大奥 〜誕生〜 ［有功・家光篇］ (2012年10月期・TBS・金曜22時枠) 監督 - 金子文紀、渡瀬暁彦、藤江儀全 脚本 - 神山由美子 原作 - よしながふみ『大奥』 プロデューサー - 磯山晶、荒木美也子 主題歌：MISIA「DEEPNESS」 http://www.tbs.co.jp/ohoku2012/

第6話 あなたは母になり、強くなり美しくなった
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有功の代わりに御中臈となった捨蔵は、ついに家光との子を
授かる。姫君であるが家光との血のつながりのある子の誕生に
城内でもお祝いムード。有功の計らいで、食事を作って
いるものたちにもその喜びを共に味わせる中、姫君の父の名が
捨蔵とは縁起が悪いために、家光は彼を"お楽"と改名させる。
有功は子供が生まれた事で、家光や捨蔵の中の変化に気がついて
いくが、そんな矢先に捨蔵にアクシデントが訪れてしまう。

世継ぎが生まれた瞬間に春日局が教養のない捨蔵を切り捨て
御免にすると思っていたので、タイムラグこそ有ったものの
やはりその名の通り捨て駒的役割で、少しだけでも花を持たせ
た格好だった。
有功と家光の幸せを願う視聴者にとってはある意味良い感じ
のガス抜きにはなった気がするけど、彼も大奥の被害者だと
いう事実に変わりない。そう思うと同情できるのかな。
町人の下品さと共に男性を図に載せるとまさにこんな調子の
人物像が出来上がるという感じのキャラだったので、"お楽"
と名付けられた際の滑稽さは有った。

あれこれと春日局が手を変え品を変えして、有功と家光・二人
の関係を切り裂こうとしている反面、逆に利用している一面も
有って一筋縄ではいかない。ただ難局を体験させることで
二人の絆をより鮮明にしている部分も有るし、逆に一方が成長
を見せる事での不安感みたいなものも有功の中から感じる事が
出来る。

稲葉家の事情も面白く盛り込まれて、よりいっそう春日局に対
する憤り感を強く印象づけた。

それにしても世の男性の不足が深刻だね。
まさか松平家でもそんな事情が存在しているとは思わなかった
し、村瀬家の衰退した理由もそれに該当する。
少子化の現在が皮肉にも寛永の時代にオーバーラップしている
辺りの設定の妙を感じるドラマである。