リッチマン、プアウーマン (2012年7月期・フジ・月曜21時枠) 脚本:安達奈緒子 音楽:林ゆうき プロデューサー:増本淳、関口大輔 演出:西浦正記、田中亮 主題歌：miwa「ヒカリヘ」 http://www.fujitv.co.jp/mitsunoaji/index.html

第3話 明かされた過去　恋が壊れるとき
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千尋はバイクで共に出勤する徹と燿子と出勤するのを目撃する
中で、会社では徹から名刺を支給される。
しかし偽名を使っている千尋は、微妙な心情を遥香に相談し、
どうすべきか悩む。

千尋が何をきっかけにして日向の事を知ったのかという事
と、この会社に於いて大別すると二つの人間が居る事が分かる
様な流れだった。

日向と朝比奈、二人の性格の違いというものが面白く出来て
いて、社員はどちら側の人間に魅力を感じるのか?という部分
が面白く抽出されている。

経営者とそれを支える影のフィクサー的役割を果たす男の存在。
どちらが有能なのかに於いて単純に判断する事は難しいものの
日向がプログラマーであるという技術畑の人間であるのに
対して、朝比奈はどちらかというと経営戦略を立てる側の
人間でバランサーでも有り、その性格の違いが面白く出ている。

日向がそんな経営戦略的な一面にも関わってくることで、
朝比奈としては面白くない一面が有るのだろうし、自然と
二人が衝突する場面が描かれていくのだろうなという事を
予感させるものだった。

日向の意思もハッキリとしていて、成果主義である以外にも
創造性を大切にしているであろう所が見て取れる。
年功序列を排除したような会社故に、能力を発揮出来る人物
にとっては、まさに日向の思想はもってこいな部分が有るの
だろう。
少々癖があるのはドラマを構成する上でのキャラクター像の
作り方で、日向が他人の人生を弄んでいるかのように見えて
しまう点はややドラマの本質を見抜きづらい所へ追いやって
しまう可能性は高い。
ただツンデレパターンである事から女性に人気がありそうな
キャラクター作りが施されているし、女性だけでなく男性の
中にも日向に認められたいと考えるキャラクターを登場させる
ことで上手い感じに、根底にある魅力は描かれている。

日向は海外ドラマ「ゴシップガール」のチェック・バスみたい
な感じだね。最初は癖が有り嫌なヤツなんだけど、少しずつ彼の
仲の人間性が表れてくる。
脚本家の安達奈緒子さん自身、海外ドラマのようなシナリオ
の展開・構成を得意としているような感じで、常に視聴者の
一歩先を行く展開を用意し、引っ張るべきネタと切り捨てるべ
きネタの使い方をバランスよく保っている感じだ。

違和感が有るところといえば、朝比奈は探偵を使って日向の母親
の件を調べたのに対して、何故日向は探偵を雇わないのかとい
う部分かな。あと心因性認識不全症候群の設定が、コメディの枠で
使われすぎている点かな。この設定がこのドラマでは肝になって
いるだけに、上手いこと活用して欲しいと思う。