家族八景
(2012年1月期・TBS・火曜深夜枠) Nanase,Telepathy Girl's 
Ballad

原作:筒井康隆『家族八景』(新潮社)
脚本:佐藤二朗、池田鉄洋、前田司郎、江本純子、上田誠
音楽:野崎良太(Jazztronik)
企画:大月俊倫、菅井敦、丸山博雄
プロデューサー:平部隆明、神康幸、竹園元、深迫康之
監督:堤幸彦ほか
主題歌:南波志帆「少女、ふたたび」

http://kazokuhakkei.jp/





第6話 日曜画家
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竹村家で働くことになった七瀬。
竹村家は名家でプライドが高い妻・登志が事実上家を取り仕切
っており、天洲には相談せず七瀬を雇うことにする。おしゃべ
り好きな所があり、妙な拘りもある。七瀬はそんな竹村家の
頭の中を覗くときには、お歯黒姿に見えるのだった。

七瀬はこの家の主人・天洲が絵を描く事を話に聞いており興味
を持つ。登志は夫のことを日曜日にだけ描く画家だとするが
新聞にも掲載された事があるとちょっぴり自慢げに語る。
ただ金にならない絵ばかり最近は描いているためになんとか
金になる絵を描かせようとしていた。
そんな中、天洲が帰宅する。頭の中を覗くと、彼は聞きたくな
い事に耳を閉ざしており、妻や息子の事を眺めるときに図形
のような形で見ていた。しかし七瀬に対しては、雪のような
背景の中、きちんとした人物として見ており、七瀬はいつしか
天洲に好意を寄せていく。

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七瀬が働き始めた竹村家。
落ち着いた態度で七瀬の事を見つける主人の天洲の視線に、
七瀬は不思議な恋心を抱くが、果たして彼はどんな人物なの
か。

言葉を発しないというのは有る意味、想像をかき立てて面白い
ものがある。特に無防備な状況の中でも何も考えずに、人を
図形のような形で見つめる天洲の姿と、自分のことを人間と
して見ていると七瀬が感じることで、特別な意識が有るので
はないかとするのもごく自然だと思う。

佐藤二朗さんのシナリオっぽく、繰り返し似たようなセリフ
を並べ立てて面白さを引き出しているし、細かい突っ込み処は
二朗さんっぽい趣味の入ったキャラクター像を作ったなという
感じで、やりとりを見ているだけでも楽しい。

ただ芸術家でも例外なく、七瀬のことを欲望の眼差しで見て
いる姿。徐々に天洲のキャラクター性が明らかになっていく
ところなど面白く構成されていた話だった。

七瀬が折角愛情に対して希望を持ち始めたのに、失望に終わって
しまうところは可哀想だね。

男性の欲望は女性、女性は金・物欲という事が色濃く表れた
内容だった。

火田七瀬 …… 木南晴夏 (相手の考えることが読める家政婦)

竹村天洲 …… 矢島健一 (52歳、夫、抽象画を描く)
竹村登志 …… 石野真子 (45歳、妻、夫に金になる絵を描かせた
い)
竹村克己 …… 菊田大輔 (21歳、パチンコ好き)
梶原里子 …… 八代みなせ (天洲の部下、酷い捨てら方をした)
落合美佐 …… 真凛 (天洲の部下、会社の金を横領中)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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