救命病棟24時（第5シリーズ） (2013年7月期・フジ・火曜21時枠) プロデュース - 渡辺恒也、大木綾子 脚本 - 飯野陽子 音楽 - 佐藤直紀 演出 - 田島大輔、水田成英、西浦正記、高野舞 DREAMS COME TRUE「さぁ鐘を鳴らせ」 http://www.fujitv.co.jp/kyumei24/index.html

第7話 小島楓、運命の試練！涙の脳死臓器提供
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楓の元に救急搬送されてきたのはなんと楓の兄・立の息子で
甥っ子の夕だった。楓と夕の関係は大人と子供という関係では
なく良い友達であり、年齢を超えて互いに影響を及ぼし合える
間柄でも有ったために複雑な思いで治療に向かうが、脳死状態
に陥ってしまう。夕は臓器ドナー提供意思表示カードを所有
していたことも有り、この病院初の小児臓器提供者が出る
可能性もあったが、15歳未満の患者は両親の同意も必要だと
いうこともあって、複雑な状況が訪れていく。

今時の小学生・中学生は学校でこの手の臓器提供の教育なり
指導があるのだろうか。
臓器提供に関して、他人事であるならば提供すべきだとする
意識が働いたとしても、身内のことになるとどうしても臆する
ものができてしまうというのが人情である。
救命の現場では身内も他人もないのかもしれないけど、大抵
の場合、身内を治療の現場に立ち入らせるということは無いよ
うな気がする。

死生観に関してはアジアと欧米の違いが興味深いものとして
存在している。
日本の場合、大抵火葬なので遺体は焼かれてしまうけれど、
臓器の提供は嫌だという人が多い。アメリカ場合は火葬は稀で
防腐処理をして棺で埋められるという事も多いけれど、臓器の
提供に関しては比較的寛容で理解しているところが高い。

夏目が語っているように迷っているようであるならば医療者と
して関わるべきではないということ。
夏目自身も臓器に賛成はしないが、それを希望とするものがいる
ならばその可能性を救命医が奪う権利はないということ。

やりたいことはわかるのだけど、今思うと、突然楓の兄と息子
が出たのは、既に生け贄として大人の事情に巻き込まれてしまった
子供の物語で初登場から愛想を振りまいている背景には、
ある種のあざとさに感じてしまうところは、脚本の見せ方の問題だと
思う。殆ど世界観の中に組み込まれることなく使い捨てキャラの
ようになってしまうところは、ちょっぴり日本のドラマの弱さ
なのかなという感じだ。

臓器提供するくらいの患者なのでこれくらいの待遇をしても良いとは
思うけど、ちょっぴり後半のオーバーな待遇は意図的に視聴者に
涙を誘うような感じがしてもう少しスリムに構成すべき物語だった
様にも感じる。院長の立場もわかるけど何でそんな憎まれ口のような
言葉しか出せないのかって感じにしか見えないところがあるな。

親が知らなかった子供の気持ちに触れるという部分は良かったと思う
けど生前の作文が出てくるあたりはやっぱりあざとい。