相棒 Season12 (2013年10月期・テレ朝・水曜21時枠) 脚本・輿水泰弘(1)、金井寛(2)(5)、櫻井武晴(3)、戸田山雅司(4) 徳永富彦(6)、飯田武(7) 監督・和泉聖治(1)(2)(3)、東伸児(4)(7)、近藤俊明(5)(6) プロデュース・伊東仁、西平敦郎、土田真通 音楽・池頼広 http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第7話 目撃証言
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公園で頭部を殴打され死亡した男性遺体が発見される。
被害者は千倉博(27歳)。女性の声で119番通報が有り、救命士
が被害者の死を午後12時10分に確認したというもの。
被害者の携帯電話は壊されていたがサイフの金は抜き取られて
いなかった。凶器も近くに落ちている煉瓦だと分かる。
被害者は死の間際に血文字でH22と書いていた事が分かる。
千倉が働いていたカフェRANDYで話を聞くと、突然彼はバイト
から店長になるが、また2年前にバイトに降格していることが
判明する。

ブログの持つ影響力を誇示すると共に、無理矢理ねじ曲げられて
出世した偽りの人生に対して、因果応報とばかりに、自分の
身に降りかかってくる事の顛末を描いたもの。

目撃証言が如何に曖昧で頼りにならないのかを描いた形で、
それを食い止めるべき人たちが居ないことへの警戒心を感じる
流れだった。右京さんが最も恫喝したのは、同じ警察官である
片山に対するものとしてもそれが象徴的に感じられるところ。
正直ひき逃げしたというのであれば、タイヤ痕なり外傷が
有る筈で、現場検証・鑑識が機能しておらず、目撃証言だけで
有罪・禁固刑にしたという判決も、また何故機能しなかったのかは
謎である。

目撃証言がクローズアップされたことはタイトルから見ても
明らかだが、過去の事件から現在に至るまで、まるで機能して
いない目撃証言だが、右京らが強引な形で特命という名で地取り・
裏付け・アリバイの調査をする際にはきっちり目撃証言のウソを暴く
ということで、この不幸な事件の連鎖を食い止めた感じである。

容易に社会への窓口とされているブログのダイレクトな反応が
人の感情を大きく揺さぶるというという点で現代を象徴する素材
だし、過去の事件を容易に掘り起こすことが出来るという点でも
ブログが予想以上に記録媒体としての機能を果たしている感じ。

近年のシーズンでは"花の里"がまるで機能していなかっただけに
オチとしてこの場所が利用される心地良さなんかも感じる。

ただ「つまらない毎日を綴っているページ」のネタをもう少し
上手い形でラストを象徴的に描いて欲しかったなとも思う。
出版という紙の媒体に拘らず、寧ろこのブログに端を発した物語
なのでこのブログに何らかのオチを乗せて欲しかった。

しかし右京さんの言葉は今回どんなブログのコメントよりも
心に響いたと思う。「人が不幸な目に遭った時、最もしては
いけないのは、不幸な方法による復讐だ。最初に受けた不当な
ことを誰も不当だとは思わなくなる。やっぱりそういう人かと
思われるだけ」だと。