ビブリア古書堂の事件手帖
(2013年1月期・フジテレビ・月曜21時枠)

脚本:相沢友子
演出:松山博昭、宮木正悟
プロデュース:小原一隆、藤野良太
主題歌:E-Girls「THE NEVER ENDING STORY」

http://www.fujitv.co.jp/biblia/index.html





第5話 今回は、結末が2つです
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本や映画の中で描かれる過激な暴力や性描写は、目にした子に
共感を与えた場合、その心理的影響力が懸念されている。
そんな中、校則に厳格な私立聖桜女学館に栞子は図書を寄贈
しにいくが、教諭の杉浦から文学的な評価が高い作品であっても
本が子供に与える影響は高いとして、検閲のような形で図書館
に置けない本を丁重に返されてしまう。
一方志田からお勧めの本を借りて読んでいる小菅奈緒から、妹の
件で相談が有ると言われ、妹の言動に関して内偵調査を行って
いく。

映画好きの人ならば、一度くらいは名前を聞いた事があるで有ろう
時計じかけのオレンジ。鬼才・スタンリー・キューブリック監督が
映画化した事でも有名で、タイトルから印象づけられる
柔らかさとはまるで正反対の内容によって虚を突かれることは
間違いなく、残念ながら一般受けするような作品ではなかったけ
ど、評論家による評価は高い。
そんな時計じかけのオレンジには、グリム童話と多少意味合いが
違うけど、別の結末が有るとする話は有名で、それらがドラマの中
でどう活かされてくるのかが興味のポイントだった。

作者のバージェスの当時の経済状況から無念にも内容の改変を
迫られ、出版されてしまった事実を元にした流れが上手く現実の
ストーリーの中にも表現され、他人の価値観の下で評価されても
何の価値も無い事を上手く訴えかけるものが有った。

小学生の読書感想文が元になっているとのことが、かなり奇異な
モノが有り、その感想文を探り宛ててしまったとする栞子本人が
書いたものではないかとする予測は立つモノが有ったけど、
最後にネタ晴らしとばかりにそれを告白する辺りの展開を見ている
と、最初の段階からある程度の目星が付いていた流れで有り、
それを敢えて隠しながら事実の整合性を図っていたのだろうなと
思うとなんとも言えないモノが有る。

私たちは書いたものを削除する事は出来る。しかし書かなかった
事にする事は出来ないという主張ありきのドラマで、この言葉
からシナリオを肉付けして行ったのかなと思う所も有った。

相変わらずドラマとしては、本と事件を結びつける妙を感じつつ
も、周りだけで起きている事実は不自然にも思えてしまう所は
少々残念では有る。これらの一つ一つのエピソードは、劇場版
辺りで描かれるとまた違った感じに見えて、完成度の高い内容に
なりそうな感じはするね。

毎回のように語るけれど、森迫永依さんは見る度に大きく
なっているなぁ。

篠川栞子 …… 剛力彩芽 (ビブリア古書堂・店主)
五浦大輔 …… AKIRA (ビブリア古書堂・アルバイト)
笠井菊哉 …… 田中圭 ("笠井堂"・店主)
藤波明生 …… 鈴木浩介 (甘味処"Cafe 甘庵"・店長)
横田奈津美 …… 北川弘美 (甘味処・店員)
篠川文也 …… ジェシー (栞子の弟)
篠川千恵子 …… 安田成美 (母、写真のみ、10年前に失踪)
小菅奈緒 …… 水野絵梨奈 (文也の同級生)
佐々木亜弥 …… トリンドル玲奈 (甘味処・店員)
橋本さやか …… 内藤理沙 (甘味処・店員)
五浦恵理 …… 松坂慶子 (大輔の母)
志田肇 …… 高橋克実 (せどり屋)

小菅結衣 …… 森迫永依 (奈緒の妹、中学2年生)
田辺美鈴 …… 生田絵梨花 (私立聖桜女学館図書委員)
杉浦 …… 阿南敦子 (私立聖桜女学館中等部教諭)
内山 …… 遠藤要 (ブックプレス店員)

矢吹春奈、深沢あかり、浅川梨奈、加藤梨里香

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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