東京全力少女 (2012年10月期・日テレ・水曜22時枠) 脚本 - 伴一彦 音楽 - 小西康陽 演出 - 久保田充 プロデューサー - 次屋尚、藤井裕也 チーフプロデュース - 大平太 主題歌：「恩知らず」中島みゆき http://www.ntv.co.jp/tokyo/

第1話 全身全霊で人生を空回る迷惑女のハートフルコメディ
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四国の香川に住んでいる19歳の麗は誕生日に死んだと聞かされて
いた父親が生きていると聞かされる。父の名前は鈴木卓也。
母親が再婚するという事で、自分の居場所が無くなる事も
有り、麗は全額貯金を引き出し、高速バスに乗って上京する。
女子大生に人気が有る下北沢を拠点に父親を捜そうとするが・・

初回から偶然とは名ばかりの必然的な繋がりで一気に、主要人物
の紹介と顔合わせをしてしまうというスピード感の有る展開。
もう細かい所に突っ込みをするのもいいやと思わせるくらい
麗に引き寄せられる運命の絆みたいなものを強く感じてしまう
流れである。

日テレの「デカワンコ」で培ったコメディセンスをそのまんま
に人間関係に於いて疑いも知らない田舎の女の子が軽いノリ
で上京し、都会の喧噪に揉まれながら、父親を幸せに導いていく
様なドラマのようだ。

例のフジテレビの「家族のうた」騒動で、あんまり伴さんに
対する印象も良くなかった所だけど、トレンディドラマ時代に
一世を風靡した伴さんがスランプを経て、ようやくまた面白い
ドラマを作り始めたのかなという印象の第一話だった。

人間の表の顔と裏の顔が面白い感じでミステリアス感を漂わせ
る。
父親に近づいてくる意図が何なのかを女性同士の嗅覚でかぎ分
けて行くであろう様はなかなか面白いし、完全にコメディだろ
うと思っていたところで、ちょっとした稲妻の轟きから、ピリリ
としたミステリー・スリラー感の有る展開も用意されているの
ではないかと気づかされていく感覚は見事作者の意図にハマっ
ている感じ。

TBSの8時台のドラマにはこういうノリが欲しい所なんだけどね。

美形で好感度の高い俳優を寄せ集めた感じも多く漂っているの
で、そうドラマとしても外れは無いのだろうけど、何処まで
麗らしさをもってドラマを構成出来るのか。