名もなき毒 (2013年7月期・TBS・月曜20時枠) 原作 …… 宮部みゆき 「誰か　Somebody」「名もなき毒」 脚本 …… 神山由美子 音楽 …… 横山克 制作 …… 那須田淳 チーフプロデューサー …… 橋本孝 プロデューサー …… 鈴木早苗、橘康仁 演出 …… 塚原あゆ子、金子文紀、山本剛義、竹村謙太郎 http://www.tbs.co.jp/namonakidoku/

第8話 毒をもられた！第５の事件発生…衝撃の被害者は！絞られた３人の容疑者
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毒物混入して殺害する事件が4件発生し、その内のさいたま
市で起きた1件目と3件目の事件について青年が事件を起こして
いた事が発覚する。
そんな中、三郎は、4件目の被害者の家族と関わり合いを
もっており、そのウチの美知香からは、母親となかなかコミュ
ニケーションが取れずニュースの映像でしか事件の詳細が
聞かされていない事を知る。もしかしたら母が犯行を犯した
のかもしれないとして不安を感じていた。詳細を聞くと、
祖父には奈良和子という相手が居て、遺産の全てを奈良に
渡すと遺言書を残していたが、ある時見たらそれが無くなって
いたというのである。果たして金だけで実の父を殺害するもの
なのか。

それぞれの人物の心に潜む嫉妬心や心の闇というものが、少しずつ
表面化・具現化して、実際に他人に危害を及ぼすほどまでに
成長するものが出てくる。
現代人のモラルの低下によって、普通で居られることの難しさ
を説くと同時に他人に迷惑をかけず生きていられる人物というのは
ある意味本当の幸せを掴んでいる人だけなのではないかとする
提示の仕方も面白く出来ている。
ただ幸せの定義は人それぞれで、他人から見ると幸せそうに見えて
も実際には本人にしか分からない苦労があるからこそ、この世の中
にはストレスというものが尽きないのだと思う。

やはり人生にとって最大のストレスは金銭的な問題なのだろうか。

シーナちゃんの意外な嫉妬心は、確かに職場でのアイドルの地位を
揺るがすものなので分かるけど、恐らく留学金を盗まれなければ
発生しなかったもののように思う。ただ本当に留学しようとしていた
のかどうかも分からないのでなんとも言えないところだけど。

また今回は古屋暁子の中にある嫌疑を晴らすような内容で、また
一気に原田いずみの存在感を浮上させた。

想定していた人生の幸せ街道から一歩でも踏み外すと誰もがストレス
という名の毒にむしばまれていくものだと思うし、モラルの低下
した現代だからこそ、容易に他人を傷つけられるものだと思う。

コミュニケーションによって親子の絆を取り戻したように、本来
ならば杉村のように仲介してくれる人物というのが必要なんだろう
けど、現代の希薄な人間関係がよりそういった毒を生産している
ようでちょっぴり世知辛いものがあるね。