相棒 Season12
(2013年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

脚本・輿水泰弘(1)、金井寛(2)(5)、櫻井武晴(3)、戸田山雅司(4)(8)
徳永富彦(6)、飯田武(7)、太田愛(10)、高橋悠也(11)
監督・和泉聖治(1)(2)(3)(10)、東伸児(4)(7)、近藤俊明(5)(6)、橋本一
(8)、安養寺工 (11)
プロデュース・伊東仁、西平敦郎、土田真通
音楽・池頼広

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/





第11話 デイドリーム
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右京はトオルは朝から元気がないのを知って声を掛けると不吉な
夢を見たのだという。どんな内容なのかと問うが口にしたくも
ないのだという。角田もまた不機嫌そうな顔をして特命係にコー
ヒーを飲みに来る。裏カジノ経営で暴力団幹部の事を半年間
内偵調査していたが海外に逃がしてしまったのだという。

そんな中、特命係に陣川公平がやってくると、突然右京に
お願いがあるのだという。事件を未然に防ぐためには右京の
協力が絶対だという。話を聞くと陣川もまた自分が動物園から
逃走したトラに襲われて殉職する夢を見た事を告げ、夢にこと
についてオンライン夢診断を行っている、新京大学心理学部准
教授の西牟田叶絵のサイトで相談したら、逆に相手の方から
助けて欲しいと相談されたのだという。自分が投稿した際に、
捜査一課という身分を話した為に相談をしてきたのだろうとし、
彼女もまた自分が死ぬ夢を見たのだという。彼女には予知夢を
みる力があるのだと。そこで特命係に警護を頼みたいと告げる。
話を聞いていた角田は、陣川は経理なのでどこをどうすれば
殉職などするのかと突っ込み。右京は幸い事件もなく暇なので
協力する事を約束する。

右京は21世紀最高の予言者だとされる人物がブラジルにいて、
911同時多発事件やスマトラ沖地震、ダイアナ妃の死を的中した
ことも有るので科学で証明できない事もあるのだろうと語り、
予知夢に関して寛容な姿勢を見せる。

叶絵と逢って話を聞く。
警護の関係上、どのような夢だったのかを尋ねると研修会会場
全体が黒い塊に覆われる夢だという。この手の夢は死の前兆を
意味するものだという。
すると話をしていると、突然プールの消毒のような臭いがする
ことが分かり、右京は咄嗟にその臭いの元が高圧電流にある事
を知り、近くの水たまりに靴が入るのを阻止しようとする。
その流れでスマホが水の中に落ちると一瞬にして爆発したことを
知る。叶絵とカイトを庇うふまり陣川はカイトを突き飛ばす中、
カイトは階段の下に転げ落ちてしまう。
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    特命係に経理課の陣川がやってきて助けを求める。
陣川自身も大学の准教授・西牟田叶絵から助けを求められた口
で、彼女は予知夢を見ることが出来るのだが、彼女は自分が
亡くなるという夢を見て相談を持ちかけられたことを語る。

論理的で現実主義的右京にちょっとしたクセのある問題をぶつけ
たエピソード。

自分に依頼した殺人に対してその計画の流れを止めたいが止めら
れないというネタ自体は海外の映画でも見たことが有る。
自殺願望の有る人物が死を意識していく毎に生に対する執着心が
見せ始めて、自分から生きようとする気持ちが無ければ助けられ
ないとして訴えていく内容だったと思う。

一度ならずも二度も命が狙われてしまうと、右京にとっては
色んな意味で判断材料や証拠を与えることに繋がり、口をつぐんだ
相手の事情を察していくという流れとして描かれていく。

守秘義務というのが一つのキーワードとなっており、私生活だった
り、人の裏の顔というのが色んな形で興味深くあぶり出されていく
内容だった。
裏表の多い現代社会・人間の思惑があるからこそ、陣川くんの様な
ストレートな存在が引き立つものがあるんだろうね。

扱っている研究が夢遊病というだけ有って、それと対象的に存在
する依頼した本人の意図とは別の元で動く殺人計画というのが
面白く扱われた感じ。
得体の知れないものに恐れおののくという意味では、この叶絵自身
がストレスから夢を見てもおかしくないと思う。

捜査していく毎に証拠や事実関係の時系列を整理していく流れで
事情を掴んでいく流れは丁寧に作られているし、正月スペシャル
と同様に組対五課の流れを同時に組み込んでいくことで、角田
自身を絡ませたり、伊丹たちとの絡みなども棲み分けして、バランス
よく描かれたのではなかろうか。
まぁ爆破の描写とかがちょっと安っぽかったのは仕方が無いのかな。

カイトを入院させることで陣川と右京が組むというパターンも
面白いと思う。

ただ毎回陣川くんはヒロインの女性に惚れてしまうという流れが
有るけど、今回の相手とはイマイチ恋愛的要素をまるで感じ無かっ
たのでその辺は多少物足りなかった。本人自身も始まる前のもの
だったとして酔いつぶれていたけどね。



杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
甲斐享 …… 成宮寛貴 (警部補・特命係)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (二代目"花の里"女将)
笛吹悦子 …… 真飛聖 (国際線・客室乗務員、享の彼女)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁・次官)
陣川公平 …… 原田龍二 (捜査一課・経理課)

西牟田叶絵 …… 雛形あきこ (新京大学心理学部准教授)
南雲英嗣 …… 井上肇 (新京大学心理学部教授)
柄本麻耶 …… 森谷ふみ (36歳、新京大学心理学部准教授)
的場太一 …… 藤本浩二 (麻耶が出版した本を巡り訴えていた)
柳省吾 …… 外川貴博 (銀英会幹部、叶絵から受刑中にカウンセリング)
西牟田郁子 …… 蓬莱照子 (叶絵の母、遺言状のような手紙に心配)
銀英会組長 …… 野口寛 (角田と右京で話を聞きに行く)
井波俊介 …… 札内幸太 (夢遊病、実は銀英会組員)
明月探偵事務所 …… 浜近高徳 (麻耶に意に居される)

石塚良博

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


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