とんび
(2013年1月期・TBS・日曜21時枠)

原作 - 重松清「とんび」(角川文庫刊)
脚本 - 森下佳子
音楽 - 羽毛田丈史
音楽プロデュース - 志田博英
プロデューサー - 石丸彰彦
主題歌 - 福山雅治「誕生日には真白な百合を」
演出 - 平川雄一朗、山室大輔、中前勇児

http://www.tbs.co.jp/TONBI/





第9話 突然の終わり…
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平成10年(1998年)冬、旭は実家の父に電話し結婚しようと思っ
ている人が居ると報告する。慶応大卒で同じ会社の人。ちょっと
だけ年上で大学の頃にはモデルにスカウトされたという事を
聞いてヤスは旭の婚約を喜び町中の人に言いふらしていく。
母・美佐子に似た人物ならば言う事が無いと考えるが・・・

ヤスの行動は一見すると父親としての当然の心配にも思えるし、
逆に子供っぽくも見えるし、ヤスだからこその態度が至る所に
見られて興味深く写る。自慢の旭だからこそ、相手に求めるものも
厳しくなるのだろうし、厳しく要求する程に、息子に対する愛情
が感じ取れるが、逆に息子との関係を遠ざけてしまう。
息子と父親の思惑の違いは必ずしも同じ足並みではない辺りが、
人間らしい自我を感じさせて、キャラクターの個々を引き立てて
いるのかなと。

母親に必ずしも似ていなければならない的押しの強さがドラマの
中に有ってかなりの違和感が有ったけど、旭は母親というものを
知らない訳で、由美が母親とは似ていないのは仕方が無いとしたり、
逆にその件で照雲が言い張る姿は相当違和感が有った。
健介として見れば事情もわからず、ただ怖い人たちが怒鳴り合って
いるとしか思えなかっただろうね。

ただ由美がヤスの元に一人で乗り込む様は、間違いなく美佐子に
も通じるものが有ったし、愛情というものを感じることが出来る。

強く言い張っては居るヤスだが、意外と内面では学歴に対して劣等
感を持っていたり、自分の理想を押しつけようとするところは
なんとも言えないモノが有る。
こういう時にフォローしてくれるたえ子の存在は本当に大きいな
と思わせた。

照雲の演技によって本音を引き出す辺り、みんなヤスという人物
の性格を把握しているなと思うし、良い感じでサプラ〜〜〜イズ
(アメリカン調で)になっている所が面白く出来ていたな。

それにしても相変わらずクズの嫁は良い所で関わってくるね。
ただ次回は負の方向で関わって来そうで、辛いことになりそうだ。

市川安男 …… 内野聖陽 (父、とても家庭思い)
市川旭 …… 佐藤健 (徳田出版)
(3歳 - 五十嵐陽向、6歳 - 荒川槙、11歳 - 福崎那由他)
市川美佐子 …… 常盤貴子 (安男の妻、家族を求める)
坂本由美 …… 吹石一恵 (徳田出版)
六川進之介 …… 内野謙太 (徳田出版)
松本京 …… 本田翼 (徳田出版)
坂本健介 …… 黒澤宏貴 (由美の息子)

曽根崎幸恵 …… 加藤貴子 (美佐子のママ友。照雲の妻)
曽根崎照雲 …… 野村宏伸 (安男の親友、坊さん)
葛原鉄矢 …… 音尾琢真 (安男の後輩)
尾藤 …… ベンガル (カナエ水産・社長)
たえ子 …… 麻生祐未 (小料理「夕なぎ」)
曽根崎海雲 …… 柄本明 (薬師院・住職)
葛原の妻 …… 橋本真実
萩本 …… 高橋和也 (天ヶ崎通運・課長)
銭湯の番台 …… 青木和代 (潮の湯)
曽根崎頼子 …… 岩本多代 (海雲の妻)
山田春夫 …… 今村均 (安男の先輩社員)

小林 …… 長谷川朝晴 (徳田出版「City Beat」編集者)

倉野章子、岩田丸、岸博之、森尾寧仁、加藤瑛斗

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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