。この調子では
いつ結審されるのか見当も付かなかった。
ナカシマ側の戦略は、無駄に裁判を長引かせて倒産に追い込む
作戦。決して思い通りにはさせないと佃は呟く。
原告側の顧問弁護士・三田が現れると佃は、会社には物作りの
誇りが有るとして、絶対に負けないことを主張するが、精神論
では勝てないと一蹴される。
そんな様子を神谷弁護士が見ていた。

一方筑波の
宇宙科学開発機構の大場の元を尋ねる帝国重工の
社長の藤間と財前。大場に帝国重工が制作しているエンジンの
図面を調査して貰うと恐らくこの
バルブシステムはトップクラス
だろうと太鼓判を押す。しかしこのバルブシステムの特許は
つくだ製作所に有った。

神谷は和泉に会うと裁判で見てきた事を報告。
現状では全く相手になっていない事を告げ、つくだ製作所の当面
の問題は資金繰りだという。恐らく倒産直前になって和解案
を出してくるハズだという。

帝国重工では、水原が財前を呼び出す。
水原は自分たちが開発しているバルブシステムが中小企業に
先を越されている事を知って激怒する。社長は自社製品で賄う
企画に拘っている事を告げる。
一方財前は、佃製作所について調べていた。
社長の佃は過去宇宙科学開発機構でロケット開発に携わってい
た事。そして
セイレーンエンジンによってロケット打ち上げに
失敗している事を知る。

佃たちは自分たちが訴えられたのは、特許に訴えられるべき
穴が有ったためだと感じ、改めて自社の特許を見直す。
しかし取引先にはつくだ製作所が資金を取り崩している事が
噂として出回っていた。何故内部情報が漏れているのかと憤る。

一方佃と殿村は、顧問弁護士の田辺があまりに技術に無頓着
故に、選定からやり直すとして田辺を首にする。

弁護士が首になった事を江原は恋人の智美にデートの時に話す。
現在式場を見に行く暇が無い事に対して、智美は理解するが、
寧ろ江原は気を遣われている事にストレスを感じていた。

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いよいよつくだ製作所とナカシマ精機の間で特許に関する裁判
が始まる。中小企業と大企業の争いである上に、相手は勝つた
めに汚いことをする事でも有名な為に、苦戦が強いられること
が考えられるが・・・

取りあえず絶体絶命の状況の中で、光明の絶望の二つの可能
性が描かれた話だった。

相変わらずドラマとして感じる事は、ドラマの中の人物配置が
ドラマとして都合良く設定され過ぎていることだ。

つくだ製作所、帝国重工、ナカシマ精機と、似たような部品を
作っている企業ということもあり、繋がりが有るのは当然なの
かも知れないけど、財前と三田の繋がりとか、大川と神谷の
対立とか、鈴木と江原の付き合い、神谷と和泉の関係など、
これでもかという位、繋がりを持たせて、極々身内で戦って
いるような印象を与えている。決して悪いことではないし、
後々その辺の繋がりが面白く利用されていくのかもしれない
けど、如何にもドラマだといわんばかりの設定だと感じてしま
う。

なんといってもつくだ製作所としての光明は、神谷という人物
を味方に付けたこと。顧問弁護士の田辺が畑違いなので仕方が
無いのかも知れないが、場違いな発言を繰り返し、なんとも
ストレスを感じるものが有る。

また佃側にとって資金繰りが懸念される中で、大金が舞い込む
チャンスが描かれる。特許と引き替えに金が舞い込むかも
しれないとの事だけど、中小企業は特許を大企業に売って、
また新しいものを開発していけば良いのではないかという感じ
がする。

佃の意固地な姿勢は、日本の現状を現していて、こんな感じで
日本の技術者は折角開発した技術を埋もれさせているのだろう
なと思わすものが有った。まぁドラマではそれに反して成功例
として扱われるのだろうけどね。

つくだ製作所
佃航平 - 三上博史 (社長)
江原春樹 - 池内博之 (営業部 係長)
真野賢作 - 綾野剛 (技術部)
山崎光彦 - 松尾諭 (技術開発部 部長)
津野薫 - 光石研 (営業部 部長)
殿村直弘 - 小市慢太郎 (経理部 部長。銀行からの出向)
田辺篤 - 井上高志 (顧問弁護士)

帝国重工
財前道生 - 渡部篤郎 (宇宙航空部 部長)
鈴木智美 - 原田夏希 (広報部。江原の恋人)
富山敬治 - 眞島秀和 (宇宙航空部 主任。水原本部長の腹心)
水原重治 - 升毅 (宇宙航空部 本部長)
帝国重工の技術者 - 忍成修吾
藤間秀樹 - 田村亮 (社長)
アサギ - 忍成修吾 (技術者)

三田公康 - 佐藤二朗 (ナカシマ精機 法務担当。財前の後輩)
大川京一 - 小木茂光 (大川総合法律事務所 代表)
神谷涼子 - 寺島しのぶ (神谷法律事務所弁護士)
佃利菜 - 美山加恋 (佃の一人娘)
佃和枝 - 長内美那子 (佃の母親)
財前冬美 - 奥田恵梨華 (財前の妻)

大場一義 - 古谷一行 (宇宙科学開発機構 教授)
本木孝 - 堀部圭亮 (宇宙科学開発機構 研究員。佃の元同僚)
和泉沙耶 - 水野真紀 (宇宙科学開発機構 研究員。佃の元妻)


須田 - 津田寛治 (企業投資会社バースパートナーズ)
岩崎 - 螢雪次朗 (倒産に追い込んだ会社の社長)
裁判官 - 相島一之 (裁判を担当)
根本節生 - 阿南健治 (白水銀行大森支店)
徳田修 - 俵木藤汰 (京浜マシナリー部品調達)

倉八慶
安達功一、扇田森也、鈴木英治、島田三枝子、城下千砂
金子裕二、毛呂恭久、岩川鉄兵
向井まどか、中川健、石井裕、須田弘章、久保隆、井上莉穂
岩嵜敏剛、伊東義孝

本田大輔、山本浩司、梅津ノリジ、北山雄二、玉川雄一郎


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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