下町ロケット (2011年8月期・WOWOW・日曜22時枠) 原作：池井戸潤『下町ロケット』 監督：鈴木浩介(1)(2)、水谷俊之 脚本：前川洋一 プロデューサー：青木泰憲、土橋覚 音楽：羽岡佳 主題歌：『スマイル』エルヴィス・コステロ http://www.wowow.co.jp/dramaw/rocket/

第5話
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つくだ製作所は自分たちの作ったエンジンバルブを帝国重工の
厳しい品質テストを受けるために納品するも、品質に問題有り
との結果が出る。何故こんな事になったのか社内で話し合って
いると、現場の一人・真野賢作が別の物を混入させておいた
と白状する。帝国重工の責任者・富山から電話が鳴ると、これ
でテストは中止だとして一方的に電話を切られてしまう。

佃たちはアサギに仲介して貰い、富山に会いに行く。
そして納入する製品にミスが有ったことを認め、これが納品す
べきものだった事を説明するが、これが打ち上げの本番だった
らどういう事なのか分かるのかとし、製品だけでなく納入もま
たテストの一部だとして、富山はこれ以上論議の余地はないと
一蹴する。しかし佃は製品の品質テストだけで受けさせて欲し
いと食い下がる。財前がたまたまそこを通りかかり、佃の主張
を聞くと富山にテストを受けさせる様指示する。

一方真野は退職届を出して会社を出て行く。
津野は責任は取るべきだとして当然の進退だとするが、佃は
真野をあんな風にしたのは自分にも責任があるとし、部下達の
不満をくみ取れなかった事に反省する。そして彼の退職届を
破ると、連れ戻すよう語る。
仕事は二階建ての家と同じで、仕事を飯だけの為にではなく
夢もないとダメな事。ロケットエンジン制作は俺の夢であり、
しかし一人では出来ないことを語り、誰一人欠けてもだめだ
と語る。

富山と財前はそれぞれ水原の前で、つくだ製作所の検査の件
で報告する。たった100個程度の納品の中に不良品が有った
など言語道断だとする富山に対して、財前は受け入れを拒めば
つくだ製作所は態度を硬化させ、他社に部品を供給してしまう
かもしれない事を語る。それだけ世界的な技術レベルの製品だと
訴える。水原は今一番大事なのは、打ち上げ計画の時期を
遅らせない事であり、テストを続行するよう指示する。

テストは合格。次は燃焼実験を行うと聞かされるとつくだ製作所
では盛り上がる。そこに真野も戻ってきてみんなに謝罪し、
もう一度働かせて欲しいと頼む。
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つくだ製作所の社員が、帝国重工に納品ではなく、使用権を
払わせ安定経営を求めるために、意図的に不良品を混入した
事で、つくだ製作所としての立場は一気に落ちていく。
しかし佃の技術力の高さを知る財前は、仲介に入りつくだ製作
所の製品をなんとか利用しようと画策していく。

きちんと製品の質、会社の姿勢を見てくれる人がいるお陰で
技術が上手く利用されていく事が描かれる最終話だった。

一度会社で決定した事項に縛られてなかなか他社の製品を認める
事が出来ずにいる姿は、まさに今の日本の会社の問題有る
部分なのかも知れない。

日本人が持つ町工場の拘りやプライドというものが上手く
描かれていて、今の日本人に勇気を与える内容で、相変わらず
WOWOWのドラマは面白いなと感じさせる内容だった。

最後は神谷の罪の精算だったり、7年前の心の蟠りを吹き飛ば
すだけの成功に至る過程がとても興味深く描かれたし、エンタ
ーテイメントドラマとしても上手く作られた話だった。

ちょっとしたお笑いも忘れずに、利菜と神谷の身内裁判ネタ
はとても面白くできていた。
技術転用の件はちょっと気の遠くなるようなネタだったかも。

挑戦の終わりは、新たな挑戦の始まりという社長の言葉は
社員がついていきたくなるようなカリスマ性に溢れるもの
だったね。