下町ロケット (2011年8月期・WOWOW・日曜22時枠) 原作:池井戸潤『下町ロケット』 監督:鈴木浩介(1)(2)、水谷俊之 脚本:前川洋一 プロデューサー:青木泰憲、土橋覚 音楽:羽岡佳 主題歌:『スマイル』エルヴィス・コステロ http://www.wowow.co.jp/dramaw/rocket/ |
第3話
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つくだ製作所の元に、帝国重工の財前がやってくる。
財前はこの工場がエンジンパーツの製造がメインであり、
現在ナカシマ精機との訴訟問題が起きていることを知っていた。
今は訴訟費用が必要なときではないかとし、つくだ製作所が
持つ特許のバルブシステムを20億円で買い取らせて欲しいと
頼む。
佃は財前と話し合いを終えた後、社内の技術者たちと話し合い
をする。特許を売ってしまったら終わりだとし、水素エンジン
の制御の汎用性に使える技術だと山崎は語る。しかし江原は
現在はまだその技術が有用に使える時ではなく、裁判の影響で
の売り上げの減退から、特許を売って現金化した方が良いので
はないかと告げる。
話を聞いていた弁護士の神谷は、20億円では安くないのか?と
し、特許の使用契約を結べば特許を維持したままで、年間5億
円以上入るはずだという。使用契約の方向で話を付けようと
佃は部下達にも語る。
一方佃利菜は、父親の家から放れて元妻・和泉の家に来ていた。
どうして家に帰りたくないのか、ちゃんと父親にも言うべき
だと娘に語る。
翌日その理由を聞いた元妻は、佃に電話し、会社の争い事を
見るのが嫌だという事を話す。
江原は初めて帝国重工の様な大企業相手に優位性を保てている
事を受けて、恋人の智美に技術力が全てであることを語る。
智美は江原の楽しそうな顔を久しぶりに見たとして喜ぶ。
佃は財前の会社を訪ねると、特許の売却は見送ることを告げる。
御社はこの技術開発に幾らお金を掛けたのか?と尋ね、100億
近い金をかけたのではないかと尋ねる。我々としては特許使用
契約が最終決定だと語り、金で特許が買えると思っているのは
大企業の思い上がりだと一蹴する。
佃の意見に対して、これまでの無礼な発言を謝罪した上で、
改めて使用させて欲しいという。会社の方針を曲げてでも使用
したいとし、御社の技術で弊社のロケットを飛ばしたい事を
訴える。
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裁判で係争の中、帝国重工からつくだ製作所に対して思わぬ
依頼が入り込み、つくだ製作所としては対応を考える。
つくだ製作所の持つ特許の一つを買いたいとするが、佃は
特許は売らずに使用権を与える契約を取り付けようとする。
技術者と経営者の違いが上手く描かれていると共に、技術者
たちのプライドがぶつかり合い、その考え方の違い・思惑の
違いが興味深く描かれる内容だった。
前回の感想の中で、使われない技術ならば必要だとする所に
売ってしまった方が良いとしたけど、今回は利用価値が有る事が
描かれ、その可能性・広がり方に未来を感じさせる物があった。
例え大企業のパーツの一つでも、そこで使われれば会社として
の信用は明らかに鰻登りに上がるはずだし、応用出来るだけの
ビジョンも持っているようなので、安易に特許を売るという
選択はしない方が確かに賢明だと感じさせる。
逆に裁判の流れ自体が完全にメインではなくなり、今回は
存在感も少なかった感じだ。
ドラマとして上手いと感じるのは、佃にしても財前にしても、
神谷にしても、今戦っている目の前の相手を想定としておらず、
過去の自分との戦いであるとする辺りの描き方がとても上手くできて
いる点だ。
人間ならば誰だって人生の選択があり、その選択が間違えて
居たのではないかと思う所がある。そんな人生と向き合い、
上手く修正を図っていくという面で、人間として・個人として
成長する事の意味合いをこのドラマの中では上手く描いている
感じがする。
さて怪しい感じで登場する須田は、どんな形で関わってくる
のか。
つくだ製作所 佃航平 - 三上博史 (社長) 江原春樹 - 池内博之 (営業部 係長) 真野賢作 - 綾野剛 (技術部) 山崎光彦 - 松尾諭 (技術開発部 部長) 津野薫 - 光石研 (営業部 部長) 殿村直弘 - 小市慢太郎 (経理部 部長。銀行からの出向) 田辺篤 - 井上高志 (顧問弁護士) 帝国重工 財前道生 - 渡部篤郎 (宇宙航空部 部長) 鈴木智美 - 原田夏希 (広報部。江原の恋人) 富山敬治 - 眞島秀和 (宇宙航空部 主任。水原本部長の腹心) 水原重治 - 升毅 (宇宙航空部 本部長) 帝国重工の技術者 - 忍成修吾 藤間秀樹 - 田村亮 (社長) アサギ - 忍成修吾 (技術者) 三田公康 - 佐藤二朗 (ナカシマ精機 法務担当。財前の後輩) 大川京一 - 小木茂光 (大川総合法律事務所 代表) 神谷涼子 - 寺島しのぶ (神谷法律事務所弁護士) 佃利菜 - 美山加恋 (佃の一人娘) 佃和枝 - 長内美那子 (佃の母親) 財前冬美 - 奥田恵梨華 (財前の妻) 大場一義 - 古谷一行 (宇宙科学開発機構 教授) 本木孝 - 堀部圭亮 (宇宙科学開発機構 研究員。佃の元同僚) 和泉沙耶 - 水野真紀 (宇宙科学開発機構 研究員。佃の元妻) 須田 - 津田寛治 (企業投資会社バースパートナーズ) 岩崎 - 螢雪次朗 (倒産に追い込んだ会社の社長) 裁判官 - 相島一之 (裁判を担当) 根本節生 - 阿南健治 (白水銀行大森支店) 徳田修 - 俵木藤汰 (京浜マシナリー部品調達) 倉八慶 安達功一、扇田森也、鈴木英治、島田三枝子、城下千砂 金子裕二、毛呂恭久、岩川鉄兵 向井まどか、中川健、石井裕、須田弘章、久保隆、井上莉穂 岩嵜敏剛、伊東義孝、玉川雄一郎 橋沢進一、中村陽一、西岡浩子、小泉颯野、吉田高之、野中富徳 評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0) |
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