リーガルハイ (2013年10月期・フジ・水曜22時枠) 企画 - 成河広明 演出 - 石川淳一、城宝秀則、西坂瑞城 プロデューサー - 稲田秀樹、成河広明、山崎淳子 オープニング 9nine「Re:」 http://www.fujitv.co.jp/legal-high/index.html

第1話 完全復活・古美門研介！すべては依頼人のために無敗の弁護士が非道
の悪人に立ち向かう！
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2年前に運輸会社の社長・徳永光一郎が殺害される事件が有った。
夕食に出されたスープの中に青酸化合物が混入していて、
光一郎の元交際相手だった安藤貴和が容疑者として取り調べを
受ける。光一郎に一億円以上貢がせている状況の中、別れを
切り出されたことによって保険金をかけて殺害したのではないか
と疑われるもので、貴和を調べると過去にも彼女と結婚した夫の
二人が保険金を掛けられて不審死を遂げていることが分かる。
光一郎が殺害された当時に貴和が目撃されていることや、
殺害に使った青酸性毒物の小瓶が貴和の自宅から見つかり、しかも
その瓶には貴和の指紋が付着していた事からも第一審では有罪
であり、しかも極刑判決を受けていた。
貴和の弁護を担当していたのは三木法律事務所の刑事部門の
主任でも有った磯貝邦光だったが、勝ち目がない敗戦処理を
させられるとして弁護から降りて、連戦連勝中の古美門研介を
紹介していく。

相変わらず古美門研介のキャラがはじけているドラマ。

今時のネタとしては外せない滝川クリステルさんの「オモテナシ」と
「半沢直樹」ネタのパロディを使うところはもちろんの事、
ドラマを見ていると、同じ時間帯に放送している「ダンダリン」を
牽制してのことなのか、目撃証言をする土屋秀典に対して、
君は石野真子と石野ようこ(敬称略)の区別が付くのかと問う辺りが
また作為的で、フジテレビも色んなところにアンナテを張って
頑張っているなという感じ。

ドラマとしてはキャラクターが如何にも作りすぎていて萎える部分
も有った。特に松平健さん演じる「ヴァンパイア検事」をパロ
ったのかどうかはよく分からないけど、こんな作りすぎキャラは
要らないでしょって感じで、この手のコミカルな役割は古美門だけ
で十分だと思う。

さて裁判自体は、正直陳腐なものを感じたのも事実。
真知子が見つけたくらいの証拠は当然警察が調べている訳で、
連勝中の古美門が気がつかないというのも不自然だった。

ただ裁判の過程でセキュリティの問題や指紋の件で反論した辺りの
やりとりはまかりなりにも上手く出来ていたし、古美門に言われたく
ないけど、日本は魔女を火あぶりにして楽しんでいる国であり、
警察もマスコミもはじめから用意された結論に向けて証拠が積み上げ
られているという辺りは、その傾向を強く表していて上手く
出来ていたと思う。

色々とキャラクターの奇抜なやりとりによって埋もれがちだが、
弁護士とは何かということを問いかけるものが有り、真知子が自分
の信念や価値を貫くのか、それともクライアントを優先していくのか
の葛藤が至るところで散りばめられているところは、弁護士
ドラマならばどのドラマにも含まれるものだけど、真知子自身が
その辺の折り合いをどうつけていくのか興味深いところ。
今回のドラマを見ていると、死刑制度云々でその辺の主張を
上手く誤魔化された感じもするけどね。

クライアントが本当の事を話さなければ勝てるものも勝てない。
「デスパレートな妻たち」の最終シーズンでブリーらの事を
弁護したトリップ弁護士を思い出す。

そしてなんと言ってもルパンと銭形のような関係になっている
古美門と三木の存在は良い感じだね。"だっちゅーの"沢地の存在
も相変わらず良い味を出している。