相棒 Season12
(2013年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

脚本・輿水泰弘(1)、金井寛(2)、櫻井武晴(3)
監督・和泉聖治(1)(2)(3)
プロデュース・伊東仁、西平敦郎、土田真通
音楽・池頼広

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/




 

第3話 原因菌
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カイトは新宿の陸橋で女性・会田清美が苦しみ倒れているのを
見て、すぐに救急車を呼ぶ。新宿中央病院に運ばれる中で清美
が娘・遥香の名前を口にした為にカイトは彼女に知らせにいく。
しかし倒れたのは彼女だけでなく、東京の各地で苦しみ倒れる
人が続出し、確認されるだけでも221名が同症状を訴え倒れて
いた。倒れた人に共通するのは前日にアプリティーボと呼ばれる
都内10店舗を展開するイタリアンチェーン店だと判明。右京は
刑事部や公安部が動いていないのを知り、食中毒を疑う。
案の定生活安全部・環境部、そして保健所が査察に入る中、
三鷹林道で丸得フーズに勤務する女性・岡谷望が遺体として発見
されるのを知り、二つの事件に関連性があるのではないかと
疑っていく。捜査していく内に、事件に関係のありそうなのは、
レストラン・アプリティーボ、そして芝浦の加工食品のミヤ食品
加工、加工会社にスープトップと呼ばれる機械を卸している
ウラカワ機械、そして死亡した女性が働いている食品卸売商社
の丸徳フーズが関係しているのではないかとわかっていく。

「相棒」が"持っている"なと思うのは、やはり食品偽装などに
見る食品加工の問題が現在社会問題として取り上げられている
状態であること。右京やカイトが事件を引き当てる以上に
その引きの強さがあるなと思う。

上述したことにもかぶるけど、シーズン12に入って今まで右京が
引き当ててきた事件の臭いをカイトが導入部になることが多くなって
来ており、途中から合流させるという段取りが多くなってきた。
終盤はどうしても右京中心の捜査になるので中盤にかけて
カイトが如何にそれまでに存在感を発揮させるのかが相棒としての
バランスを左右するところに繋がっているのかもしれない。

ドラマとしては各段階でチェック機関が設置されているにも
関わらず、人の目をすり抜けて発生してしまう神がかり的な
人災を描いたもの。
原因菌が食材とか機械にあるのではなく、その名の通り利益を
優先するがあまりにおろそかになっている安全性とそれを疎かに
する人間自体に焦点が当たったものだった。

ドラマでは色んな意味で拘りを見せる日本人の姿が有り、利益と
拘りの間で揺れ動くところは日本社会の現状を示しているもの
だろう。食品卸商社からレストラン店に並ぶまでの過程という
のが一通り描かれており、どの段階に於いても保険所職員・
増井由美の存在があって、上手くミスリードの牽引役として
主導していたと思う。

ドラマは大して難しくない案件にも思えたけど、それを無理に
複雑化してしまった感じにも思えるし、前回の数学ネタに続いて
ちょっぴり気むずかしいという印象を与えた。

冷凍ボイルエビが生食用とされる辺りの皮肉さと矛盾は、日本の
食品流通の過程と同様に複雑な印象を与えるものだったね。

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
甲斐享 …… 成宮寛貴 (警部補・特命係)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (二代目"花の里"女将)
笛吹悦子 …… 真飛聖 (国際線・客室乗務員、享の彼女)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁・次官)
田丸寿三郎 …… 品川徹 (警視総監)
井出実篤 …… 井上高志 (警視庁・警務部長)
田中靖 …… 五王四郎 (警視庁・総務官)
原子嘉和 …… 大出俊 (警察庁警備局・s10 10話に出演)

会田遥香 …… 於保佐代子 (娘・就職)
岡谷望 …… 澤山薫 (食品卸売商社・丸徳フーズ、三鷹林道で・・)
水倉和弘 …… 吉永秀平 (警視庁生活環境課)
増井由美 …… 桜田聖子 (港南保健所)
円浩次 …… 赤塚真人 (ミヤ食品加工)
阿部勇司 …… 片岡弘鳳 (アプリティーボ・社長)
浦川正一郎 …… 朝倉伸二 (ウラカワ機械)
小林功 …… 田村泰二郎 (食品卸売商社・丸徳フーズ)
会田清美 …… 杉山みどり (母・食中毒)

松下哲、万善香織
桑原一明、池田宜大、たれやなぎ、伊住聰志、羽村純子

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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