TOKYOコントロール 東京航空交通管制部 (2011年1月期・CSフジテレビ・水曜22時枠・隔週) 脚本：宇田学 製作：大多亮 企画：小牧次郎、羽鳥健一 プロデューサー：関口大輔 監督：成田岳 音楽：ティム・ウィン http://www.fujitv.co.jp/otn/TACC/index.html

第10話 人の絆
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ハイジャックされた事で日本の上空にある機体の全てを飛行禁止
措置を発令して、みんな近くに有る空港へと下ろすことになる。
550機前後の機体が飛んでいる中で、一斉に開いている空港に
振り分けることになり管制官は大変な忙しさを伴う作業だった。
依然としてジャパンセントラル、アトランティス、レインボー
機とは交信が取れず、山田には役不足だと感じた真紀は変わろ
うとするが、山田はやらせて欲しいと志願し、太田も彼はもう
一人前であり、責任の伴う事態の大きさも理解しているだろう
として後押しする。

成田、羽田、関空は特にキャパ的にもオーバー状態だった。
三つの交信不能の機体には相変わらず自衛隊機が護衛している
と思われるが、自衛隊機からの応答はない。氷室は911の時
と似ているとし、最悪のシナリオも考えられるという。システム
ダウンはハイジャックの布石だったのかと呟く。
そんな中、結城は氷室に高橋から受け取った防衛省の公文書
を氷室に渡す。そこに全てのことが書かれているという。

矢野は部長が管制室にいると難しいことになるので外させよう
と告げ、部長に頼んで自衛隊機の事を防衛省に問い合わせて
欲しいと仕事を与えて退席してもらう。

三つの交信できない機体は低高度で飛んでいる事を知る。
一体何が目的なのか。
由美は密かに管制官室を抜け出すと、氷室の元に行き、交信の
取れないジャパンセントラルに結城の娘が搭乗している事を
語る。氷室は妻に他の人には言うなと告げ、くれぐれも無理は
しないよう語る。

そんな中、アトランティス機は空港の侵入経路を防いでいる
事が分かり、空港自体をジャックしようとしている事が分かる。
依然として300機以上が着陸せず上空にあり、300機以上を生き
殺しにしようとしているのかという。成田、羽田、そして関空
の侵入経路をそれぞれ三つの機体が防いでいるのだという。
そんな中アメリカ製のエア・アメリカ機が燃料切れで緊急着陸
を要請。アメリカの軍事基地のある横田に止める手筈を取る。
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管制官として空の安全を確保するため、そして一人の犠牲者も
出さないようにするため、一丸となって日本に起きた前代未聞の
ハイジャック事件に対処していく。
500機を超える飛行機をみんなで協力して着陸させていくが・・

管制室内だけでほぼドラマを回すという意味では、なかなか
ドラマとしても難しかっただろうし、トラブルばかりを特化して
描いてしまうと嘘くさいドラマと化してしまう。

このドラマでは、日常という事を上手く引き出して描いており、
今回の事件などはかなり特殊な例では有るけど、個々の対応力
や機体を誘導する為の段取りに於いては、特殊さを感じさせず、
上手い事描いていたと思う。

パイロット、管制官、そして政治的絡みが最後は面白く組み合わ
さり、何が問題なのかとか、今の現場に必要なものは何か、など
提示するものにもきちんと説得力を持たして描かれたと思う。

冒頭から終始一貫して描かれたのは、指示の一つが命取りになり
うるプレッシャーの環境であること。
そのような中でヒューマンリスクを減らすためのチームワークと、
プロフェッショナルたちが危機に立ち向かう様が最後は総出とな
ってドラマを盛り上げた。

テロに屈してしまうのがまた日本の政治家でも有るし、お役所
仕事で天下りしてきたであろう上司が最後に見せた態度の変化
など、なかなか面白い味付けがしてあった。

2012年度10月期に放送される地上派のドラマの方でも期待して
みよう。