相棒11
(2012年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

脚本・輿水泰弘(1)(9)(10)、戸田山雅司(2)、太田愛(3)(11)
櫻井武晴(4)(7)、ハセベバクシンオー(5)、守口悠介(5・協力)
徳永富彦(6)、金井寛(8)
監督・和泉聖治(1)(3)(6)(11)、近藤俊明(2)(7)(8)、東伸児(4)
田村孝蔵(5)、安養寺工(9)(10)
プロデュース・伊東仁、西戸敦郎、土田真通
音楽・池頼広

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/





第11話 元日スペシャルアリス
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イギリス・ロンドンで一人の老女が亡くなる。
朋子は亡くなる間際に、ある言葉を残す。
朋子は右京の知人でもあり、弁護士の石川から訃報の知らせが
届く。その際に朋子から"茜が危ないので助けて欲しい"と発して
いた事を知る。
一方特命係に米沢宛の宅急便が届く。私物を職場に送る事に
婦警の大石真弓は呆れる中、中には古書市を巡って購入したと
する古い鉄道雑誌が入っていた。米沢によると最近古書市で、
永沢成親の備忘録が発見されていると聞く。
右京はトオルと共に茜が住む早蕨村へと向かう中で、茜の自宅
の豪邸に空き巣が入ったとして、人々が集まり所轄の玉野が捜査
している事が分かる。

57年前の昭和30年。早蕨村では一人の17歳の少女が神隠しにあった
かのようにして居なくなる。そして華族制度以降も何故か繁栄
していたホテルが謎の火災事故で焼失して3人の被害者を出して
いる事が分かる。

ドラマとしてはノスタルジックな映像を通して戦後の混乱期の華族
たちの間で起きた事件・事情が描かれ、57年の時を経てその謎を
解いていくというもの。富士山が見える場所でのロケーションを
考えるとドラマ「愛の嵐」を思い出す。

亡くなる直前に人は懺悔する為に告白するという事は多いけど、
死の床にあった人物の発言がきっかけで、また凄い事件を掘り当て
たなという感じ。右京たちが別の角度から捜一のメンバーの元に
たどり着くというお約束の流れは相変わらず面白い。

正月特番らしく、警視庁vs警察庁の対決の構図が盛り込まれ、
相棒ファンにはお馴染みだけど、この間に割って入る官房長官
が居なくなった事で、ドラマとしては収拾が付かなくなりそうな
内容だった。
逆に警視庁と警察庁という括りがあまり馴染み無い事も有り、相棒
を見ていない人は特に分かりづらい構図が有る。

完全にネタ化している内村と中園。
内村役の片桐竜次さんはドラマ中のCMの中でも登場していたので
ある意味驚きだった。

57年前の事件をどう掘り出していくのか。
当時の備忘録は発見されるも、不正の暴露を目的とした文章で
ある国枝文章は果たして存在するのか。そして華族たちから集めた
隠し財産は本当に存在するのか。

ホテルの宿泊リストが残っていたり、閲覧者記録が至る所で
効果を発揮していたけど、色んな思惑が入り乱れすぎて、やや
見ている方としても、何処に集中して見れば良いのか分かりづらい
ものが有った様にも感じる。

瑠璃子がとても正義感溢れている役割だったけど、残念ながら
彼女のプライドをくじく事実が発覚してしまったり、ホテルのオー
ナーの二百郷が、昔の居酒屋の様にツケで泊まっている人物たち
の姿を見ると、当時がまだ人間関係によって商売が成り立っている
一面が有るのかなと思わせるけど、瑠璃子と言い二百郷と言い、
華族の中でも立派な人が居る事が伺わせるけど、やっぱり人は金に
よって左右されてしまう生き物だなと思うとちょっぴり切ない。

宝探し的な内容としてはとても興味深かった。
ただ流石に言葉遊びっぽい部分が有って、視聴者としては考える
余地が無かった気もするけど、なんとなく納得してしまう部分が
有るのが相棒かな。2時間半の内容だとなかなか集中力を
発揮して見続けるのは難しい。

