鍵のかかった部屋
(2012年4月期・フジ・月曜21時枠)

原作 - 貴志祐介
脚本 - 相沢友子
プロデューサー - 小原一隆
協力プロデュース - 中野利幸
演出 - 松山博昭、加藤裕将、石井祐介
主題歌 - 「Face Down」嵐

http://www.fujitv.co.jp/kagi/index.html





第11話 最後の密室事件〜榎本が、いなくなる日
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鴻野は匿名で榎本が殺人事件に関与しているとの連絡を受け
榎本の経歴を調べると、過去に社長の穎原昭造の家のセキュリ
ティを担当した後に窃盗が入り、会社を首になっていた為に
怨恨による犯行ではないかと疑われる。純子達は気がつくと、
榎本がどういう人物なのか分からないと感じていた頃、同時に
取り調べを受けていた久永が、自分が殺害したと自供したために
榎本は釈放される。

ほぼ密室のような状況の中で、果たして犯行は可能なのか。
そしてその犯行を犯すことの出来る人物は居るのか。

二話跨ぎの話としては面白く機能していた話であり、最終話に
このエピソードを持ってきた事はドラマを構成する上でも上手
く設定されていたなという感じ。

強風だけでガタガタ言い出す防犯ガラスを見るとかなり違和感
は有ったけど、頭をぶつけたのであれば物証は残っていそうな
感じがする。
何よりもこの社長の金に対する執念が凄かったのかなという
オチだった。

わざわざ社内ボーリング大会の写真が残されていたので、
そこで犯行を思いついたのかなと思うところも有り、また純子
と芹沢が密室事件について話し合う中で水城里奈がコーヒーを
持って来た時点で、ヒントの流れが演出されるであろう事は
明らかだった。ただこの流れもダミーの流れとして存在していて、
逆に榎本へのヒントの流れへと二段オチのような形で繋げて
いる所は面白く出来ていた。

何よりもセンスが良かったのは、最後まで榎本の過去を明らかに
しなかった点と、やっぱりダークサイドに落ちている部分が
有るという一面を持っている所は榎本というキャラクターの
ミステリアスな魅力を引き出す要因に繋がっている。

佐藤改め椎名で有ったとする玉木宏さん役の描き方も面白く
出来ており、第一発見者こそ第一の容疑者であるとする辺り
の流れが面白く出来ていた。
犯罪者同士の駆け引きの中で、事件の顛末を解決してしまった
ので、純子たちに全ての事情が明らかになったのか気になる
所も有るけど、椎名が金を目的として一連の事件を犯したの
ではないとするのであれば、家に隠したダイヤについても
そう心配する必要も無いのではないかと思うところも有った。

しかしセーフティプログラムが働くロボットが、電波の受信に
関しては何のセキュリティも働かずに別のリモコンで操作され
てしまうという辺りが実にマヌけな感じがする。
人を助ける為に作られたものなのに、私利私欲のために使われた
ロボット"ルピナスV"の存在が皮肉に写った。

榎本径 …… 大野智 (30歳、東京総合セキュリティ)
青砥純子 …… 戸田恵梨香 (26歳、フリードマン・芹沢総合法律事務所)
芹沢豪 …… 佐藤浩市 (50歳、フリードマン・芹沢総合法律事務所)
水城里奈 …… 能年玲奈 (フリードマン・芹沢総合法律事務所秘書)
立川 …… 夙川アトム (東京総合セキュリティ)
鴻野光男 …… 宇梶剛士 (捜査一課刑事)

穎原昭造 …… 佐々木勝彦 (介護サービス会社「ベイリーフ」社長)
穎原雅樹 …… 鈴木一真 (副社長)
萬田 …… 丸山智己 (刑事)
久永篤二 …… 中丸新将 (専務)
岩切新一 …… 菅原大吉 (介護ロボット開発課長)
安養寺修 …… 小須田康人 (介護猿開発課長)
河村忍 …… 本田翼 (専務の秘書)
伊藤寛美 …… 西山繭子 (社長の秘書)
佐藤学(椎名章) …… 玉木宏 (窓拭きの男)

徳永淳、綱島郷太郎、中山雄介、桝木亜子、天田暦
森山このみ、茂木和範

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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