ビブリア古書堂の事件手帖
(2013年1月期・フジテレビ・月曜21時枠)

脚本:相沢友子
演出:松山博昭、宮木正悟
プロデュース:小原一隆、藤野良太
主題歌:E-Girls「THE NEVER ENDING STORY」

http://www.fujitv.co.jp/biblia/index.html





第6話 脅されているんです、異常な男から
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雨の日、栞子は突然人通りの少ない石段の上から蹴落とされる。
救急車に運ばれ、なんとか足首の骨折だけで済んだが、大輔
は栞子からこれは自分から足を滑らせて落ちたのではなく、
何者かに蹴り落とされたものだという。栞子は金庫に大事に
しまってある太宰治の「晩年」を取り出すと、作者の署名入り
の入った砂子屋書房出版の初版本で未開封のアンカットものの
本なのだという。太宰治が27歳の時に刊行された短編集で、
彼が遺書のつもりで付けたタイトルではないかとされている
ものとの事だった。

栞子の捜査を封印して、大輔に活躍を与えるとする流れだった。

どんなものでも価値を見いだす事の出来る人には価値のあるもので、
そうで無い人には何の意味も無い代物。
大輔が今回、リスクを犯してまで本を持っている事は無いとして
売ってしまえば良いとする軽々しくかける言葉が、何処か鼻につく
展開だった。

これまで出て来たキャラクターを使い、二度に渡るミスリード
の流れを演出。藤波の素性を怪しく見せたり、西野の件で
再び人が人を恨むとする流れの猟奇的な一面が本筋の流れと
融合して飽きないような工夫がして有った。

大庭葉蔵と呼ばれる人物から執拗にメールが送られて来ている事。

ドラマとして気になるのは、梶山孝之の「せどり男爵数奇憚」
の内容が一体どんな意味があるのかが笠井菊哉の行動の意味にも
繋がってくる作りなので興味深いところ。
レビューなどを見ると古書に執着を持つ男性の物語のようで、それを
意図して偽名を付けたという所なのだろうか。
そうだとしたならば、栞子は既に犯人が笠井である事を知っていた
事にもならないのだろうか?

犯人にしか知り得ない情報を持って犯人である事を自白させていく
流れはよく出来ていたし、階段から突き落とされたという事を聞いた
瞬間に犯人が笠井である事はすぐに分かった。
この流れだけでは心細いと感じたのか、「せどり男爵数奇憚」の内容
を笠井が知っていたとする流れを作って大輔ににも見せ場を作った
という所だろうか。まぁこの流れは必ずしも必要だった流れでは
無いけど。

何故みんなが太宰治の「晩年」に拘るのか気になる。
本の内容の様に、心中したが死にきれなかった男性のエピソードの中に
共感する何か含まれているのか。それともそこに描かれている直筆の
メッセージにこそ価値が有るのか。

篠川栞子 …… 剛力彩芽 (ビブリア古書堂・店主)
五浦大輔 …… AKIRA (ビブリア古書堂・アルバイト)
笠井菊哉 …… 田中圭 ("笠井堂"・店主)
藤波明生 …… 鈴木浩介 (甘味処"Cafe 甘庵"・店長)
横田奈津美 …… 北川弘美 (甘味処・店員)
篠川文也 …… ジェシー (栞子の弟)
篠川千恵子 …… 安田成美 (母、写真のみ、10年前に失踪)
小菅奈緒 …… 水野絵梨奈 (文也の同級生)
佐々木亜弥 …… トリンドル玲奈 (甘味処・店員)
橋本さやか …… 内藤理沙 (甘味処・店員)
五浦恵理 …… 松坂慶子 (大輔の母)
志田肇 …… 高橋克実 (せどり屋)
内山 …… 遠藤要 (ブックプレス店員)

西野 …… 浅香航大 (奈緒の同級生)

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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