パーフェクト・ブルー
(2012年10月期・TBS・月曜20時枠)

原作:宮部みゆき「パーフェクト・ブルー」「心とろかすような─
マサの事件簿」
脚本:山崎淳也、高橋悠也
演出:唐木希浩・田中峰弥、浅見真史
プロデューサー:白石統一郎・晴野善博

http://www.tbs.co.jp/perfect-blue/





 

第4話 命を賭けた涙の贖罪金で幸せを買った白い騎士とは?
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厳しいことで有名な美術品販売会社の社長の相沢が殺害される
中で、凶器の灰皿に付着していた指紋から、創業当時からの社員
の一人・宇野が第一容疑者として指名手配される。
彼には借金があり、会社の金庫からも一千万円が盗まれている
事から金目的犯行ではないかと推察される。
そんな中、探偵事務所には交通事故により足の不自由な女性・
友恵が依頼のためにやってくる。彼女は容疑者となっている
宇野の妹で、なぜ兄がそのような借金を作っていたのかを
探って欲しいとの事だった。

ドラマとしては、これまでの話の中では一番面白く出来た内容だった。

現役の犯罪者の捜査に乗り出す事への違和感を覚えつつも、
探偵事務所の役割と警察の役割の棲み分けも上手く出来ていて、
互いに喧嘩し合わせないところで捜査している感じは出ていたのでは
無かろうか。

どうしても犯罪者が関わることで、マサという用心棒犬が居たとしても
加代子が担当しても大丈夫なのかと心配させる一面も存在する。
そういう意味では、今回の様なケースは二人も殺している犯罪者と関わる
割には比較的安心して見ていられるというものが有った。

ドラマでは親の子供に対する過度の期待が人生を狂わせていくという
もの。正直、息子の人生を気にしている割に殺人を犯す事への慎重さに
欠いているところも有り、事件自体、犯罪者心理には理解出来ない部分
も多分に存在していた様に思う。

今回のケースでパーフェクト・ブルーならぬ、ホワイトナイトという
キーワードを浮かび上がらせたことで、横文字への耐性をつける意味合い
も有ったのではないかと思わせる。ホワイトナイトと聞いて何を思い浮かべる
のかその性格の違いが見て取れ興味深いもの有る。
椎名は敵対的買収を救うようにして買収する事だとして鋭い視線を投げか
けたが、人によっては鏡の国のアリスを思い浮かべる人も居るんだよね。

兄・敏彦のしている事の真相を掴むということで、被害者・加害者心理を
母の杏子が察するシーンや、マサが最後に語る様に、他人を救うことで
自分が救われると感じる人が居れば、この世がよくなるとの主張も、臭さ
は有ったけど、世間に訴えかけるものが有ったね。

蓮見加代子 …… 瀧本美織 (蓮見探偵事務所・長女)
君塚奈々 …… 平山あや (蓮見探偵事務所)
宮本俊一 …… 水上剣星 (富士坂署・刑事)
長嶋桃子 …… 白鳥久美子 (蓮見探偵事務所)
諸岡進也 …… 中川大志 (バー「ラ・シーナ」の店員)
蓮見糸子 …… 高橋春織 (次女)
江島瑠璃子 …… 麻生かほ里 (蓮見探偵事務所)
マサ …… 船越英一郎(声の出演)
三浦美智子 …… 根岸季衣 (蓮見探偵事務所)
藤永環 …… 渡辺哲 (富士坂署・刑事)
椎名悠介 …… 寺脇康文 (バー「ラ・シーナ」のマスター)
蓮見杏子 …… 財前直見 (蓮見探偵事務所・所長)

秋末次郎 …… 利重剛 (相沢アンティーク・経理)
宇野敏彦 …… 葛山信吾 (相沢アンティーク)
宇野友恵 …… 早織 (敏彦の妹、足が不自由)
秋末雅史 …… 戸谷公人 (次郎の息子、油絵、ドラッグ中毒)
相沢一郎 …… 清水昭博 (相沢アンティークの社長)
相沢伸江 …… 鳥居かほり (一郎の妻)
伊東あけみ …… 志保 (2年前家出し、援助交際、覚醒剤)

吉家章人、鹿内大嗣、井口成人、小島康志、ぢょーすけ、安藤彩
酒井麻吏

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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