悪夢ちゃん (2012年10月期・日テレ・土曜21時枠) 原案：恩田陸（『夢違』より） 脚本：大森寿美男 音楽：横山克 チーフプロデューサー：大平太 プロデューサー：戸田一也、千葉行利、大塚英治 演出：佐久間紀佳、猪股隆一、菅原伸太郎 http://www.ntv.co.jp/akumu/

第2話 姉弟の絆裂く悪魔！夢で救え！涙の教室
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夢を映像化する研究チームの教授・万之介から彩未の元に連絡
が有り、孫の結衣子が再び悪夢を見たので現実化しないように
注視していて欲しいと言われる。結衣子は無意識のウチに他人
の無意識の中に見ている映像と繋がり、今後起こりうる夢を
予知夢として見る才能に恵まれ(悩まされて)いたのである。
結衣子がみた夢とは、生徒の一人・冬馬が鴨を捕まえ、父親
だという大蛇に与えるというもの。大蛇に鴨を与えた瞬間、
冬馬はその大蛇の腹を切り裂き、腹中から女性が出てくる映像
を見ていたのだった。

彩未先生の孤児院で育ったとする設定故に、人を信じることを
甘えだと捉え、信じられるものは自分自身だとする主張と
同時に、現実的な甘い夢を夢の中に閉じ込めているという二面
性を持って居る設定自体は悪くは無いのだけど、夢という共通
部分をリンクさせようとするが余り、物語の主人公となる
結衣子と、結衣子がリンクしてしまう他の生徒との主張と混合
してしまい、もう少し色んな意図する流れを整理して、少し
本文の物語に集中させるような作りにして欲しい。
そういう意味では、GACKTさん演じる研究者の彩未や万之介と
の因果関係は、ちょっと邪魔くさく感じるところだし、
北川景子さんの味を引き出す琴葉との絡みのシーンだけに集中
して描いて欲しい気がする。

ただ夢の中に出てくる映像物が比喩的な表現で現れ、それを
ヒントに具現化していく流れは面白いと思うし、夢と現実を
変換する作業もまた奇抜なファンタジック映像とは余所に、
単純な比喩的表現として扱われているので物語としては分かり
やすい感じはしてくる。

スナック「うわばみ」。この名前から来るインパクトが激しす
ぎて、今時こんな店の名前をつけるところが有るのだろうかと
小一時間な感じ。赤ちゃん時代からドラマの中で見かける
日向ななみちゃんが、いよいよお姉さん役を演じるという事も
有り、時間の流れを感じさせる。そして赤ちゃん役の頃から
可愛かったけど、小池里奈ちゃんのようなちょっぴり線の細さ
が、不幸な生い立ち感が異様なほどマッチしていて、ドラマ
としても感情移入しやすかった。

とても評価が分かれているドラマだけど、北川景子さんって
とても聡明で芸達者な方なのに、ドラマの役所がどうも
「謎解きはディナーのあとで」のヒロイン役を引きずっている
ような平成版・白鳥麗子的役柄にしか見えない所が有るのは
残念。まぁそれが面白いと言えば面白いのだが・・・