鴨、京都へ行く。 〜老舗旅館の女将日記〜
(2013年4月期・フジ・火曜21時枠)

脚本:森ハヤシ、酒井雅秋、岩下悠子
演出:永山耕三
プロデューサー:手塚治、妹尾啓太、榎本美華
編成企画:太田大、高木明梨須
主題歌: 椎名林檎「いろはにほへと」

http://www.fujitv.co.jp/kamokyo/index.html




 

第9話 哀しき老夫婦
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財務大臣の仲代の隠し子騒動が持ち上がり、その渦中に居た
鴨に対して、好奇心から旅館にやってくるものたちで活況を
呈する。そんなものにまともに対峙することはないとし、
そんな客で旅館が潤っても品格を落とすだけだとするが・・・

色んな客がいることは明らかで、どんな客に対しても柔軟に
対応のか出来るかにこその老舗を守れる女将の存在だと思う。
そういう意味では今回は女将の適切な対応によって、不誠実
な客に対して門戸を閉じてしまうというよりも、客を育てる
という流れが面白く出来ていたと思う。

そんな鴨自身の女将としてのモチベーションが母親の一言に
あったこと。頭の良い鴨ならばその真意は見抜いていたとこ
ろも有るのだろうけど、客と接することで母親の気持ちに
改めて気がついていくという流れが上手く描かれていた。

伝統の持つ意味もまた、老舗旅館にくる客層に引っかけて
描かれているところも上手く出来ており、周りにいる第三者
の意見や言葉によっても、伝統というものは守られていく
ものなのだろうなというものが興味深く描かれた。
店主だけでは同じ味は守れないこと。その味を覚えてくれる人
が居るからこそ、屋台骨が揺らいだ際にも起動を修正する
ことが出来、一つの伝統を守ることに繋がるのだろうなと
いうことで、今一度京都という土地柄を舞台にして、伝統とは
何かを視聴者にも問いかけるところに繋がっている。

伝統と新しい文化の融合もまた必要だろうし、複雑な思いを
させるドラマだね。

人と人とがたすき掛けのようにして、味を繋いでいくだけで
なく、言葉による他人に及ぼした影響が生物のように動き回り
鴨や衣川に伝わってくるところが良く出来ていた。

そしていよいよ鈴風が鴨に対して牽制し始めた。
腹黒さを感じるところも有るし、人間の本性を見るような
部分であって期待するものがあるかな。

上羽鴨 …… 松下奈緒 (28歳、財務省・予算執行企画室)
衣川周平 …… 椎名桔平 (外資系コンサル会社「ワイズ・コンサルティング」)
梅垣鈴風 …… 若村麻由美 (旅館「梅垣や」女将、女将組合・組合長)
間山紗江 …… 堀内敬子 (中居)
加茂京介 …… 大東駿介 (小物屋"まつひろ"、鴨の友人)
寺石秀 …… 高杉亘 (料理長)
峰岸鼓太郎 …… 笹野高史 (男衆)
高瀬裕次郎 …… 伊武雅刀 (外資系コンサル会社「ワイズ・コンサルティング」)
上羽薫 …… 市毛良枝 (元女将、死去)
仲代公吉 …… 松平健 (財務大臣)
塩見鞠子 …… かたせ梨乃 (中居頭)
八木飛雄馬 …… 小柳友 (料理人)
柴田優梨愛 …… 岡本あずさ (中居)
石原圭介 …… 佐野岳
渋谷敦子 …… 市川実和子 (鴨の大学時代の友人)
石黒哲也 …… 丸山智己 (財務省の先輩)

高橋知代、柴田裕司、毛利英二、ゴールデンボンバー

園田孝司 …… 山本圭 (夫、商社マンだった)
園田芳子 …… いしだあゆみ (妻、認知症初期)

大谷英子、おかやまはじめ、六平直政

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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