カウンターのふたり
(2012年4月期・BS12・土曜)

脚本:佐藤久美子
演出:松木創
企画:中山和記
編成:池上直樹、鎌田雄介
プロデューサー:伊賀宜子
主題歌:アリル「if」〜もしも2人が〜

http://www.twellv.co.jp/event/counter/





第3話 終わりと始まりの間
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値札が存在しない寿司屋に武岡がやってくる。
場違いのような格好をしている彼は売れないミュージシャン。
一度来てみたかったとする彼は店の中を見渡し、そしてスマート
フォンを使って写真を撮りまくる。値段が書かれていないけれど
高いのか?という問いかけに、寿司職人の神部は銀座の高級店と
は違うという。武岡はエビマヨとか無いのか?と問うが、開店
寿司屋と違い置いていないという。こういう店に来たことがない
ので普通は何をはじめに食べるものなのかを問うと、コハダだ
という。コハダを見れば職人の仕事っぷりが分かるという。

握ってもらうが武岡は突然ツイッターでつぶやいたり、電話に
出てなかなか食べようとしない彼を見て、神部はつぶやくのは
辞めてくれないかと告げる。武岡は如何にも頑固親父という感じ
で想像通りだという。自分はblogを書いているのでその感想を
書いているのだと告げる。

電話に出た後にコハダを食べようとするが、神部は作り直すと
して握った寿司を回収してしまう。寿司は生もので新鮮なうちに
食べてもらいたいことを告げるが、回転寿司はもっと長い時間
放置されていることを告げる。よその事は知らないという神部に
対してやっぱりガンコだねと告げる。

話題は武岡のことになる。
現在29歳、仕事は音楽関係だという。バンドをしているとする
とレコードを出しているのか?と問う。今はネット配信の時代だ
とすると儲かっているのか?と問う。自分の高校生の息子も
ギターを弾きミュージシャンになりたいと言っているが、音楽
で飯を食えるのは才能のあるほんの一握りの人間だけであり、
息子にもそのことを告げているが全く話を聞かないのだという。
そんな神部に対して、武岡は急に静かになると、黙って握ってくれ
と告げる。寿司屋はコミュニケーションも大事な仕事だとする
が客が黙ってくれと言っているのだから黙るべきだという。すると
神部も黙っておらず客にも礼儀は存在するのだとし、一番旨い
時を食べさせようとしているのに、携帯などをいじっていることを
非難するのだった。

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チャラい感じの客と頑固オヤジ風の店員が今回の主役。

イメージ先行で相手を評価していくなかで、少しずつ会話を
通して互いの人生感に触れ、夢と現実について語り合うウチに
上手いこと心を通わせていく物語だった。

何と言っても敦士くんがチャラ過ぎる。
TPOというものを完全に無視して客としての権利ばかりを押しつ
けようとする今時の若者だけど、上手いこと職人としての拘り
を通して、料理人の思いや客としてのマナーを唱えていく。

ツイッターの良い面と悪い面を上手く使った内容で、若者と
オヤジの交流を描いた格好だったけど、武岡順も若者と言える
ような年齢ではなくなっているし、多少微妙な感じはする。

ただカウンター席の寿司と回転寿司の違いを使って、上手く
客と店員の交流物語として成立しているし、金が出来たら
絶対に食べてみたかったとする小さな夢を叶える流れ、そして
失望する流れを描きつつ、最終的にはそんな流れから一生忘れ
られない夜の一日を築き上げたという点で、とてもドラマチック
な内容だった。

武岡順 …… 敦士 (29歳、売れないミュージシャン)
神部治 …… 山路和弘 (寿司店)

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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