相棒 season 13
(2014年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

脚本・輿水泰弘(1)、森下直(2)、金井寛(3)(5)(6)、徳永富彦(4)
監督・和泉聖治(1)(3)、池澤辰也(2)、橋本一(4)(6)、近藤一彦
プロデュース・
音楽・池頼広

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/
http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_13/





第6話 ママ友
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カイトと右京は組対5課の角田からの頼みで、容疑者の暴力団員
が凶器として使用したものが奥多摩にあることを聞かされ探し
に行く。右京によると後で取りに来たことを考えて分かりやすい
場所に隠してあるのではないかというもの。しかしいざ探して
いる中で角田から再度電話が有り、凶器は容疑者の自宅の押し
入れから見つかったとの連絡が入る。
そんな中、女性の悲鳴が聞こえた為に近づくと棚橋雅代が
足を滑らせて転んだというだけだった。二人は自宅まで彼女
を送り続ける中、お茶を入れてもらう。すると右京はTカップ
を見てしゃれたものだと感じる。右京は奥多摩までキノコ採り
に出かけていたというが、そのような格好をしていなかったのは
何故なのかと問う。それを聞いた雅代は警視庁の人たちならば
話しても良いかと思い、ちょっと見て欲しいものがあるとして
有る部屋に連れて行く。そこに一昨日の日曜日に近所のママ友
夫婦でバーベキューに行った時の写真が壁一面に貼られていた。
しかも時系列順にキレイに貼られていたのである。
ここに映っている4人の女性は公園で知り合ったことたちだと
いう・・いわばママ友だった。

陸ママの勝瀬円香、美優ママの橋本百合、貴大ママの有村
七海、そして半年前にこの町に引っ越ししてきた翻訳家の
佐々木広子だという。

広子は映っている最後の写真は1時15分。ウチの大輝が1時43分
に鈴の音リュックを背負って橋を渡る広子の姿を目撃している
とのこと。1時間くらいして広子からメールが届いたのが2時44分。
そのメールには「用事を思い出したので先に帰る」と書かれて
いたがバスケットを置いたままで不自然とのこと。
そこで恐らくこの写真の写るだけかが殺害したのだろうと
思い、写真に写っている女性たちの空白の時間を探して
誰が殺害しているのかを調べていたのだという。
写真では七海と百合が映っていない時間があるという。
バーベキューに行く前に広子と公園で逢ったがその際彼女は
階段から突き落とされかけたとしてしゃがみ込んでいるのを
目撃したとのこと。

右京は雅代がゴミを持ち帰っていることから、バーベキュー
ではビールを飲んでいる事が変わるが、広子が持っていた
シャンパンのビンがないことに気がつく。誰も飲んではいない
とのこと。
広子が公園で倒れていたのは水曜日の午後7時頃だという。

佐々木家を調べると、取りあえずパスポートは発見される。
監視カメラが設置している事が分かるが、普通カメラは抑止力
ほ効果的に利用するためフクロウ型の置物に隠している状態
なのは不自然だという。

右京たちは他のママ友たちからさりげなく話を聞いていく
ことになる。
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右京とカイトはひょんなことから、棚橋雅代のことを助けることに
なる。そこで彼女から二人が警視庁の人間だということで相談
される。先日近所のママ友たちでバーベキューに行った先で
居なくなった佐々木広子という人物のことだった。
あの日の途中に彼女が居なくなって以降、全く姿を見せておらず、
雅代本人はバーベキュー当日のアリバイを時系列順に写真で調べて
容疑者像を絞る姿が有った。右京たちはその情報を元に彼女の
姿を探していくことになる。

ママ友という女性特有のコミュニティの中で発生した事件を通して
色々とその人となりの"事情"や"秘密"に触れていくという物語だった。

おれおれ詐欺が未だに猛威を奮っている日本。先日ツイッター
でも書いたのだけど、ウチの母の元にも兄の名を語り電話が
かかってくるものが有ったことを考えると、余程この詐欺が
フィッシング詐欺メールと同様に浸透していることが伺える。
人間の心理を突いたとされる詐欺だけど、このドラマで描かれた
事件や人間関係もそんな"心理的"事情が作用しているものが有る
内容だった。

人間ならば誰でも多かれ少なかれ秘密があるもので、「あなたの秘密
を知っている」と言われれば、受け取り方はどうであれ、言われた
方は、人には言えない秘密を持つ程にその心理的圧迫は大きいものと
されるのだろう。

そんな心理的状況を捜査を通して面白くあぶり出していくという内容
であり、それぞれの主婦に接することで、その秘密が何かという
ことを右京の観察眼を通して暴いていくこととなる。
その殆どが事件とは意味のない他愛のないもの・・・となれば良い
のだけど、裏口入学だったり、不倫ネタだったりと、実はもの凄い
事情が存在していた。平穏そうな主婦たちの中にある特異性という
ものを面白く抽出させる意味があるのだろう。

隣人との心理的駆け引きを通して優劣が自然に出来上がってしまう
ところもまた女性ならではの"マウンティング"的ものなのかも知れ
ないけど、スーパーでパートするということだけで、劣等感を覚えて
しまうというのはちょっと人としては寂しい感じがするね。
そして血のつながりの無い養子を受けたことに対する心理的圧迫感
が不安要素として存在しているという辺りも、人と人との信頼関係
に対する皮肉としか思えないような流れとして描かれている。

小さなことから大きな事件を探り当てるという流れ自体は悪くない
にしても、ちょっぴり大きすぎるネタをつり上げてしまった感じ
だったね。


杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
甲斐享 …… 成宮寛貴 (警部補・特命係)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査一課)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査一課)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (二代目"花の里"女将)
笛吹悦子 …… 真飛聖 (国際線・客室乗務員、享の彼女)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁・次官)

佐々木広子 …… 三輪ひとみ (自称:翻訳家、実は元キャバクラ嬢)
棚橋雅代 …… 岩崎ひろみ (大輝ママ、スーパーでパート)
勝瀬円香 …… 春木みさよ (陸ママ、養子)
橋本百合 …… 吉本菜穂子 (美優ママ、不倫)
有村七海 …… 河本千明 (貴大ママ、裏口入学)

栗原寛孝、堀田智之、佐藤充浩、高草量平、岩崎未来
中野遙斗、芦沢琢斗、岩田龍門、井上智之、松井正樹
和田亮太、藤原正和



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