最後に火事の謎であったり、瑠璃子の失踪の謎にまで言及する。
2時間の時点で現行の事件ばかりを追っていたので、当時の事件の
全容はどうやって描かれていくのかなと思ったけど、全ては柴田
久造が告白することで解決した。右京が言葉尻を上手く捉えていく
けど、流石に長いスパンのドラマだと、そんな発言していたのか
と思う所も有って、やや解答編に於いてもインパクトに欠ける
部分が有ったかな。


■検索用キーワード

・早蕨村 早蕨ホテル 昭和30年12月24日
・タロ 番犬 スタンガンの改造
・右京 朋子 10年前ロンドンで出会う 涙の朋子 記憶が曖昧
・朋子と瑠璃子 東京 ミッション系 女学生
・1955年12月24日 失踪した日の写真 翌日 ホテル火災
・二百郷 泥棒の家 噂
・ミツバチの巣箱 山林保全隊
・瑠璃子のスクラップ 形見分け 英国式 スコットランドヤード 研修
・歴史研究会 東雲(しののめ)
・中林秀雄 偽名でホテルに宿泊
・山岸昭和文化記念館 小島周三郎(52歳) 被害者
・佐竹克己 吉川武夫 (館長)
・国枝史貴 国枝文書 1950年 二百郷洋蔵 帝都大 東雲入会
・通信傍受法 公安活動が容易になった
・GHQの占領政策 財閥解体 華族制度廃止 90%近い税金
・旧華族の親睦会 翠育会 堀田
・朋子が茜に57年前の事を話したのは13年前
・養護施設 なずな会 瑠璃子は心が強く優しく聡明 制度が無くなって
も気にしない
・瑠璃子失踪事件 捜査資料 駐在 河野嘉一が保存
・不思議の国のアリス おかしなお茶会 挿絵
・朋子の誕生花はヒナギク ホテルのシンボルマーク 月下美人 闇に咲
く花 (8323987)

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
甲斐享 …… 成宮寛貴 (警部補・特命係)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (二代目"花の里"女将)
笛吹悦子 …… 真飛聖 (国際線・客室乗務員、享の彼女)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁・次官)
田丸寿三郎 …… 品川徹 (警視総監)
井出実篤 …… 井上高志 (警視庁・警務部長)
田中靖 …… 五王四郎 (警視庁・総務官)
堀江邦之 …… 山口良一 (中根署・係長)
沢田泰造 …… 園岡新太郎 (中根署・警察官)
土屋公示 …… 芦沢礼多 (中根署・警察官)

二百郷茜 …… 波瑠 (孫)
遠野弘明 …… 滝藤賢一 (神隠し事件を調査、本名は永沢公彦)
宮島加代 …… 藤田弓子 (二百郷家のお手伝い)
柴田久造 …… 中原丈雄 (二百郷家のお手伝い、元ホテルのボーイ)
二百郷朋子 …… 酒井和歌子 (75歳、ロンドン在住)
少女期の橘瑠璃子 …… 広瀬アリス (昭和30年に失踪、元華族の令嬢)
少女期の二百郷朋子 …… 上間美緒 (ホテルの娘、瑠璃子の親友)
青年期の柴田 …… 中山卓也 (ホテルのボーイ)
石川哲雄 …… 遠藤たつお (弁護士)
大石真弓 …… 松本若菜 (警視庁・婦警)
玉野 …… 西沢仁太 (所轄の警察官)
菅原崇 …… 川辺久造 (犬の散歩、早蕨郷土資料館館長)
萩原武志 …… 本宮泰風 (公安の実働部隊、"出店"マター)
三島武典 …… 新藤栄作 (警察庁、峯秋の仲間)
山崎重雄 …… 江藤漢斉 (早蕨村の福太屋)
二百郷洋蔵 …… 伊藤聡 (ホテルのオーナー)
児島周三郎 …… 田崎正太郎 (山岸昭和史記念館・職員、殺される)
佐武克己 …… 内浦純一 (山岸昭和史記念館・職員)
吉川武雄 …… 牧村泉三郎 (山岸昭和史記念館・館長・メガネ)

田中啓三、クラ、加藤大祐、早坂直家、内浦純一、
五森大輔、土井俊明、大西菜友、有村圭助、江藤大我、難波圭一
, 森山米次、伊藤聡、松井宗但、青木友成、羽村純子、群馬茂平
, 植村恵、村田一朗、山瀬秀雄、西浦明子

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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