名もなき毒 (2013年7月期・TBS・月曜20時枠) 原作 …… 宮部みゆき 「誰か　Somebody」「名もなき毒」 脚本 …… 神山由美子 音楽 …… 横山克 制作 …… 那須田淳 チーフプロデューサー …… 橋本孝 プロデューサー …… 鈴木早苗、橘康仁 演出 …… 塚原あゆ子、金子文紀、山本剛義、竹村謙太郎 http://www.tbs.co.jp/namonakidoku/

第3話 姉の毒と妹の毒…姿を現した誘拐犯の女！第２の犠牲者が
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聡美は4歳の時に自分が誘拐された事を告げ、父親の中に闇の
一面が有ること語る。結婚式を延期する背景には、父親が
何らかの犯罪を犯していた際に浜田家に迷惑がかかる為だと
告げる。しかし三郎は聡美と浜田と話し合う中で、今回の事故
と聡美の事件は切り離して考えるべきであり、恐らく今回の
事件の犯人が見つかったとしても28年前の不安が解消される
ものではないのではないかとして、結婚するべきではないか
と告げる。そんな中で、三郎たちは信夫のひき逃げ事件の犯人
を探す為にチラシを作って周り近所に配っていくが・・・

ドラマを見ていると、事件の一部始終を知っているもの
が結構多く存在していて、公表して良い部分と隠すべき部分
をコントロールしている感じがする。
子供が轢いたのではないかとする情報操作が有ったり、
ビラ配りを辞めさせようとしているのではないかとする流れ
を感じたり、真相を明らかにして欲しいとしつつも実際には、
それ程明かして欲しくはないのではないかと感じる部分が
上手くミステリアスな流れに拍車をかけている。

ドラマが良く出来ているのは、主人公の三郎がこの一件に関
して、客観的でも有り、感情移入をしているという部分が
上手く描き出しているいることだと思う。当事者というには
それ程信夫と近しい関係でも無いのだけど、人生の転機に
象徴的な言葉をかけられた相手ということも有って、自分の
中の信夫に対する印象と周りから話を聞く上に浮かび上がる
信夫の人物像へのギャップに興味が含まれている。

あくまで出しゃばり過ぎず、またそれでいて金にもなら
ない事を積極的かつ淡々とこなしていく三郎の主張は、どの
場面に置いても理路整然としていて的を射ているところが
有って、好感の持てる役柄だ。決して推測では物事を話さない
し行動を起こそうともしない。

姉妹の葛藤も面白く出来ていて、どちらの主張が正しいのか、
そして女性同士、姉妹間の葛藤というのが、当事者間にしか
分からないものとして存在しているのだろうなというところが
また興味深く出来ていると思う。

携帯電話の着信音は如何にも思わせぶりな感じだったけどね。

聡美と三郎の中で共通するものが、
「何かが追いかけてこないかつい後ろを振り向いてしまう」
としていたけど、生きていく上で人ならば誰にでもあるモヤ
モヤ感を表現しているのではないかなって感じ。