ビブリア古書堂の事件手帖
(2013年1月期・フジテレビ・月曜21時枠)

脚本:相沢友子
演出:松山博昭、宮木正悟
プロデュース:小原一隆、藤野良太
主題歌:E-Girls「THE NEVER ENDING STORY」

http://www.fujitv.co.jp/biblia/index.html





第1話 偽のサインと古書に秘められた謎
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大輔は働いていた会社が倒産し、実家でハローワークに通いな
がらも母と二人で暮らしていた。祖母の絹子が亡くなり、祖母
が大切にしていた本だが、亡くなる直前に自分が亡くなった
際には好きにして良いと言われ、恵理は大輔に頼み古書店に
本を持って行くよう告げる。古書店の店主は大輔から受け取った
本の中でも全34巻に渡る漱石全集に目を通していた。査定して
居る中で、八巻目の「それから」だけは他のと違う事が判明
する。栞子からは、献呈署名の説明をされ、これは恐らくそこ
に書かれている田中嘉雄からプレゼントされたものだろうという。
大輔は亡くなる直前に祖母が言っていた言葉の意味に何か意味
が有るのかと思う中で、栞子からはもしかして貴方の名前をつけ
たの祖母ではないのか、1962年より前に結婚したのか?と意味深
な言葉を投げかけられ、調べていくことになる。

電子書籍の時代に有って、本の価値観を説くドラマが描かれる
所にセンスを感じる内容だった。今だからこそ描かれるべき
ドラマではないかと思う所も有る。
これを見ると本好きの人はより本が興味深くなると思うし、
思わず古書店を訪れる際は、ドラマに見る着眼点に目を配りながら
も本探しをしてしまうかも。

時代と共に流れゆく価値観の違いが、やりとりを通して感じ
られる作りは見事。
思いを込めた贈り物の違いが、ジェネレーションと共に違いと
して現れ、本に込められていたり、音楽に込められていたりする
ところなど興味深い。

そして何よりも主題歌が映画「ネバーエンディングストーリー」
の主題歌のリメイク版だという所にもある意味センスを感じる
ところだ。曲自体もそうだけど映画をみたことが有る人ならば、
本の中に飛び込むこの映画の物語とこのドラマの類似性を感じる
ハズだ。

ドラマの構成としては、一話ずつ本の意味合いを説明しながら、
それを持つ人の物語が描かれていく格好なのかな。
本自体の意味だけでなく、それを持つ人の事情に触れていくと
するオーバーラップ具合が今回の様に心地よい形で描かれると、
ドラマとしては後味も良くて今後共に視聴率にも繋がっていき
そうだ。
ただ懸念すべきものは、毎回そういう形式のドラマが成立させる
事が可能なのかという点だと思う。出生の秘密は、ミステリー
ドラマの中でも面白い部類に入るハズで、それが主人公である
ならば尚更のこと。
果たして今後も興味深い本にまつわるエピソードを描いていける
のか。

しかし今回の件は何で母ではなく孫に出生の秘密を話そうとした
のか気になるね。母はこの一件を知っていたのかな。

篠川栞子 …… 剛力彩芽 (ビブリア古書堂・店主)
五浦大輔 …… AKIRA (ビブリア古書堂・アルバイト)
笠井菊哉 …… 田中圭 ("笠井堂"・店主)
藤波明生 …… 鈴木浩介 (甘味処"Cafe 甘庵"・店長)
横田奈津美 …… 北川弘美 (甘味処・店員)
篠川文也 …… ジェシー (栞子の弟)
篠川千恵子 …… 安田成美 (母、写真のみ、10年前に失踪)
小菅奈緒 …… 水野絵梨奈 (文也の同級生)
佐々木亜弥 …… トリンドル玲奈 (甘味処・店員)
橋本さやか …… 内藤理沙 (甘味処・店員)
五浦恵理 …… 松坂慶子 (大輔の母)
志田肇 …… 高橋克実 (せどり屋)

五浦絹子 …… 赤座美代子 (大輔の祖母)
ハローワーク職員 …… 内田篤人
舞子 …… 川口圭子 (叔母、恵理の姉)
田中嘉雄 …… 津村和幸 (絹子の恋人)

橋爪龍

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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