クロコーチ (2013年10月期・TBS・金曜22時枠) 原作：リチャード・ウー／コウノコウジ 脚本：いずみ吉紘 プロデュース：中井良彦、石丸彰彦 演出：渡瀬暁彦、山本剛義、平川雄一朗、大澤祐樹 音楽：出羽良彰、羽深由理 音楽プロデューサー：志田博英 主題歌：TOKIO 『 ホントんとこ 』 http://www.tbs.co.jp/kurokouchi/

第9話 三億円事件全真相
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昭和48年12月、澤村と富田ジョージは三億円事件に於いて
共謀して盗もうと考えていた。しかし公安の城尾は既に二人
の事をマークしており、ジョージと接触して澤村のことは
忘れて欲しいと告げる。
一方黒河内は45年前の少年Sには仲間がいた筈だとして高橋
から問い詰める。高橋は何故黒河内がそれ程までに3億円に
拘っているのか理解出来ずにいる中で、高橋は彼の前に沢渡
から奪ってきたとする350億円の入っている銀行口座の情報
であり、沢渡の暴走を食い止めるために奪ったものだと判明
していく。

とりあえずかなりの部分、全容が発覚したというところ。
特に興味深かったのが、何故桜吹雪会が内分裂を起こしたのか
という点に言及したことだと思う。

これまでの刑事ドラマの中でも実は沢渡のような思想を持ち
過去の不正に於けるウィークポイントを一気に防衛の危機に
転化して、日本に於ける防衛意識の向上を図ると共に、近年
日本でも騒がれている日本版NSAが取り上げられていることも
有るので、上手い形でタイムリーに話題の流れに乗じて正当性
を訴えようとしていたことが分かる。
あの「相棒」でも幻とかしてしまったが、特命係を監視する
目的が、新部署設立に於ける右京の適正能力を調べていたと
いう事実も有ったし、国家に於ける警察官が絶対的な存在感
を示しつつ、過去の黒い金の流れを昇華させる意味でも、
アイディアとしては悪くは無かった。

三億円事件の内幕が分かったときの、国民や世論の反応など
見てみたい気がするし、そうなると本当に警察機構が機能しなく
なるのかどうかも知りたいものがある。

物語の流れをよりシンプルにする為に、メイン以外のキャラクター
を次々と脱落させて、首脳会談を実現させようとする意図も
感じられるので、終盤に来ていよいよまとめに入ってきたな
と。
何をきっかけにして道を踏み外したのか。
警察としての正義感が逆の方向に向かってしまうことへの皮肉さ
は感じるものが有る。どの人物もまかりなりにも警察組織を守る
為に動いているという点でなんとなく切ないね。

ただこれだけの規模ならば警視庁はもっとズブズブに桜吹雪会
の力が及んでいると思うので、そう簡単につぶせるものではない
と思うところも有るかな。