それでも、生きてゆく (2011年7月期・フジテレビ・木曜22時枠) 脚本：坂元裕二 プロデュース：石井浩二 演出：永山耕三(1)(2)(5)、宮本理江子(3)(6)(8)、並木道子(4)(7) 音楽：辻井伸行 主題歌： 小田和正『東京の空』 http://www.fujitv.co.jp/ikiteyuku/index.html

第8話 それぞれの覚悟…
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文哉の居場所が分かり、洋貴や駿輔は文哉と会いに行く中で、
文哉は紗歩を殴り、真岐に致命傷を与えて逃亡したことが
判明する。

個人的にはドラマとしてのピークが過ぎた感じで、文哉の本性
が分かった時点で随分ドラマとしての興味やテンションを失っ
た印象が有る。

今まで散々苦しんできた加害者家族の精神状態は、コップに
溢れんばかりの水の様な状況だが、そんなコップの中に更に水
を注がねばならない事実が目の前で起きてしまった。
タイトルの通りそれでも生きていかねばならないだめ押し
感を与えた格好だが、加害者たちも苦しんできたとはいえ、
向き合ってこなかった事への後悔と懲罰的展開が用意されており、
改めて究極の状況というものを作り上げたのではなかろうか。

なかなか気持ちや状況を図れるものではないけれど、有る意味
では被害者で有った深見家の苦しみに近い絶望感を、加害者家族
に味わせた格好だと思う。

文哉と響子の争いは確かに見応えがあり、緊迫感・恐怖感が
入り乱れていた格好だけど、案外状況的に見ると、実際に会う
よりも想像して憎しみ抱いていた時の方が、伝わるべき物が
多い気はする。

怖がっていた響子が突然態度を豹変させて、覚悟を決めたよう
に文哉と対峙する様。やはり子供を守るべき母親の責任感が
浮かび上がってきた格好だろうか。
あれだけ争いを演じていたのに、奥にいた由佳は気がつかなか
ったのだろうかとか不自然さは有った。
それと紗歩が生きていたのは意外かも。殺害に至るキーワード
を叫んだのは紗歩ではなく真岐だったという事で、そんな所で
差別化が図られてしまったのかな。