相棒 season 13
(2014年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

脚本・輿水泰弘(1)、森下直(2)、金井寛(3)(5)(6)、徳永富彦(4)
真野勝成(7)
監督・和泉聖治(1)(3)(7)、池澤辰也(2)、橋本一(4)(6)、近藤一彦(5)

プロデュース・
音楽・池頼広

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/
http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_13/





第7話 死命
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カイトは悦子からの頼みである男性を追っていた。
男性・田無昌平(31歳)は次々と女性と遭っては金を受け渡し
している光景が有った。

一方角田は特命係の右京の元を尋ねると、カイトは何のヤマ
を追っているのかと問う。聞いた話では彼女の友達の父さん
がレストランを経営しているが、そこで働く女性・君江(50歳)
が亡くなったのだという。結婚相手として年が離れていたので
驚いていた様だが、結婚して2年後に急死し、巨額の保険金が
彼女の年の差婚の相手・昌平の元に入ったのだという。
つまりカイトは保険金殺人ではないかと疑っていること。
複数の女性から金銭を受け取っていたという。
田無は早くに両親を亡くして北海道から東京に上京し、
都内レストランに勤務したがそこが倒産したことで職を転々
としているという。一応君江の検視は病死だということになって
いたというが・・・
角田は「かつて墓場と呼ばれた部署で志しを燃やす青年」の
姿に清々しさを感じる。右京もカイトの為にセージ入りの
紅茶を差し出すと五感が働くとして援護する。

田無は女性と遭った後、自分のバイクのミラーに見える自分の
顔を見て突然「俺は何をしているのか」と感じて暴れ出す。
その際手には怪我を負ってしまう。カイトはそれを知り彼を
落ち着かせた後手当てして上げる。

カイトは被疑者と接触してしまったことを受けて右京に相談
すると助っ人に頼んだらどうかという。
二人は捜査一課の伊丹と芹沢の元に行くと、暇が有れば
ちょっと保険金殺人の容疑者の件で助けて欲しいと語る。
伊丹は渋々話を聞く。
話を聞くとあまりに年の差に違和感があり、しかも給料から
して破格値の保険金・6000万円がかけられていること。
亡くなった君江は自宅で心臓発作で亡くなっているという。

伊丹たちは田無の自宅に行くとすぐに捜査官だということを
悟り逃走を図ろうとする。カイトは一人走って追いかける中
田無はビルの屋上へと逃げ込む。カイトが付く頃には田無は
ビルの屋上の縁に立っていた。カイトは亡くなった妻について
聞きたい事があると告げると、「俺は諦めるわけにはいかない」
と告げ飛び降りて自殺を図るのだった。

カイトは監察官聴取を受けるが問題無しと判断される。
カイトの父はは彼に対して捜査上は何の問題もなかったこと
を告げ感情に走って余計な事は言うなよと語る。お前は功を
焦って肝心なところで失敗すると告げる。
悦子もカイトに仕事を頼んだ手前変な状況になったことを
謝罪する中で、カイトは自分のせいで彼を自殺に追い込んで
しまったとして警察を辞める覚悟だった。
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カイトは恋人・悦子の知り合いの父からの相談を受ける。
レストランで働いて居た従業員の女性・君江が年の差結婚を
した挙げ句亡くなった件がどうしても引っかかるというので有る。
調べた結果、亡くなった君江には多額の保険金がかけられている
おり、19歳年下である田無昌平が受取人となっていること。
収入額に比べてかけられた保険金が不釣り合いな程に高いことから、
殺人事件ではないかとして捜査していくことになる。

ある意味ではタイムリーなネタって感じの内容だった。
現在遺産目当てに何度も結婚・未亡人を繰り返している女性が
殺人の容疑者となっている事件がニュースで取り上げられている
けど、そういうところに妙にシンクロしている印象は受ける。

テーマとしては悪は人間性とは関係無しに環境に乗って伝染していく
というもの。

NPO法人ということを利用して金儲けをしていること。
自分が騙されたことへの仕返しを身寄りのない若者たちの心を
操って犯罪に利用しているという辺り、えげつなさを感じる物語だ。
愛のあるようで無さそうな親子関係ということを通して見ると
カイトと父・甲斐峯秋との関係性に言及した物語で、愛があること
をアピールしつつ愛はないという犯人の流れとは対象的に、
愛はないような素振りを見せている甲斐家の親子関係が面白く
浮かび上がってくるというもの。

皮肉だけど人生・恋愛は化かし合いのような様相を呈しており、
田無という人物は騙した相手に騙されるという流れが有った。
「結婚」「赤ちゃん」の存在を使って相手から金を引き出させる
という流れ。更にはカイトもまたその騙し合いの駒の一つとして
利用されてしまいそうになるところなど、人生の落とし穴という
のは至る所にあるような気がする。

田無は生粋の悪人ではなく、環境によって生み出された悪人・
犠牲者だった。悪が伝染していく様が皮肉な形で描かれ、死して
尚、その流れが繋がっているところなど人間の欲棒が生み出した
悪とは際限がない。

ダイイングメッセージは何も文字として残されたものだけではなく、
「諦める訳にはいかない」とする言葉をもって捜査の着眼点
としていくのも悪くは無かった。

カイトメインのエピソードだけど、イギリスナイズドされた右京
さんの紅茶の知識なり、シャーロックの知識をウンチクとして
語られる辺りも面白く出来ていたと思う。
アイリーンジャスミンに含まれるアルカロイド系の毒物によって
殺害されていたこと。アイリーンとはシャーロックを唯一出し抜いた
人物だと右京は語っていたね。
因みに先日まで放送していたNHKのイギリスBBC「シャーロック」
では、アイリーン・アドラーはLara Pulverが演じており、SMの女王
みたいな感じになっていた。

アミューズ所属の清水くるみさん、可愛いですね。
注目して居る方だけど、何処か戸田恵梨香さんに見える(笑)


杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
甲斐享 …… 成宮寛貴 (警部補・特命係)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査一課)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査一課)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (二代目"花の里"女将)
笛吹悦子 …… 真飛聖 (国際線・客室乗務員、享の彼女)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁・次官)

大原美千代 …… 阿知波悟美 (55歳、NPO法人"はれぞら園"、ビッグママ)
田無昌平 …… 米村亮太朗 (31歳、詐欺・殺人)
小山美波 …… 清水くるみ (ウェイトレス、田無と同じ施設)
高安奈々 …… 藤井美加子 (田無に貢いでいた女性)

牧村泉三郎、下村彰宏、熊谷百世、福井晋、平ますみ、古口拓也
法月輝美、小管汐梨



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