リッチマン、プアウーマン
(2012年7月期・フジ・月曜21時枠)

脚本:安達奈緒子
音楽:林ゆうき
プロデューサー:増本淳、関口大輔
演出:西浦正記、田中亮
主題歌:miwa「ヒカリヘ」

http://www.fujitv.co.jp/mitsunoaji/index.html





第9話 私を信じて!あなたの壁を壊したい
--------------------------------------------------------

--------------------------------------------------------

朝比奈によって社長の座から失脚した日向は会社からも追い出
され、更には全財産を失う。それでもパーソナルファイルを
作成する為に別会社で奮闘しようとするが、パーソナルファイル
の権利はNEXT INNOVATIONに有り、新しく新社長に就任した
朝比奈はIJテックと協力して、総務省に取り入ろうとする。
真琴は日向に付いていこうと決心するが、肝心の日向はやる
気を失い自堕落な生活を送る中で、真琴の元には母親から
心配する電話が鳴り、選択を迫られていく。

小栗旬くんが主役のドラマでこれ程面白かったドラマは今まで
になかったような気がする。

日向の影で活躍していた朝比奈が実質的に会社を率いていると
思われていた展開を今まで描いてきたけれど、今回、再びひっ
くり返して、日向の持つ人徳であったり、才能やチャレンジ魂
に人が引き寄せられていたであろう事が描かれた。

ドラマとしてよく出来ていたのは、前回の感想の中でも書いた
通り安易に情報流出の流れを使って展開を反転しなかった所だ
と思う。
会社を率いていたものは一体何だったのかという事を抽出する
ためにも、日向の居なくなったNEXT INNOVATIONのその後の姿
を描くことで、何が違うのかを描く必要が有ったと思うし、
会社立ち上げ当初の思想とは違う所に物事が進んでいってしま
う事を描くために、中立の立場にいた山上を使って、朝比奈
のしている事を指摘する辺りは、興味深く出来た流れだった。

また日向と朝比奈、二人の人徳の違いを現すように、この
ドラマの象徴的な人物として位置づけられている真琴が、どち
らの人間を信頼しているのかという選択をもって上手く表現
しているところは良く出来ている。

真琴が日向の母親の名前を語っていたけど、日向の中には
有る意味真琴の事が母親にも近い存在にあるのではないかと
思わせる作りは上手いと思うし、それぞれの持つトラウマに
近い"壁"を打ち破る事の難しさと同時に、その壁を打ち破る
相手に対して運命を感じていくところなど、どの流れも上手く
機能していると思う。

とてもベタな流れではあるけど、日向と朝比奈の会社としての
理念が全く正反対の位置にあるという事を描いている所も
面白く設定されているし、技術畑のプログラマーたちが、
経営者で保守的な朝比奈に対してなびいていくのではなく、
日向に対して気を許していくところも、先週のフェイクの流れ
を一週挟んで描いて行くところは上手く出来ていた所だった。

日向徹 …… 小栗旬 (29歳、NEXT INNOVATION社長、心因性認識不
全症候群)
澤木千尋(夏井真琴) …… 石原さとみ (23歳、東大理学部4年生)
朝比奈燿子 …… 相武紗季 (25歳、妹、料理人)
朝比奈恒介 …… 井浦新 (36歳、NEXT INNOVATION副社長)

安岡倫哉 …… 浅利陽介 (25歳、社員)
小川智史 …… 中村靖日 (39歳、チーフプログラマー)
細木理一 …… 植木紀世彦 (社員)
吉田一雄 …… 鹿内大嗣 (社員)
宮前朋華 …… 八木のぞみ (28歳、社員)
立石リサ …… 舞川あいく (23歳、秘書)
小野遙香 …… 野村麻純 (22歳、千尋の親友)
久賀友紀 …… 古川雄輝 (22歳、千尋と同じゼミ)
乃木湧太 …… 丸山智己 (37歳、燿子が勤めるレストランシェフ)
笛木匡正 …… 中原丈雄 (60歳、日向が通う禅寺の僧)
山上芳行 …… 佐野史郎 (60歳、経理、朝比奈からスカウト)
幼少期の徹 …… 真部晟凪

藤川真沙子 …… 大地真央 (総務省事務次官)
定食屋の女将 …… 萬田久子 (日向徹の母)
遠野秋洋 …… 綾野剛 (元社員、実家の会社を経営)
坂口哲也 …… 中野裕太 (元社員)

長棟嘉道、吉川勝雄、岩寺真志、潟山セイキ、小村裕次郎、
政岡泰志、久松龍一、小林健一

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

inserted by FC2 system