相棒 Season12
(2013年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

脚本・輿水泰弘(1)、金井寛(2)(5)(12)、櫻井武晴(3)、戸田山雅司(4)(8)
徳永富彦(6)、飯田武(7)、太田愛(10)、高橋悠也(11)
監督・和泉聖治(1)(2)(3)(10)、東伸児(4)(7)、近藤俊明(5)(6)、橋本一
(8)、安養寺工 (11)、近藤一彦(12)
プロデュース・伊東仁、西平敦郎、土田真通
音楽・池頼広

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/





第12話 崖っぷちの女
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角田は右京が午後から出勤してくるのを知る。
午前中、右京は人間ドックに行った為だった。右京は角田に
カイトの事を尋ねると、米沢に頼まれて松板署に遺留品の
スマホを返しに行ったのだという。その際、カイトはスマホの
画像を気にしていたとの事だった。
米沢に話を聞きに行くと、半年前に自殺したとされる音楽専門
学校の講師・風間守の件だという。スマホには音大に生徒を
合格させることが出来ず責任を感じているような遺書が書かれて
いた。スマホの画像とは何だったのかと尋ねると、楽器が
二組ずつ映っているのを目にする。

その頃トオルは松板署にいく。
スマホを返却する中で署員の岡野に対して、捜査資料を見せて
欲しい事を告げる。この件は自殺だとされているが疑問点が
あるのだとし、疑問が有る限りは捜査すべき事を語ると、
岡野は青臭い個人的に正義感を振りかざすなとして、現在殺人
事件の捜査で手一杯なのだと断られる。

トオルは右京と電話する。
写真に関してそれぞれの楽器が二つずつ映っているが、トオル
はピアノをしていたので分かるが二つの写真の楽器は同じ種類
のものでも価格がまるで違うものなのだという。この写真は
彼が自殺する数日前に撮られているのだという。
そんな電話中にトオルは頭上から靴が落ちてくるのを知り見上
げると、女性が屋上から飛び降りようとしているのを見かける。
そこに居たのは中井雪絵(37歳)だった。
トオルは雪絵に対して、何故自殺をしようとしているのか理由
を話して欲しいとしてなんとか踏みとどまらせようとする。
すると私は前田先生の事を殺害していないのに、警察はみんな
私の事を犯人扱いしているのだという。大事な用事があると
言ったのに行かせてくれないとのこと。私は前田先生を愛して
いたのだとし、その前田先生が殺害されたので生きていても
しょうがないと語る。

そんな会話を捜査一課の芹沢や伊丹たちも通報を受け現場に
駆けつけて聞いていた。雪絵が語る前田とは、同僚の講師
東京アカデミー音楽学院で働いている前田智文(45歳)の事だ
った。雪絵の家から遺体が刺殺体として前田の遺体が発見され
彼らは妻子がいて不倫していた事を認めているのだという。
凶器の包丁からは指紋が検出されており、動機は痴情の縺れ
ではないかとされていた。
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    カイトは鑑識課の米沢に頼まれ松板署に遺留品のスマホを返し
にいくが、同時にスマホに残されていた画像の謎に目を付けて
いた。スマホの持ち主は、半年前に自殺したとされる東京アカ
デミー音楽学院・講師の風間守のもので、遺書も残されていた
ことから、既に自殺で処理されたものだった。しかし写真には
何故か同じ種類の価値の違う二枚の写真が並べて残されており、
その意味がなんなのかを掴んでいく。

ドラマとしてはトリオとして活躍を見せていた伊丹たちの形が崩れた
ことで、新しい流れをどのように作っていくのかを模索している
ような流れだった。

数話前に撃たれたオヤジ・内村完爾が完全復活している所など
小憎らしい作りだし、伊丹のことをいじりつつも、証拠を隠蔽
しようとしている男の前ににょっきり現れて、口を割らせる為に
あの眼力を使っていくのだから説得力が有って何処か笑えるところ
に繋がっている。

夢を追いかけるものたちの裏で、汚い金の動きがあるという事で
大人って社会って、なんて汚い汚いものなんだといわんばかり
のエピソードだったけど、そんな無念を特命係が晴らしていくと
いうところはオーソドックスな形だがシックリくるものがある。

才能があると自負しているものたちが、環境的要因の為にチャンス
を得られず開花させられなかったことで、ちょっと歪な価値観を
持ってしまうという二段オチで寂しい物語だった。
アイドル・芸能界としての夢を叶えられなかった母親が子どもを
芸能界にすべく目の色を変えて子どもを育てようとしている人
たちにも似たようなものが原点にありそう。

いくつか不自然な流れがあったのは確かだった。
自殺した筈の男のスマホから遺書が書かれていたこと。
遺書を書く暇があれば、不正の証拠である画像くらいは削除して
も良いのではないかと感じる。
また雪絵は別荘の裏庭に金が隠して有るということを耳にして
いるのだけど、その場所自体はどのようにして聞き出したのかと
いう点だ。
不正を犯しているからこそ、被害者が最後に触れたピアノの鍵盤
の指紋のF(ファ)が自分の頭文字だと感じてしまうというのも
まるで分からないでもないけど、現場を見ていれば偶然に付いた
ものだと分かるし、自分の事を示唆していると思うものだろうか?

また中薗が起こそうとしていた計画というのが、短絡的だったので
一体何をしようとしていたのかよく分からない。落ちても
大丈夫なようにマットを仕掛けただけってことなのかな。



杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
甲斐享 …… 成宮寛貴 (警部補・特命係)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (二代目"花の里"女将)
笛吹悦子 …… 真飛聖 (国際線・客室乗務員、享の彼女)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁・次官)
陣川公平 …… 原田龍二 (捜査一課・経理課)

中井雪絵 …… 小島聖 (37歳、東京アカデミー音楽学院・講師)
前田智文 …… 下総源太朗 (45歳、東京アカデミー音楽学院・講師)
風間守 …… 原田裕幸 (東京アカデミー音楽学院・講師)
布川 …… 陰山泰 (東京アカデミー音楽学院・理事長)
加藤 …… 安藤一夫 (東京アカデミー音楽学院・校長)
宮地 …… 岸博之 (東京アカデミー音楽学院・副校長)
緑川万里 …… 大野末来 (東京アカデミー音楽学院・生徒、有望)
谷川貞夫 …… 原田充大 (ジャズヒアニスト)

関寛之、金井良信、本多真弓

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


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