家族八景
(2012年1月期・TBS・火曜深夜枠) Nanase,Telepathy Girl's 
Ballad

原作:筒井康隆『家族八景』(新潮社)
脚本:佐藤二朗、池田鉄洋、前田司郎、江本純子、上田誠
音楽:野崎良太(Jazztronik)
企画:大月俊倫、菅井敦、丸山博雄
プロデューサー:平部隆明、神康幸、竹園元、深迫康之
監督:堤幸彦ほか
主題歌:南波志帆「少女、ふたたび」

http://kazokuhakkei.jp/





第3話 澱の呪縛
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七瀬が派遣されたのは、古本屋"神波書房"を経営する神波家
だった。家政婦を雇う余裕はないが、妻が病気の為に仕方がな
いという。家族が多いので大変だと済まなそうに声を掛ける
主人の
浩一郎。七瀬は彼の思考を読み取り、裏表の無い
人なので安心する。しかしこの家庭に染み込む独特の臭いに
困惑する。
浩一郎から家の中を案内される。二階には行かない方が良いと
いう。とても汚れていることを言われる。
七瀬は神波家の思考を読み取る際には、ケモノの姿に見える事
が分かる。

居間で寝ている
妻・兼子を紹介され、彼女から色々と指示を
貰って欲しいと言われる。兼子は怠慢な人で仮病を使っては
家事をさぼっていた。大好きなアイスを食べる事だけが生き甲
斐のようで、そんな妻に夫は何の注意もしなかった。

取りあえず七瀬は洗濯していると、そこに子供達が次々と
帰宅する。一番若い三姉妹が帰宅すると、逢ったばかりなのに
早くも姉扱いして慕ってくれることに可愛さを覚える。しかし
子供達の体臭がキツいこともあり、七瀬は我慢を強いられる事
になる。

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その家庭が持つ独特の臭いについて、面白く描かれたものだっ
た。

同じ様な環境にいるといるとその環境に順応してしまい、
恥ずべきことが恥ずべきものとして感じなくなってしまう。

しかし外部から来た人物を家庭に取り込むことで、それが
異常なものであり、家族の輪を乱していくという所へと繋がっ
ていく。

これまでの二話は佐藤二朗さんの脚本だったけど、今回は
池田鉄洋さんが担当する。

二朗さんの脚本では、七瀬が異性として好奇の目で見られて
ピンチを迎えるというものが存在していたけど、今回の家庭
での男達たちは比較的内向的であり、家族が多いこともあって
あまり邪念を感じられない。
七瀬の歯ブラシを使われてしまうも、そこに邪念はなく、
どちらかというと共有意識が強いのだろうね。

料理だけは何故か母親が担当。
毎回手抜きの野菜炒めと、納豆パンという。
一人暮らしで金がない男性が作りそうな食事。
池田鉄洋さんの経験から来たものなのか。
納豆食べていれば栄養は取れるとか、野菜を食べていれば
健康でいられるみたいな変な意識が存在していそうだ。

勝手に部屋を片付けられたことで一気に七瀬に対して不信感
に近い辱めを受けたと感じていく所など、大なり小なり
自分の領域を侵される事に対する気持ちは伝わってくるモノが
有ったかなと。

火田七瀬 …… 木南晴夏 (相手の考えることが読める家政婦)

神波浩一郎 …… 橋本じゅん (50歳、父、神波書房経営)
神波兼子 …… 清水ミチコ (46歳、母、仮病で家事放棄、アイス)
神波慎一 …… 山本浩司 (23歳、社会人、七瀬は中の上)
神波明夫 …… 浜野謙太 (21歳、大学生、七瀬に協力的)
神波道子 …… 茜音 (17歳、高校生、フランス人にハマる)
神波良三 …… 岡本拓朗 (16歳、高校生、野球部)
神波敬介 …… 野口翔馬 (14歳、中学生)
神波五郎 …… 武井祐人 (8歳、小学生)
神波悦子 …… 末原一乃 (5歳、小学生)
神波六郎 …… 藤木夢現 (4歳、小学生)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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