カウンターのふたり
(2012年4月期・BS12・土曜)

脚本・演出:龍樹
企画:中山和記
演出:松木創
プロデューサー:伊賀宜子
主題歌:アリル「if」〜もしも2人が〜

http://www.twellv.co.jp/event/counter/





第10話 最後の花言葉
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花屋の従業員・沢野まなみはレジカウンターで時間のあるとき
には何か絵を描いていた。経営者の道夫は、花を一本ずつ寄せ
集めてブーケを手作りしていた。
まなみに対して、道夫は話があると告げると、まなみは私から
まずは話をさせて欲しいという。既に荷物をまとめてあるので
出て行く準備が出来ていること。今までありがとうと告げ、
今日は
この店に転がり込んできて約束の一ヶ月が過ぎたので
出て行けと言うのでしょと告げる。住まいとアルバイトを
提供してくれた事に感謝を示す。
カレンダーには23日に赤い丸が書かれていたので、それが
約束の日だとばかり思っていたまなみ。しかし道夫はそれを
否定すると、まなみは家を出て行きたいのか?と尋ねる。
まなみはそれを否定し、出来る事ならばずっとここで働いてい
たいという。そんな彼女に道夫は手伝って欲しい事が有ると
告げ、今日は
一年に一度の特別な客が来るのでブーケを作る
事を手伝って欲しいのだという。

道夫は仮に今出て行けと言われていたらどうするつもりだった
のか?と尋ねると、多分ここに来た時のようにまた仕事を探して
回ったのではないかという。出来ればまたフラワーショップを
捜したい事を告げる。折角ここで働いているのだから両親に
知らせたらどうか?と告げ、働いている事が分かれば喜んで
くれるのではないかと告げる。しかし
まなみは両親は居ないと
告げ、お爺ちゃんとここで仕事を続けられるだけで十分
だという。
しかし道夫は
何かをやるために上京したのではないか?と問い、
花屋にいては世界が見渡せない事を告げる。
道夫は突然試したかったのだと告げ、君には花のアレンジの才能
が有るという。しかしまなみはブーケは今まで一度も作った
事が無いのに何故才能があると分かるのか?と疑問に感じる。

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フラワーショップで働く若い女性と老人。
本当の祖父と娘の関係なのかと思えば、二人の間に血のつながり
はなく、それでも家に住まわせていたり、また仕事を世話して
あげていたりする所など心温まるストーリーが描かれた。

人生について、そして家族について。
親の立場から見た子供の姿と子供から見た家族の姿の違いが
面白いように描かれた。
例え夫婦関係が破綻しても一番に子供の事を考えるというのは、
生物学的にも、夫婦は他人だが子供とは血の繋がりが
有るという事も起因しているのだろうか。

自分の為に家族の姿を壊したくない娘と、家庭は二の次でまず
は娘の将来を考えたいとする親心。
親の期待を背負いすぎると子供には負担になる事が大きいけれど
それを原動力としてなんとか頑張って欲しいと応援したくなる
物語だった。

道夫にしても家族構成は分からないけど、そんなまなみとの
生活は楽しかったに違いない。
いつまでも近くに居て欲しいと思う気持ちも有るけど、送り出す
勇気なんかも同時に備え持って居て、都会の他人との関係に
於いても心温まるドラマが待っていて良い感じだった。

沢野まなみ …… 寺島咲 (18歳、芸大生)
北竿道夫 …… 山本圭 (70歳、花屋経営)

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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