それでも、生きてゆく
(2011年7月期・フジテレビ・木曜22時枠)

脚本:坂元裕二
プロデュース:石井浩二
演出:永山耕三(1)(2)、宮本理江子、並木道子
音楽:辻井伸行
主題歌:
小田和正『東京の空』

http://www.fujitv.co.jp/ikiteyuku/index.html



第2話 想い、断たれて…
--------------------------------------------------------
文哉の保護司をしていた高田進一郎の葬儀の場に、文哉が現れ
るのを見た洋貴は、父が望んでいたようにナイフで彼を刺そう
と近付く。しかしそれに気がついた双葉は洋貴を止め、兄を
逃がす。
双葉は洋貴に対して、私が少年Aの妹・双葉である事を語る。

双葉は洋貴が幼い頃、何度かウチに来た事を語る。兄のことは
家族も居場所を知らず、私が今日会ったのは15年ぶりだと語る。
それを聞いた洋貴はあんな人殺しを放っておくのは無責任だ
と告げる。双葉は本気で兄のことを殺そうとしたのか?と尋ねる
と、本気であることを告げ、あなたも敵だと語る。
洋貴が車で帰ろうとするところを、双葉は自分の携帯電話の
番号を書いたメモを車内に投げ入れる。

加害者家族の三崎家は、居場所がばれてその土地に居づらく
なった事で、一家で引っ越しすることになる。

双葉は兄が逮捕された時のことを思い出す。
親友の朋美と一緒に帰宅し、行方不明の女児が出たことで夏祭り
が中止の危機にある事を記念していた。
そんな中、今の近くに行くと双葉は警察が沢山いる事に気がつ
く。部屋から凶器が見つかったことで兄は連れて行かれる。

三崎家は兄の
遠山悟志を頼り静岡へ。
そんな中駐在から、
野田凜花(8歳)が現在行方不明だとチラシ
を見せられる。

弟の耕平は洋貴に対して、ウチに来ないか?と誘う。妻の親も
歓迎している事を告げる。洋貴は耕平に対して文哉と会った事
を告げると、絶対に母には言うなと言われる。

一方双葉は引っ越しの荷物を紐解く中、父・駿輔に対して、
被害者家族と最後にあったのはいつかと尋ねる。ここは結構
被害者家族と近いので駅とかで偶然すれ違ったのするのではな
いか?と告げる。駿輔は会っても知らないフリをする様告げる。
双葉は会ってちゃんと謝罪すれば、冷静になっている現在なら
ば分かってくれるのではないか?とするが、それは決してやって
はいけない事だと語る。

洋貴は遺骨を持って日垣家へ。耕平の義父の清次から良かったら
ウチの会社を手伝わないか?と尋ねるも、洋貴は明日から店を
開こうと思うと告げる。洋貴は母・響子に対して、父が最後に
酷いことを言ったと後悔していたことを語る。母に対して恨む
のであれば父ではなく、娘を殺した文哉を恨むべきだと告げ、
アイツが生きて何をしているのは知りたくはないか?と告げる。
しかし耕平はここでこれ以上その話はするなと告げると、洋貴
は家に帰ろうとする。耕平は車で出て行こうとする洋貴に対して
妹が殺害された日のクリスマスに加害者家族が仲良さそうに
クリスマスケーキを買っていたのを見た事を告げる。

--------------------------------------------------------

双葉は洋貴の前で、自分が加害者の妹である事を告白。
それでも自分の前では優しい兄だとして、洋貴に語りかける。
そんな中で、元住んでいた場所の近くで再び女児が行方
不明になる事件が起こり、文哉が起こしたものではないか
と疑いを感じていく。

佐藤江梨子さんのおっぱいがデカイ・・・・むむっ。
びっくりする程の胸の谷間で驚いた。父親としても目のやり場
に困りそうな感じ。

さてドラマとしては被害者は加害者の事を当然の事のように
責め立て、自分たちの気持ちなど分かるものかと告げる中で、
互いに自分の気持ちをぶつけるあまり相手を深く傷付けて
いく。

