相棒 Season12
(2013年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

脚本・輿水泰弘(1)(19)、金井寛(2)(5)(12)(17)、櫻井武晴(3)
戸田山雅司(4)(8)(16)
徳永富彦(6)、飯田武(7)、太田愛(10)、高橋悠也(11)、真野勝成(13)
山本むつみ(15)、古沢良太(18)
監督・和泉聖治(1)(2)(3)(10)(15)(16)(19)、東伸児(4)(7)
近藤俊明(5)(6)(18)、橋本一(8)(13)(14)、安養寺工 (11)、近藤一彦(12)
真部千晶(14)、田村孝蔵(17)
プロデュース・伊東仁、西平敦郎、土田真通
音楽・池頼広





第19話 最終回2時間SP「プロテクト〜甲斐享撃たれる!亡き小野田官房
長が極秘に進めた計画とは!?」

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東京拘置所に収監される御影康次郎の面会の為に、かれの息子
で次男で弁護士の御影悠二がやってくる。上告は棄却された
が再審請求を出している事を告げる。康次郎は悠二に対して、
早く探しだせ(三男の智三)と語る。悠二はもうすぐ長男の真一
も出所するので協力して探すと語る。

角田はテレビで御影康次郎が極刑になったことを受けて、これ
まで組織犯罪対策五課でも銃の密売の件で内偵していたが
全く尻尾を掴ませなかった人物だという。ようやくそんな大物
組織のボスを罪に問える時が来たとして感慨深げに語る。

一方立川刑務所では、御影真一が出所する。
真一は父・康次郎の刑が確定したのかと問うと、悠二は確定
しても刑の執行までは平均7年間はかかる事を告げる。減刑は
無理なのかと問うが例え減刑が通ったとしても生きている間
に出所するのは難しそうだと語る。

10年前の二月に真一の裁判での公判が行われ、10年前の6月
には父・康次郎の公判が行われた。その際三件の殺人未遂に
対して三男の智三が検察側証人として、父や兄のしていたことを
話した為に刑が確定したものだった。
それを受けて御影家は智三の消息を追い、なんとか復讐しよう
と考えていた。
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闇組織のドンの御影康次郎の極刑判決が決まり、上告も棄却
された事を知る。再審を請求しているとするが、康次郎を含めた
御影家では、事件が発覚・刑期が確定した事実の課程で、
御影家の三男の法廷での証言が有ったことに憤り感を覚えて
いた。御影には三人の息子がいて、父親を筆頭にして三男の
消息を辿ることになる。

流石に2時間ドラマとなると色んなメッセージが込められていて
何から書いたら良いのか分からない。色々と突っ込み処も多くて
違和感も有ったし、逆に面白いものが有ったのも事実なので
複雑だったけど、大きく分けると3つのテーマの元でドラマが
描かれていたのではないかなと思う。

取りあえずカイトと米沢さんの髪の毛ネタの導入部からして
面白かったということを指摘して置こう(笑) 米沢さんが
右京相手に駆け引きするとは珍しく、なかなか相手のことを分かって
来たなという感じもするしね。

ドラマのテーマの一つは明らかにカイトと父親の関係を示唆する
流れが有ったこと。複数の兄弟がいる家庭に於いて、子供に同じ
分の愛情を注げるものなのかという辺りのテーマ性を感じるもの
が有り、親子関係に対して"フェイク"などという言葉が使われる
ことへ寂しさを覚えるところにも繋がって居る。

そしてもう一つはなんと言っても右京と小野田の信念・信条、
そして正義感に対する見解の違いというのを小野田が亡くなった
今でも戦いとして描いていること。
今回の事件自体が「亡霊」を追いかけているネタだったことも
有り、亡くなった今でも存在感を発揮している小野田や収監中の
瀬戸内が今でも亡霊の様にして、事件に絡み合ってくるところは
上手い掘り起こし方だなと思う。

警視庁・警察庁内部のゴダゴダや政治の流れが、ドラマの中でも
あまりに多くのウェイトを締めると、意外としらけるところも
有るので、この辺のあんばいは流石に相棒を熟知している輿水泰弘
&和泉聖治さんだったというところなのだろう。

そしてなんと言っても相棒に於ける最大の醍醐味として、現在の
警察システム・法律システムに対する是非を問いかけるテーマ
の一つとして、「証人保護プログラム」の検討の是非を描いた
ことか。
これまでにも相棒シリーズを見ていれば、事件捜査の現場に於いて
法律の壁によって阻まれる苦々しい現実を感じる流れが有ったが、
それに対して、日本版CIA・NSAのような組織の是非を世間に問いかけ
たり、色々と現行法に対する改正の是非を揺るがすテーマ性を
求めているものが存在する。

アナログからデジタルへの転換期というものを利用して、
意図してヒューマンエラーを起こした結果、擬似的証人保護
プログラムを施していたのではないかとする流れは興味深かった
し、方法論は違えど、小野田のしている事が世間的には悪く見える
ものが有っても、本質的には決して間違えた方向性はないと
する人々の情に訴えかけるものが有って、絶対にブレない右京
との間で揺れ動く存在としてとても面白く描かれている。

このドラマに於いて、小野田の命を落としてしまったことは、
相棒に於いては相当な損失だと思う。

三男は絶対に生きているとする主張をしている長男の第六感は
兄弟故のものが有るのかな。このエピソードも長いスパンで相棒が
描かれるとしたら、出所後に三男復讐・殺害物語が有るのかも。
あと15年から20年間くらい、相棒が続けば・・・ってことなんでしょうか。

「NCIS:LA」ならば10分で犯人制圧して問題が解決していたドラマだったな(笑)
最近では相棒でもハイテクを利用することが多くなったけど、
やはり捜査機関に於いては、令状無しで捜査出来る権限を持つ
部署は必要なのかな。せめて弁護士の携帯の逆探知なり、監視
くらいはして欲しい気がするし、SITがあっさりとカメラが
見つかってしまうところなど、愚の骨頂で少々萎えるものが有った。



杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
甲斐享 …… 成宮寛貴 (警部補・特命係)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (二代目"花の里"女将)
笛吹悦子 …… 真飛聖 (国際線・客室乗務員、享の彼女)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁・次官)
陣川公平 …… 原田龍二 (捜査一課・経理課)

御影康次郎 …… 中村嘉葎雄 (父、闇社会の組織のボス、死刑)
御影真一 …… 阿部進之介 (長男、3件の殺人未遂、10年服役)
御影悠二 …… 篠田光亮 (次男、弁護士)
御影智三 …… 冨田佳輔 (三男、鈴木健太??、佐藤大輔??)
小野田公顕 …… 岸部一徳 (元官房長官)
瀬戸内米蔵 …… 津川雅彦 (元法務大臣)
雁屋耕大 …… 井上高志 (小野田の従兄、茨城県・新浜町役場)
久保寺昌樹 …… 福井博章 (刑務官、妻ゆきこ、娘みな)
住職 …… 二瓶鮫一 (瀬戸内の知り合い、小野田を紹介)
刑務官 …… 蒲生純一 (瀬戸内の深夜の行動を)
久保寺ゆきこ …… 川田希

中山研、宮林大輔
北見誠、中村瑞希、下村彰宏、青木鉄仁、小森郁子
服部整治、山本直樹、松井工、田村公典、林田一高、高松潤
伊藤未希、安生悠璃菜、本川悠人


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