チーム・バチスタ3 アリアドネの弾丸 (2011年7月期・テジテレビ・火曜22時枠) 脚本 - 後藤法子 プロデューサー - 豊福陽子、遠田孝一、八巻薫 演出 - 今井和久(1)(2)(3)、小松隆志、星野数成 Do As Infinity「アリアドネの糸」 http://www.ktv.jp/dangan/

第3話 偽りの死亡時刻
--------------------------------------------------------
検死官によると友野はMRI室で午後9時頃亡くなったと検視の結
果判明するが、24時3分に室内のコンピュータにログインして
いる事が判明。しかも9時以降に磁場調整していた形跡があり、
検死官が明らかに間違えた事を示唆していた。

病院で田口と白鳥は、宇佐美と出会う。田口は宇佐美に友野の
件で話そうとするが、白鳥はそれよりも先にスミレの居る
法医学教室に行く。
スミレたちはちょうど司法解剖する所だった。
白鳥は死亡推定時刻に関する考察を尋ねようとするが、ちょうど
スミレが解剖する案件もその事について調べるための物だと
知る。

スミレたちの前には二体の遺体が有り、それぞれコンサート会場
で前日からテントを張っている客だという。
松本一義(21歳)と星拓也(21歳)。二人ともテント内でコンロを
付けた事で不完全燃焼が引き金となり一酸化炭素中毒で亡くな
った遺体だが、二つの遺体には死亡推定時刻が6時間の差が有る
という。先に死んだ方が殺害され、その後自殺した可能性だって
あるという。

スミレは解剖していくと、その原因を発見する。最初に亡くな
った遺体は心房中隔欠損症で亡くなっていたのである。
真実を知ることで悲しみの一部が浄化されるという白鳥は、
Aiでも心臓を見れば今回の案件は原因が分かるのではないか?
とするが、スミレは死因であるガス中毒に関してはAiでは
分からないと告げる。白鳥は友野の死に関しての可能性について
どんなガス中毒が考えられるか尋ねると、毒性の強いものならば
体表に現れるし、窒息死だとするにも、MRIの部屋全体をガス
で満たすには大変だと聞かされる。

田口は宇佐美に友野の件で話そうとするが、白鳥はそれを止め
て立ち去る。彼に話せば筒抜けになり、犯人が東城医大の人物
ならばAiセンター設立の計画が潰れる可能性があると語る。
--------------------------------------------------------

友野が倒れていた件で、死亡推定時刻が実際のとは違う事が
明らかになり、それが意図された物なのかどうか。
少しずつ仮説を立てては、それを実証していく。

ドラマとしては相変わらずAi画像診断における利点と欠点、
そして解剖に於ける利点などが描かれた。

死因が有耶無耶だったものから、それが具体性を帯びていく
過程を描いたことで、いよいよAiシステム設立に於ける対立
者の存在というものが鮮明に打ち出されて、推進派と反対派
の間の駆け引きが本格化し始めると言ったところだろうか。

ドラマとして面白く描かれているのは、20年前のDNA検査に
於ける警察側の落ち度の問題を浮かび上がらせたこと。
斑鳩の態度と北山の思惑の違いが少しずつ現れているし、
何より現場での玉村刑事と、警察庁との考え方の違いが、
ドラマとして複雑なものを感じていく。

スミレの父と北山自身が20年前のDNA検査の件で深い関わり合い
が有り、立場としては微妙な所があるが、Aiでの死亡診断を
絶対的立場で否定する存在としてはかなり弱いものがあるので、
これらが関わっているとするにはちょっぴり無理が有るのかな。

事件解決への手がかりは、Aiで撮った画像と、自供待ちという
なんとも心細い物があるけれど、どうやって打開点を見出して
行くのか。