相棒 season 13
(2014年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

脚本・輿水泰弘(1)、森下直(2)、金井寛(3)(5)(6)、徳永富彦(4)
真野勝成(7)、近藤俊明(8)、池上純哉(9)
監督・和泉聖治(1)(3)(7)、池澤辰也(2)(9)、橋本一(4)(6)、近藤一彦(5)
太田愛(8)

プロデュース・
音楽・池頼広

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/
http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_13/





第9話 サイドストーリー
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一昨日池袋の路上で起きた美人介護士殺人事件。
被害者は三塚奈々(23歳)。しかし週刊誌では彼女には2つの顔
があるとして介護士の仕事の他にキャバクラ"クリスタルドー
ル"で働いていたというもの。しかも彼女は自宅に戻らず
常連客の家を渡り歩いていたとし、容疑者はその中の一人だ
というもの。
伊丹たちは中薗から民間委託で運営している匿名告発ダイアル
に連絡が入ったことを聞かされる。そこには「真犯人は別に
いる」とされるものだった。しかし伊丹は現場から逃走した
犯人を捕まえていることや被害者の指紋が容疑者の服からも
検出されていることからほぼ容疑は決まったものではないか
と語る。
角田は特命係にやってくる。
カイトはネットで三塚奈々に関する情報を集める為に掲示板
などを覗いていたが被害者のことが散々叩かれているとし、
23歳でバツイチ女性であり、事件に巻き込まれるのも当然だと
するような内容だった。しかも実家の住所までもが掲載され
ていた。
そんな中伊丹たちは特命係に仕事と称して匿名告発ダイヤル
の件を説明する。
既に容疑者として柿谷雅臣(34歳)を捕まえているが、他に
真犯人がいるという連絡が入っていたこと。
米沢によるとキャバクラの裏手で殺害されていたもので、
第一発見者も同じキャバクラで働く女性だという。柿谷が
被害者と接触していたこと。警邏中の警察官がたまたま近く
に居てすぐに逮捕されたこと。柿谷は社会保健労務士という
堅い仕事をしているがキャバクラ好きで半月で9回も店に
通っているという。常に三塚を指名していたことが分かっていた。

三塚から話を聞くと、僕らは変な関係ではないという。
そもそもメールで三塚の方から呼び出されたことを主張する。
バイト前に相談があるとのメールを確かに受け取っている形跡
が有った。
被害者のSNSには事件直前まで書き込みがあり、13日は
「浅草なう」「今夜は浅草で食事」と書かれていた。
しかし殺害は池袋であり、彼女は何故嘘をついていたのか。
そして現場で彼女が所持していた介護ノートに関しても
普通は介護が終わった際に家族に渡すものだという。

奈々が働いている介護関係者・勝間から話を聞くと、
男性関係の乱れなど全く知らなかったという。先日奈々の従兄弟
だという人物が奈々のことを聞きに来たという。
ノートを見せるとそのノートは小宮山佳枝(72歳)のノートで
大腿骨を骨折して寝たきりになっている人のものだという。
とても気むずかしいことで嫌みばかりを発する為に介護士も
なかなか定着しなかったということ。
佳枝の息子・茂樹(34歳)から話を聞くことになる。
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美人介護士の23歳の女性・三塚奈々が殺害される。
マスコミは一連の事件に関して、彼女がキャバクラでバイト
していたことを受けて、男性との関係が乱れている趣旨のことを
報道する。一連の事件を見守る人たちは無責任にも殺されて
当たり前のような人物像としてネットでも情報を流布する中、
彼女のことを調べていくウチに、報道や世論とは違う彼女の姿
があることが分かる。

人間関係が希薄化する中、一度誤った情報が流れたとしても
訂正する人物も居なければ、勝手なまでに人々の間で人物像が
築き上げられる状況として描かれている。
キャバクラとしてイメージされるものの中には、いかがわしさ
というものしかなく、働いている以上は男好きで金目当てと
いう間違ったイメージとして描かれており、そんな事実を正す
ことが出来る唯一の人物が、息子が虐待していることを告白しな
ければならない母親だけという辺りの酷な状況として描かれている。

マスコミや世論の反応を見ると海外ドラマ「スキャンダル」に
於けるS2-4「女たちの野望」で描かれている無責任な描写に
通じるところがあるな。基本的に人は他人の死について興味なんて
ないのだろうし、その結果無責任な発言をしても誰も傷つかない
と感じて居るようだ。
http://dramatimez.sakura.ne.jp/blog/?p=953

レシピノートを見て右京が肉じゃがを作る辺り、ついにこの
ドラマの着眼点も「警視庁捜査一課9係」化しているのかとさえ
思わせるものが有る。高齢化社会に於いて、介護の問題を
一部取り上げられているけど、この家族の場合はまだまだ
底辺にいるような切羽詰まった状況ではなく、色々と選択筋はある
気がする。食事を作る気がないのであれば、二食分の料理を
作ってもらっておけば良いのではないかという気がするし。

見過ごされがちだがサイドストーリーの中にこそ、ドラマには
外せないものがあるように、この事件に於いてもそんなサイド
ストーリーが結果として他人には理解出来ない心の問題なり
個人としての事情が含まれていた。

亡くなって捜査をしていくウチに生前の被害者の人物像に迫って
いくところなど面白い流れだったね。

カイトの中でも峯秋の親心に気が付く時が来るのかということで、最後
にカイトの家庭の事情を面白い形で抽出した。


杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
甲斐享 …… 成宮寛貴 (警部補・特命係)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査一課)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査一課)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (二代目"花の里"女将)
笛吹悦子 …… 真飛聖 (国際線・客室乗務員、享の彼女)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁・次官)

小宮山佳枝 …… 丘みつ子 (72歳、大腿骨を骨折)
小宮山茂樹 …… 吉満寛人 (息子、妻と離婚)
三塚奈々 …… まつながひろこ (23歳、介護士とキャバクラ)
浪岡譲 …… 寺部智英 (奈々の元夫、ストーカー)
柿谷雅臣 ……
三塚公平 …… 並樹史 (煎餅店、米重)
三塚裕子 …… 小宮久美子 (妻)
安井登美子
森脇

中村那晃、内田尋子、伊藤こうこ、清水宏、上田愛美
猪又太一、倉田麻由子、上西沙耶、長田拓郎、西本歩未
琴乃、秋場千鶴子、角野哲郎



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