下町ロケット
(2011年8月期・WOWOW・日曜22時枠)

原作:池井戸潤『下町ロケット』
監督:鈴木浩介(1)(2)、水谷俊之
脚本:前川洋一
プロデューサー:青木泰憲、土橋覚
音楽:羽岡佳
主題歌:『スマイル』エルヴィス・コステロ

http://www.wowow.co.jp/dramaw/rocket/





第4話
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大企業帝国重工に特許を売るよう詰め寄られるもつくだ製作所
はやっぱり自分たちで物を作りたいと考える。その事を告げる
と、帝国重工側からは、自分たちの基準に見合うかどうか、
製品や会社の財務状況を審査させて欲しいと言われる。

そんな中、宇宙科学開発機構の本木の紹介で津田という男が
佃社長の元を尋ねてくる。つくだ製作所の事を大企業が買収し
たがっている事を告げ、その企業が何処なのかは今の段階で
話すことは出来ないが、社長の持つ株式を引き取らせて欲しい
という。例え経営者が変わっても社長が変わるという訳では
ないとするが、佃は結局経営方針にそぐわねば首になるのだろう
と告げる。しかし大企業が取り仕切れるば顧客は増えてビジネス
チャンスは確実に広がるという。大企業の傘下にはいるだけで
技術者のステイタスも上がるのではないかという。

一方帝国重工では厳しいテスト内容を施し、NGが出た時点で
テストは中止させると富山。それを聞いた財前は決して落とす
為のテストにはするなと語る。ダメならば特許買収か使用権を
得るだけだという富山。

神谷は和泉に会うと、つくだ製作所の現状を語り、航平に指摘
されて自分も前向きになれた事を語る。

佃は本木に会うと、先ほど津田に会ったことを語る。
お前の紹介だったから一応逢っただけだとする佃に対して、本木
は宇宙開発機構に戻ってこないか?と佃を誘う。吉田教授が
辞めるために、その後任に自分は佃を推薦するつもりだという。
今会社を売るときで有り、一緒にロケットエンジンを作らないか
と誘われる。

財前は入院している妻の元を尋ねると、会社内の人間関係が
おかしくなっている事を語る。すると妻は一番大切なことは
ロケットを打ち上げる事であり、早く見てみたいという。
冬美の心臓の状態は思いの外悪く、手術も難しいことを言われた
との事だった。

佃は社員達に、検査をクレアする為のプロジェクトを立ち上げる

社員達の反対派の気持ちも分かると説得する。

神谷はアサギがつくだ製作所の検査・評価メンバーの一人だと
知り、内密に検査の結果を逐一知らせて欲しいと頼む。

一方その頃、新聞ではナカシマ精機の特許戦略に対して批判的
な記事が掲載される。勝つためには汚いことでもするやり方に
マスコミも非難する立場だった。
それを見た佃は神谷に対して、裁判の風向きは少しは変わる
だろうか?とすると、世論は味方し、あまり汚い手を使うことが
出来なくなるだろうと告げる。

大川は神谷に電話すると、圧力をかけてくるが、神谷は一歩も
引くことは無かった。

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つくだ製作所に大企業との買収の仲介役をする津田が現れる。
本木の紹介との事で、本人から話を聞くと、また自分と一緒に
宇宙開発機構で開発に携わらないかという事だった。
そんな中、裁判と帝国重工との間で、気苦労の多い展開に
ようやく転機が訪れていく。

つくだ製作所と帝国重工、そしてナカシマ精機との駆け引きが
面白く描かれた。
ただやはりこのドラマは全5話のエピソードということも有り、
ナカシマ精機との裁判はかなりあっさりとしていて、
特許と金いうものを際だたせる為の前振りって感じの扱いだ
った。法廷戦術が駆使されたというよりも、元々ナカシマ精機
の持つ圧倒的な醜悪さがここに来て表面化されただけだったしね。

なんといっても今回は佃の思いが反対派の社員も含めて上手く
伝わり、幾ら存在を否定しようとしても確かな技術が有れば
幾らでも主導権を握ることが出来る事が描かれた。

帝国重工の思い上がった戦略を叩いていくという意味でも
気分のいい話で、帝国重工側も立場的には相当弱い所に有る
にも関わらず、よくそこまで大きな態度に出られるなという
感じがする。

一瞬つくだ製作所の身売りの話が出て、佃が元の現場に戻る
とした際には、つくだ製作所を財前に任せて、佃は宇宙科学
開発機構に行く選択を執っていくかと思った。

いつもは小狡い役割を果たす忍成修吾さんが検査に於いても
重要なポジションに居たためにヒヤヒヤするものが有ったけど
特に捻りがある訳ではなく、上手く流れの通りに動いていた
所は安心する部分だった。

さて最終話は神谷のエピソードのフォローの流れなのかな。
帝国重工の判断もどうなっていくのか気になる。

つくだ製作所
佃航平 - 三上博史 (社長)
江原春樹 - 池内博之 (営業部 係長)
真野賢作 - 綾野剛 (技術部)
山崎光彦 - 松尾諭 (技術開発部 部長)
津野薫 - 光石研 (営業部 部長)
殿村直弘 - 小市慢太郎 (経理部 部長。銀行からの出向)
田辺篤 - 井上高志 (顧問弁護士)

帝国重工
財前道生 - 渡部篤郎 (宇宙航空部 部長)
鈴木智美 - 原田夏希 (広報部。江原の恋人)
富山敬治 - 眞島秀和 (宇宙航空部 主任。水原本部長の腹心)
水原重治 - 升毅 (宇宙航空部 本部長)
帝国重工の技術者 - 忍成修吾
藤間秀樹 - 田村亮 (社長)
アサギ - 忍成修吾 (技術者)
田村 - 野間口徹 (財務・経理)

三田公康 - 佐藤二朗 (ナカシマ精機 法務担当。財前の後輩)
大川京一 - 小木茂光 (大川総合法律事務所 代表)
神谷涼子 - 寺島しのぶ (神谷法律事務所弁護士)
佃利菜 - 美山加恋 (佃の一人娘)
佃和枝 - 長内美那子 (佃の母親)
財前冬美 - 奥田恵梨華 (財前の妻)

大場一義 - 古谷一行 (宇宙科学開発機構 教授)
本木孝 - 堀部圭亮 (宇宙科学開発機構 研究員。佃の元同僚)
和泉沙耶 - 水野真紀 (宇宙科学開発機構 研究員。佃の元妻)


須田 - 津田寛治 (企業投資会社バースパートナーズ)
岩崎 - 螢雪次朗 (倒産に追い込んだ会社の社長)
裁判官 - 相島一之 (裁判を担当)
根本節生 - 阿南健治 (白水銀行大森支店)
徳田修 - 俵木藤汰 (京浜マシナリー部品調達)

倉八慶
安達功一、扇田森也、鈴木英治、島田三枝子、城下千砂
金子裕二、毛呂恭久、岩川鉄兵
向井まどか、中川健、石井裕、須田弘章、久保隆、井上莉穂
岩嵜敏剛、伊東義孝、玉川雄一郎

橋沢進一、中村陽一、西岡浩子、小泉颯野、吉田高之、野中富徳

本田大輔、森正樹、竹原大祥、堀口恭平


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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