名もなき毒
(2013年7月期・TBS・月曜20時枠)

原作 …… 宮部みゆき
「誰か Somebody」「名もなき毒」
脚本 …… 神山由美子
音楽 …… 横山克
制作 …… 那須田淳
チーフプロデューサー …… 橋本孝
プロデューサー …… 鈴木早苗、橘康仁
演出 …… 塚原あゆ子、金子文紀、山本剛義、竹村謙太郎

http://www.tbs.co.jp/namonakidoku/




 

第11話 最終回ストーカーから家族を守れ!杉村の逆襲が今始まる!
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杉村と秋山はコンビニの飲料の中に青酸カリを入れたのが
外立だとわかり問い詰めると、それを認めて心情を吐露して
いく。介護疲れによって寝たきりの祖母を殺害しようとして
いたこと。人生に選択の余地がなく、自分だけが不幸だと感じて
急に腹が立ってしまったことで衝動的にネットで青酸カリを
購入し、試しに注射器を使って他人に手をかけてしまったこと。
それを聞いた杉村と秋山は誰か止める人がいれば止められた
事件だと考え、警察やマスコミに事実がねじ曲げられる前に
自分たちはすべての真実を知る必要があるとして、外立に対して
追求の手を伸ばしていく。

最終話は人々の持つ毒がどういう経緯で生まれていくのかが
描かれ、どんな人物であれ、毒されていく可能性があることが
示唆されて、人の衝動的行動も止める人がいれば止められる
ということが描かれた。

杉村自身の中にある意外な感情でもある殺意を体験させたことで
より加害者にも近づける存在になったし、責任を取るべき人たち
が責任を取っていれば、結果的にこういう事態は起こらなかった
のだろうなと思うと、どの人物にも影を落とした感じのオチだ
った。

原田の猟奇的な行動もまた常軌を逸していて怖かった。
向けられるべき殺意がどの人物もねじ曲げられていて、ほとんど
無関係に近い人物に向かっていくという不条理さがまた怖さを
助長させるものがある。

成功者は他人の犠牲の上で成り立つものであるという資本主義的
社会の構図の問題点もまた悲しいかな現実として描かれ、
それだからこそ、成功者の社会的責任というのも同時にこなして
いかねばならないところがあるんだろうね。

最終話は特に展開上では意外性はなかったが、続編をにおわせる
ようにして、杉村に対して北見が気持ちを託すところなど
悪くはなかったが、妻が心臓を悪くしているところを考えると
他人のことよりも自分の家庭を考えよという感じなのかな。
「太陽にほえろ!」の山さんパターンだね。

杉村三郎 …… 小泉孝太郎 (元あおぞら出版)
杉村菜穂子 …… 国仲涼子 (三郎の妻、心臓が悪い?)
手島雄一郎 …… ムロツヨシ (社内報「あおぞら」編集部編集)
浜田利和 …… 高橋光臣 (聡美の婚約者)
椎名遥 …… 岡本玲 (社内報「あおぞら」編集部編集、アルバイト)
加西新 …… 森崎ウィン (社内報「あおぞら」編集部編集)
園田瑛子 …… 室井滋 (社内報「あおぞら」編集部編集長)
谷垣太一 …… 山崎大輔 (社内報「あおぞら」編集部副編集長)
水田 …… 本田博太郎 (睡蓮マスター)
今多嘉親 …… 平幹二朗 (今多コンツェルングループ)
遠山 …… 佐藤直子 (第一秘書、"氷の女王")
杉村桃子 …… 矢崎由紗 (三郎の子)

古屋 暁子 …… 真矢みき (外資系証券会社、母親)
古屋 美知香 …… 杉咲花 (暁子の娘、摂食障害)
古屋明俊 …… 森次晃嗣 (コンビニの毒入りウーロン茶を飲んで)
原田いずみ …… 江口のりこ (編集部に侵入者)
秋山 省吾 …… 平山浩行 (ジャーナリスト)
外立研治 …… 君嶋麻耶 (コンビニ"ララパセリ"、バイト)
北見一郎 …… 大杉漣 (探偵、元刑事)

五味淵まゆみ …… 中西美帆 (省吾のいとこ)
奈良 和子 …… 烏丸せつこ (古屋明俊の恋人、前科あり)
萩原社長 …… でんでん (弘の父親・萩原運送社長)
杉村真一 …… 野添義弘
杉村正子 …… 木野花

星野晶子、岡安旅人


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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