被害者の気持ちを静めるために、なんとか兄の事を分かって
もらおうとする双葉の行動が、逆に相手の逆鱗に触れてしまう
のだが、確かに話を聞いていると双葉自身の中には、兄への
良いイメージしかなく、反省していないのではないかという
感覚に見舞われる。

しかしドラマとして上手く描かれているのは、双葉の微妙な
心情とその推移が過去の映像と共に上手く描かれており、
当時の逮捕されるときの映像がスリリングな形で描かれる。

双葉の中には押し殺していた兄への負の一面というものが存在
していて、それが今回記憶の中から封が開けられると、一気に
双葉の中の消失感へと繋がっていく。

双葉の母は双葉のことを強い精神と思っているようだが、実際
には彼女の中の自己防衛によって、その精神が保たれていた事。
良い兄だけを見ていたことで、精神のバランスを保っていたで
あろう事が伺える。
それを象徴する手紙の存在というものが、最後に興味深く
読まれていたけれど、今後最もサポートケアが必要なのは、
双葉である事は言うまでもない。

一方で洋貴の中でも被害者家族に対する行きすぎた感情や
先入観から語弊を生んでいたことは、今後少しずつ意外な形で
彼の中のサプライズ感を生み、加害者家族にも同情する視線が
生まれてくるであろう事が伺える。

加害者・被害者という状況が一つの共通する負の感情で交わり
合ってしまう辺りの不思議な感覚と、大局的な位置にいた
人物が突然近くの存在に感じていく辺りのサプライズ感が
実に上手く機能していた感じの内容だった。

このドラマネタとしては色んなものが存在しているので、
一期で解決出来るのだろうか。24話程度の構成でじっくり
描いて欲しい気がする。

深見洋貴 …… 瑛太 (29歳、被害者家族)
遠山(三崎)双葉 …… 満島ひかり (25歳、加害者家族)
雨宮健二(三崎文哉) …… 風間俊介 (29歳、洋貴の妹を殺害した少年A)
日垣(深見)耕平 …… 田中圭 (26歳、洋貴の弟で、殺害された少女の兄)
草間真岐 …… 佐藤江梨子 (31歳、果樹園農家の主の娘)
遠山(三崎)灯里 …… 福田麻由子 (15歳、双葉の妹。)
日垣由佳 …… 村川絵梨 (25歳、耕平の妻)
藤村五月 …… 倉科カナ (25歳、被害者家族)
臼井紗歩 …… 安藤サクラ (24歳、健二の過去を知る女性)
深見達彦 …… 柄本明 (55歳、殺害された少女の父)
日垣誠次 …… 段田安則 (57歳、耕平の義父で、由佳の父)
草間五郎 …… 小野武彦 (62歳、果樹園農家の主)
遠山(三崎)隆美 …… 風吹ジュン (55歳、少年Aと双葉、灯里の母)
三崎駿輔 …… 時任三郎 (54歳、少年Aと双葉、灯里の父)
野本(深見)響子 …… 大竹しのぶ (55歳、殺害された少女の母)
高田進一郎 …… でんでん (保護司、亡くなった)


少女時代の双葉 …… 山本舞香
少年時代の洋貴 …… 私市夢太
少年時代の文哉 …… 佐々木亮輔
少年時代の耕平 …… 西野隼人
遠山悟志 …… 山田明郷 (隆美の兄)
三崎泰子 …… 森康子 (元小田原に住んでいた祖母)
野田凛花 …… 飯島緋梨 (8歳、行方不明)
朋美 …… 川嶋紗南 (少女時代の双葉の友人)

原涼子

田中登志哉、今谷フトシ、針原滋、竹部有紗、木村英里(アナ)


評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

inserted by FC2 system