鍵のかかった部屋 (2012年4月期・フジ・月曜21時枠) 原作 - 貴志祐介 脚本 - 相沢友子 プロデューサー - 小原一隆 協力プロデュース - 中野利幸 演出 - 松山博昭、加藤裕将、石井祐介 主題歌 - 「Face Down」嵐 http://www.fujitv.co.jp/kagi/index.html

第5話 鍵のかかっていない部屋
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手抜き建築の建物が地震によって家全体が歪んでしまう中で
補修工事を請け負う工務店の竹本が殺害される。
カギはかかっていないドアだった、家が歪んでいるせいで、
容易には開けることが出来ない状況であり、調べていく内に
部屋の中からで無いと閉められないドアである事が判明し、
実質密室ではないかとされる。果たして事件性は無いのか。

地震によって亀裂の入った家を見て、色んな真実が見えてくる
という、殺人トリック以上に深いものが含まれていそうな物語
で、歪んだのは家だけでなく人の心だったとする結びも悪くは
ない。

小さな二つの穴から想像もつかない大層な事をやってのける。
ボトルシップと呼ばれるガラス瓶の中に船の模型を作る工芸
作品が有るけど、まさにそれを巨大な家の中で行ったかのような
感覚だった。

数学者の男性が恋愛に於ける三角関係の方程式を上手く利用
して恋人を勝ち得ていたり、殺人に於いても数学的指向の下で、
殺人・密室ロジックを組み立てる事で目的を達成したかに思え
たけれど、所詮は即席のものであり、理論だけでは計り知れない
ものがある。

ドラマではそれ程難しいトリック性は無かったので、すぐに
野球のピッチングマシンが使われている事が分かるものし、
問題は、タバコを吹かしている二人の生徒が事件にどれ
だけ関与しているのかとか、どうやって犯人を問い詰めていく
ことに繋がっていくのか興味として描かれる。

正直、現実的に考えれば犯行自体は、一時間の中でピッチング
マシンを運び出して殺害を犯してドアを閉めるという行動その
ものが大胆すぎてややリアルさには欠けるものがある。
ピッチングマシンを稼働する音やドアにボールを当てる音が周り
近所に聞こえてきそうだし、ドアにはボール痕が残っているだ
ろうし、学校から出て行く教師の姿が誰かしら目撃されていそ
うなものである。

それを補うようにして言葉で誘導する流れを使ったり、多方面
から容疑者を問い詰めていく流れは良かったと思う。

三角関係と言えば、榎本の存在を取り合う形で、芹沢と鴻野の
間でやりとりする様は面白かった。しかし鴻野が榎本に接近す
る意図には別の流れが存在していそうだし、今後ともチーム
榎本が存在していけるかどうかは、榎本自身の過去に関わって
くるのかもしれないね。