黒の女教師 (2012年7月期・TBS・金曜22時枠) 企画・脚本：山下友弘 脚本：大林利江子、吉澤智子、池田奈津子 演出：岡本伸吾、石井康晴、川嶋龍太郎 プロデュース：伊與田英徳 UVERworld「THE OVER」 http://www.tbs.co.jp/kuro-no-onna/

第10話 さよなら黒の女教師愚か者の謎が明らかに涙の別れ！
--------------------------------------------------------

--------------------------------------------------------

4年前に屋上から転落死した生徒の弟が真相を探るために学園
に戻り込んでいたことが判明する。
愚か者なのは果たして誰なのか。
校長は自らの体験を元に、未熟な教師の熱血ほど生徒のために
はならないと考え、どんな教師であれ、生徒を安全に卒業させ
る為のシステムの確立を考えている事が判明する。

この手の教育システムに関する是非は色んな学園ドラマで見ら
れる。
「GTO」でも管理教育の必要性を訴えて暴走する校長の姿が
有ったし、屋上から亡くなった生徒がドラマのミステリーの
根幹に据え置かれていて、最終的にそんな過去の真相を暴き
だすことで知らなかった事実や、止まっていた時間の針
を進めるというのも一緒。

子供の教育に関しては女性の方が敏感だからなのか、脚本家
リレーに於いてもほぼ全編女性脚本によって構成されており、
その辺は興味深い試みだったのかも。

具体的な数字を出して、理想と現実みたいなものを描き出して
いた点などリアルさを求めている反面、三人の教師がしている
事自体は、型どおりのヒーローものの漫画チックな演出が
施されているという少々アンバランスさを感じて微妙な感じに
見えてしまったのが残念だった。

ドラマとしての興味は三人の教師がこの事件に於いてどう
関わり合いを持って居るのかという事と、それに関連して
課外授業の正当性やら、その存在の是非に関して問いかける
ものが有ったという点だった。

管理者の視点と現場の教師の視点の違いの相違なんかも有る
のだろうし、高倉の行動、そして校長の主張の全てに共感
出来なくても、一部だけでも共感するモノが有れば、なかなか
全てを否定するのが難しいなと考えさせられる物もある。

被害者だと思っていた長嶋瑞穂が実際には加害者的立場だった
所や、過去の事件に於ける事実関係の証明を色んな所に
散りばめて、最後につなぎ合わせた一本化している段取りとして
はそう悪いモノでは無かった。
ただ一話ではなかなか教育問題に関して、結論に導くに至る
ほどに語ることは出来ないという事や、金をもらって課外授業を
行う事と、生徒と教師の距離感の問題に関しては、やや別問題と
いう感じがするのでなんとも微妙な感じがしてくるのは残念だった。