鍵のかかった部屋
(2012年4月期・フジ・月曜21時枠)

原作 - 貴志祐介
脚本 - 相沢友子
プロデューサー - 小原一隆
協力プロデュース - 中野利幸
演出 - 松山博昭、加藤裕将、石井祐介
主題歌 - 「Face Down」嵐

http://www.fujitv.co.jp/kagi/index.html





第6話 舞台を密室にした犯人の話
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純子は同じ職場で働く里奈が劇団の役者としての顔を持つこと
を知り、榎本を誘って見に行く。
すると公演中に下手側の楽屋で木刀で殴られ死亡する薬師寺の
姿が発見される。
殆どのスタッフが舞台に立つ中で、下手の楽屋にいくには二つ
のルートしかなく、ロビーの売店横からのルートと、舞台袖を
通っていく方法しかないとの事だが・・・

密室という概念を広げて描いたモノ。
舞台演劇の中では無人島自体が密室だとする主張が言われてい
たけど、設定としては興味深く出来ていた。
ただ空間が広がると、視聴者としても脚本家としても、より
気を配るべき部分が多くなり、情報も多く必要になってくるの
で完璧に侵入者の存在を潰せるのか不安な一面が有ったのも
確かだった。

能年玲奈さん周りのエピソードが取り上げられたので、それだけ
でそれなりに満足出来るモノが有ったけど、一度取り上げられた
ら、もうこれでドラマとしての彼女の見せ場は無くなってしまう
のかな。

さて舞台劇では色んなメッセージ性が含まれていたけど、冒頭の
電飾パフォーマンスと、演劇の内容自体がやや関連性の無い
パフォーマンスに見えたので、かなり違和感が有った。

アハ体験と称して近年の脳科学を取り上げたバラエティ番組が
増えており、色々と人間の脳の不思議な一面が解明されて
いるけど、それを上手く使って密室殺人を行っていくという
もの。

密室を解くよりも人間関係を調べていき、動機を探っていく
方が解決が早いのではないかと思われる案件では有るけれど、
物理的偽装トリックでは無く心理的偽装トリックだと語っていた
事を理由に、脚本を作っているのが誰なのか、その辺の事情を
上手く解明していく。

ただ密室だけでなく、計画性の有無などにも言及して、終盤は
台詞の応酬になった点で、説得力が有るのかどうか一見すると
よく分からなくなってしまった一面も有ったかな。

このドラマでは主人公らが弁護士だとする設定も、捜査に於いて
便宜が図れるとして設定されたのかも知れないが、弁護士の
範疇からも随分と外れているような感じがするし、セキュリティ
会社の榎本の役割と共に、少しずつそれぞれのキャラク
ターたちの役割自体がピントのずれた感じがして、少々違和感が
有る。

榎本のキャラクターが相変わらず面白みに欠け、ロボットのよう
な役割だけど、密室の謎が解けた時の漫画チックな振り付け
とか、なんだか妙に安っぽく、弁護士軍団に比べて、インパクト
に欠ける。演じている大野くんの演技力に物足りなさが有るの
か、元々のキャラクター設定自体に深みが無いのか・・・。

榎本径 …… 大野智 (30歳、東京総合セキュリティ)
青砥純子 …… 戸田恵梨香 (26歳、フリードマン・芹沢総合法律事
務所)
芹沢豪 …… 佐藤浩市 (50歳、フリードマン・芹沢総合法律事務所)
水城里奈 …… 能年玲奈 (フリードマン・芹沢総合法律事務所秘書)
立川 …… 夙川アトム (東京総合セキュリティ)
鴻野光男 …… 宇梶剛士 (捜査一課刑事)

薬師寺剛史 …… 山中聡 (役者、被害者)
井岡祐樹 …… 桐山照史 (劇団員で里奈の恋人)
畑山奈緒 …… 堀内敬子 (演出家)
鬼塚隼人 …… 坂本昌行 (脚本家兼役者)
水城重治 …… 清水紘治 (クライアント)

浅里昌吾、榊英訓、奥原邦彦、藤澤太郎、岡本篤、石黒淳士、
ザンヨウコ、安川まり、浅見紘至

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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