名もなき毒 (2013年7月期・TBS・月曜20時枠) 原作 …… 宮部みゆき 「誰か　Somebody」「名もなき毒」 脚本 …… 神山由美子 音楽 …… 横山克 制作 …… 那須田淳 チーフプロデューサー …… 橋本孝 プロデューサー …… 鈴木早苗、橘康仁 演出 …… 塚原あゆ子、金子文紀、山本剛義、竹村謙太郎 http://www.tbs.co.jp/namonakidoku/

第5話 第１部・最終話〜毒にまみれた衝撃の結末！今夜すべての謎が明らかに！
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杉村の元に電話して来たのが、梶田をひき逃げとする少年で
有り、そして野瀬という女性だった。杉村は野瀬から28年前
の真相を聞かされ、聡美が誘拐されたと思っていた案件の
真相を知っていく。しかし杉村は一つだけ一連の事件に関して
解せない事が有り、誰が脅迫めいたメッセージを梨子に電話して
来たのかという事だった。

いよいよ第一部の終了。
いろんなブログでも書かれているだろう事だけど、やはり
杉村役の小泉孝太郎さんのキャラクター像に好感が持てた作り
だった点がこのドラマを成功に導いたところだと思う。

本人には本人なりの苦労があるのに、事情を知らないものから
は、劣等感なり感情をぶつけられてまさに不条理さを押しつけ
られた格好だった。不条理かつ他人から発せられる言葉にこそ
毒があるとするところは、このドラマのタイトルからしても
悪くないし、毒を吐くということわざがあるくらいだから
言葉の持つ凶器というのが、時として殺人事件に勝るとも劣ら
ないというところなのだろう。

杉村は冷静沈着で思慮深さ、誠実さ、洞察力を持つ人物だから
こそ、その時々の事態に上手く対処出来たのだと思うし、心を
許した人たちが多かったのだろう。

梨子の不可解な行動に対して、既に杉村としては行動を起こす
前にかなりの推論が確証として存在していたであろう事は
見て取れる。
姉妹の関係の中に難しいものが含まれていて、たった二人の
姉妹だからこそ、姉に結婚されることに対して寂しさを覚えて
いるのかと思えば、実際には、高校時代から恋人を巡って
争いが発生していて、両親が残した影の部分を、子供達は
無意識にすくい取ってしまったのだろうなと思わせるものが
有った。

杉村は結婚に際して第三者である梶田からの屈託のない祝福
する言葉を投げかけられたからこそこの事件に関わることを
決めた訳で、聡美に対しても同様に茶店のマスターがこの言葉
を投げかけているにも関わらず、それが上手い形で本人に
響いていかなかったのが残念だった。

しかし第二部にも上手い形で事件を引き継いだね。
ある意味この「あおぞら」編集部編集のメンバーの設定を
そのまんま刑事なり探偵事務所として引き継いで、ドラマを
構成すべきだと思う。落ち着いた感じのドラマなので、意外と
「ハンチョウ」シリーズと双璧を成すTBSのドラマへと成長
していくかもしれない。