ガリレオ (2013年4月期・フジ・月曜21時枠) 原作・東野圭吾 脚本・福田靖 演出・西坂瑞城、澤田鎌作 http://www.fujitv.co.jp/galileo/index.html

第10話 最終章・聖女の救済−前編−愛という名の完全犯罪！！
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(株)エムシステムズの社長・真柴義之が自宅で毒を混入させら
れて死亡する。鑑識によると彼が飲んでいたコーヒーややかん
コーヒーフィルターからヒ素が検出された事から、やかんの
中に毒が入れられたと考えられるが、彼の自宅はセキュリティ
が厳重であり、妻・綾音は北海道の実家に帰省中で、誰一人
室内には居なかった事から事件は難航を極める。
午前中の会社とのテレビ会議の際にはコーヒーを飲んでいる義之
の姿が確認されており、セキュリティによると午後2時頃に
一度義之がドアを開けていることが判明していた。紫色の
日傘を差した女性だと判明する。死亡推定時刻が午後2時から3
時である事から、傘を差した女性が毒物を混入したのではないか
と疑う。過去を調べていく内に、妻の綾音は義之の元恋人・
津久井潤子によって自転車をぶつけられて流産している事が分
かり、彼女が嫉妬心から殺害した様に思われたが・・・

流石に一話で解決出来そうな流れを二話でまとめようとしている
感じが有り有りと見えるので、少々間延びしているような印象
のあるエピソードだった。

湯川が事件解決に関わるとっかかりに於いては物理の分野では
ないとしつつも、同級生繋がりということで、関与させると
いうのも悪くは無いと思うし、その繋がりから子供達への
科学実験を通して、容疑者であり同級生の女性に犯行の再現の
一端を示すというのも悪くは無い。
美砂との関わり合いを通して、湯川の意固地だった物理学者
としての性格が人情によっても動かされるというところに
人間的な変化というものを見出したのだろうしね。

大抵この手の犯罪では、生活習慣を知る人物が、日常のサイクル
に於ける癖の中に毒を含ませ、自分はきっちりとアリバイ工作を
しつつ、勝手にターゲットが自爆をしてくれるとする流れに繋が
っていくのだろうし、なかなか面白い作りにはなっている。
ヒ素がどういう経緯で摂取されたのかはその生活習慣が関わって
いるのだろう。ヒ素は殺鼠剤にも使用されるという事なので
シンクの下の汚れを考えると何か因果関係が有るのか。
それとも昔の事件の様に粉ミルクにヒ素を混入させたという
様な事実が有ったりするのか。

物理の分野に囚われすぎて、単なる奇異な事件簿と奇抜な実証
実験を魅せるばかりのこのドラマとしては、ようやくまともな
殺人事件が起きていたのかと思わせるものが有った。

今回の問題は何と言っても若山晴美の存在だろう。
今期のドラマでいうところのテレ朝の「遺留捜査3」の第一話
と第二話の跨ぎのエピソードで、第一話ではまるで目立たない
キャラクターだった高岡早紀さんが後編である第二話で犯人役
として躍り出てきた。このドラマでも役者としてのポジション
を考えるとどうしても山口紗弥加さんが第二話目に於ける
キーマンとなってしまう。傘を差した女性がそれに該当する
のだろう。この人物が綾音の味方として動いているのか、
それともその座を狙って義之との間に関係があるかどうかで
またドラマ性が変わってくるので、その流れを汲み取っていく
のが楽しみな内容である。

毒のネタは推理ドラマでは楽しい要素の一つだね。

湯川が彼女の事は覚えていないとしながらも、当時教会に
行った際に彼女が話していたバラの話を覚えているのだから
分からないものだね。