鍵のかかった部屋
(2012年4月期・フジ・月曜21時枠)

原作 - 貴志祐介
脚本 - 相沢友子
プロデューサー - 小原一隆
協力プロデュース - 中野利幸
演出 - 松山博昭、加藤裕将、石井祐介
主題歌 - 「Face Down」嵐

http://www.fujitv.co.jp/kagi/index.html





第1話 佇む男 / チグハグトリオが挑む、最初の密室事件
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小さな弁護士事務所に勤めていた青砥純子は、あるとき大手の
フリードマン・芹沢総合法律事務所に勤めることになる。
赴任してそうそう、共同経営者の一人・芹沢豪の下で働くことに
なり、ウェリントンホテルでクライアントである日船貿易の
円山社長から話を聞いてきて欲しいと言われる。当初想定して
いた話とは違い、社長の円山は、明正法務司法書士事務所司法
書士の日下部雅友を同席させて、先代の社長・大石満寿男の
死の原因について相談する。末期癌である社長は遺言状を
書いていたが、最近大石の甥で会社の専務をしている池端誠一
の横領が発覚したのを機に遺言状の書き換えをしようとして
いた矢先に亡くなったというのである。警察の見解では完全な
密室な状態である事から自殺だと判断したが、遺言状を開封する
と全く同様の内容が書かれており、違和感があるとの事だった。
調査を依頼され、純子は芹沢に報告するも、自分は企業法務し
かしないと言われ、純子が対応していくことになるが・・・

弁護士事務所が行うべき範疇なのか?という疑問が有るにせよ、
密室、セキュリティという事に着眼点を持ち、あらゆる可能性
に言及して答えを導き出すという面では、なかなか見応えが
有る内容である。
冒頭からちょっとしたトリックの全容・疑問点を説明した
後にドラマが進行する所など、古畑任三郎を思い出させる
ものがあるし、視聴者としてもどこにポイントを置いて見る
べきなのかが分かる作りは、見やすく工夫してある。

日本のドラマは、ドラマの規模の割に少し必要以上の出演者
を登場させる傾向にあるけど、必要以上に出演者が登場しない
シンプルな作りも良い感じに写る。

問題はどれだけ多くの密室パターンを描けるのか。
今回のように多少なりとも法医学的知識を必要とする場合に
は、素人では考え及ばない一面が有るだろうし、説得力の
有無にも繋がってくるので、密室パターンもあまりトリック
が凝りすぎるとマイナスに働く。それらのバランスをどのよう
に取るのかが今後のポイントになるのだろう。

今回は遺体の死後硬直がトリックとして利用された。
そして事件を解決するきっかけとなったのが、密室の中のハエ
の存在だった。
この辺のトリックは、CSI:科学捜査班ではお馴染みのトリ
ックであり、ハエがウジから成長するまでの時間で、遺体の
事件経過などを検証していく内容になったりするし、
昨日放送していた「CSI:科学捜査班」シーズン9の3話「芸術的
な死体
でも死後硬直が問題となった。人は亡くなってから
死後硬直に10時間から12時間程度要するという事も有って、
その辺の疑問点に着眼点を持たせていたけど、セキュリティの
プロにその辺の事を解かせるというのも、やや専門の範疇なの
かというところも若干の違和感として存在するのは確かだった。

ただ純子が冒頭からボタンを押してしまった様に、人の心理
状況を面白く突いていく内容なのかなと思う。

榎本径 …… 大野智 (30歳、東京総合セキュリティ)
青砥純子 …… 戸田恵梨香 (26歳、フリードマン・芹沢総合法律事
務所)
芹沢豪 …… 佐藤浩市 (50歳、フリードマン・芹沢総合法律事務所)
水城里奈 …… 能年玲奈 (フリードマン・芹沢総合法律事務所秘書)
立川 …… 夙川アトム (東京総合セキュリティ)

日下部雅友 …… 堀部圭亮 (明正法務司法書士事務所司法書士)
池端誠一 …… 風間杜夫 (新日本葬礼社専務・大石の甥)
円山 …… 浜田晃 (貿易会社社長・大石の友人)
小高 …… 名高達男 (中央朝日銀行頭取)
川崎 …… 前田健 (中央朝日銀行副頭取)
田代芙美子 …… 阿南敦子 (新日本葬礼社社長秘書)
大石満寿男 …… 前田昌明 (新日本葬礼社社長)
松田大輝 …… 土師野隆之介 (少年・事件の目撃者)

小野敦子、川野良子(フジテレビ)

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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