チーム・バチスタ3 アリアドネの弾丸 (2011年7月期・テジテレビ・火曜22時枠) 脚本 - 後藤法子 プロデューサー - 豊福陽子、遠田孝一、八巻薫 演出 - 今井和久(1)、小松隆志、星野数成 Do As Infinity「アリアドネの糸」 http://www.ktv.jp/dangan/

第1話 心不全トリックの謎
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公平はゴミ捨て場で朝を迎える。隣に男性が倒れているのを
目撃し、声を掛けるが意識が無い。死後硬直も始まっている
様だとしすぐに救急車を呼ぶ。

一方白鳥は医療過誤関連中立第三者機関設置推進準備会議を
行う。警察庁刑事局審議官の北山にも出席を求めるが、彼の変
わりには斑鳩が来る。自分は白鳥の主張する機関が協力に値
するかどうかを見極めに来たのだという。白鳥は医療過誤を
防ぐ為にもAiセンター設立を主張していた。

公平の元に桜宮署の刑事・係長の玉村と、警察嘱託医の矢上医師
がやってくる。事情聴取を受ける公平は、昨晩大学の友人と
酒を飲んでいたが、二次会以降の記憶がないと告げる。
その間に矢上は遺体を目視し、外傷が無いので事件性はなく
衰弱死ではないかと告げる。すぐに死体検案書を用意すると
いう。公平はそれだけで死因を特定するのか?とするが、虚血
性心不全が死因である事を告げる。

白鳥は会議の場で、日本で遺体が発見された場合解剖率は僅か
3%。97%は推量で決められていると非難する。監察医が居る
地域は僅か5都市だった。
白鳥は海外の大学病院で放射線科で勤務していた島津を紹介す
る。島津はAiによって大抵の死因は分かるとし、海外では医療
裁判の証拠にもなる事を告げる。警察が見過ごしてきたものを
医療で見つけることが出来ると告げると、警視庁の関係者は
不満な表情を見せる。

公平は、事件性は無しとして処理されようとしている遺体に
対して、違和感を覚え昨日の記憶をたぐり寄せる。すると
何者かがバンでここに遺体を置いていったかもしれない事を
口にする。解剖してくれないか?とするが、矢上は解剖するには
一体20万円するとし、その費用は誰が出すのかと言われてしまう。
ではAi (死亡時画像診断)で調べられないか?と告げる。

早速遺体は神田医師の元でAiが行われる。すると肺水腫である
事が判明。溺死の可能性が高いというもの。それを受けて
玉井は司法解剖の手続きを行う。
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日本の遺体に対する調査の現状を何とか改革するために、白鳥
は死亡時画像診断Aiの導入の必要性を訴えていく。
しかしそれを導入することで不都合に感じているものたちは、
それを阻止するために動き出す。

取りあえずドラマとしては救命が舞台ではなくなったという事
も有って「Dr.ハウス」的展開からは一転して、Ai反対の立場
の人間たちを賛成に持ち込むために動いていきそうだ。

警視庁やら放射線科、法医学など対立する要素が多く、その柵
からなかなか抜け出せずに改革が進まないというのは如何にも
日本っぽい所。それぞれの立場から、何が利益で何が自分たちに
不利益なのかを見極めていく内容になりそうだね。

白鳥が公平を使って、大々的にマスコミにAiセンター設立の
必要性を訴えて、市民を巻き込もうとしている所など、彼らしさ
も出ていて面白くできていた。

政治色の強い内容の中で、中立的立場の白鳥や公平は果たして
権力に屈することなく、自分たちの信念を貫くことが出来るのか。

初回は法医学の笹井スミレの気持ちを上手く溶かしていく様な
内容だった。解剖こそ死因を特定する最高の手段だとする彼女
の立場を揺るがすAiの存在。それぞれに利点と欠点が有る訳
だけど、互いに上手く譲歩しつつ歩み寄っていくのか。

遺体の声なき声を拾っていくという意味では、最近ありがちな
ドラマの構図だけど、なかなか面白く出来ていたと思う。