相棒 season 13
(2014年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

脚本・輿水泰弘(1)(15)(16)、森下直(2)、金井寛(3)(5)(6)(17)、徳永富彦
(4)(11)
真野勝成(7)(10)(18)、近藤俊明(8)、池上純哉(9)、藤井清美(12)
山本むつみ(13)、太田愛(14)
監督・和泉聖治(1)(3)(7)(10)(15)(16)、池澤辰也(2)(9)、橋本一(4)(6)
(11)(12)(13)(14)(17)(18)
近藤一彦(5)、太田愛(8)

プロデュース・
音楽・池頼広

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/
http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_13/





第18話 苦い水
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川の見える公園で男性が倒れ、そこから片山雛子(38歳)・衆議
院議員が立ち去る。
捜査一課が現場を捜査する中で、右京とカイトが米沢からの
報告を受けてやってくる。伊丹たちは露骨に嫌な顔をするが、
第一発見者があの片山議員だと知って知らせない訳にはいかな
かったという。
亡くなっているのは饗庭丈弘(アイバ・38歳)。免許証によると
左官工の仕事をしていたという。バッグの中には片山雛子の出版
したばかりのサイン本が入って居た。片山は明日聴取に応じる
という。次の内閣改造では初入閣が噂されている人物故に忙しい
のも理解出来た。しかしそんな人物が何故公園に居たのか。
現場にはネコがいた。

小久保愛子議員は、片山議員に桐山友哉(42歳)を会食の場で紹介
する。片山は愛子の妹分のような議員。泣かしたらただでは済ま
さないとして桐山に語る。結婚はと問うと片山は、今は海外支援
部隊派遣法を通す重要な時期だという。愛子は内助の功は必要だ
として早く結婚するよう語る。桐山もまた片山の為ならば何でも
するとして君を女性初の総理にするのが夢だと語るとキスする。

饗庭の口からはチョコレートが検出。
チョコレートに含まれていたアーモンド粉にアレルギー反応した
のだろうと。いわゆるアナフィラキシーショックが起きたという
のである。右京はチョコを食べたのであれば現場に包装紙や
箱がないと変だという。饗庭のスマホの検索履歴からは桐山の
名前が出てくる。桐山は日本でも有数の資産家で、桐山グループの
御曹司。週刊誌によれば片山議員との関係で噂があるという。
しかし左官工が何故桐山を調べていたのか。

片山に逢いに行く右京とカイト。
しかし捜査一課に全てを話したとして片山は出かけようとしていた。
亡くなった饗庭について、スマホの検索に桐山の名前が有った
事を告げ、彼と付き合っていたのではないかと問うが、私は誰とも
付き合ってはいないという。饗庭のバッグに昨日3月14日付けの
あなたのサイン本が有ったとし、新宿の書店でサイン会をしたので
はないかというが、顔まで覚えていないという。あくまで"偶然"だ
というのか?と。片山は早く殺人事件の犯人を捕まえて下さいと
いうが、検視ではアレルギーによる病死だと言われていることを
告げる。私の方には連絡は来ていないとのこと。右京はチョコの
箱について尋ねようとするが、片山は車に乗って出て行ってしまう。
片山の手にはチョコレートの箱が有った。

特命係には一課の伊丹の芹沢がくる。
雛子の事務所からクレームが来たとのこと。一課は病死で事件性
は低いので捜査本部は立たない事を語る。片山の圧力は明らかで
マスコミに第一発見者が片山の名が出ることもなかった。伊丹たち
は命令に背いてまで捜査するつもりはないとして出て行くが、
饗庭の捜査資料を残して行く。私たちに捜査を任せたということ
だろうと右京は語る。

マスコミの前で片山はウーマンライフ法案について言及する。
海外支援部隊派遣法を通り安くする為のバーター的法案だった。
カイトは片山とはどんな人物か尋ねる。現在自友党議員で、
彼女の父は外務大臣だったこと。父の地盤を20代で引き継ぐと
その後当選4回、選挙では一度も負けていないという。かつて
官房長官の愛人だと噂され、機密費の実質的権限を握っていた
という。警察内部にも影響力が有り、公安を手足のように使って
利用しているという。父の過去の不正を告発したことで、父親
で有っても不正は許さないとする清廉潔白な政治家としての
イメージを確立したとのこと。目的の為ならば手段を選ばない日と
だという。右京はカイトに彼女のイメージはどうか?と尋ねると
「隙がない・・可愛さはゼロ」だと語る。
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公園で男性の遺体・饗庭丈弘の遺体が発見され、第一発見者は
議員の片山雛子だった。片山の政界での活躍は順調で、次期内閣
改造の際には入閣するのではないかとする噂も有った。現在桐山
友哉という財閥の御曹司との噂も有り、順風満帆に思えたが・・・

久しぶりの片山雛子の登場。
最終話直前にして、久しぶりにバランスの取れた素晴らしいシナ
リオが用意された格好だった。雛子を演じている木村佳乃さん
自身のドラマに於ける存在感は苦手なことも多いのだけど、この
ドラマに関してはキャラクター像と合致していて、外れが少ないと
ころが凄い。

雛子という人物のキャラクターの掘り下げをここに来て改めて
描いた格好で、彼女がどういう経緯で今に至るのか。
「誰にでも始まりがある」ということで、青春時代の淡い思い出話
が描かれたけど、苦い学生時代の中で培った経験・体験から才能
を開花させ、現在に至るまでの流れを描いた。

彼女の狡猾さの原点がそこには有り、何故男性不信のようにして振る
舞っているのかに関するその一旦を知るエピソードとして描かれた。
そしてなんと言っても雛子が高校以来20年ぶりに再会する男性
役として、伊嵜充則さんを使ったところは、ドラマファンにとっ
ては懐かしさを覚えるところで、相棒スタッフならではの俳優の
使い方だなと思わせるものが有った。

「幸せとは何か」ということをキャリアウーマンの視点からも
鋭く描いているし、時事的ネタを盛り込み、女性議員の中に見る
政治家としての手腕と同時に政治家として生きる彼女の決意表明
を見せられた感じ。
女性は女性に対して嫉妬心を覚えて策略を張り巡らせ、足の引っ張り
合いのようなことをしたり、偉大な父親に対する功績に隠れて、
苦しい時を過ごしているものたちの中に気持ちの共有感を臭わせ
たりするも、そういったものを全て糧にして乗り越える雛子の姿が
有る。

饗庭が今でも遊び人だという辺りの設定は少々無理があるような
感じはしたけど、冒頭から雛子の怪しさを滲ませつつ、彼女が
そう馬鹿な人物ではないということはこれまで相棒を見て来た
人ならば分かるハズ。
チョコレートに込められた思いというものの中に色んな複雑な
気持ちを盛り込んだ話だったね。

しかし右京さんもあんまり花言葉とか詳しすぎると逆に恐い(笑)


杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
甲斐享 …… 成宮寛貴 (警部補・特命係)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査一課)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査一課)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (二代目"花の里"女将)
笛吹悦子 …… 真飛聖 (国際線・客室乗務員、享の彼女)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁・次官)

片山雛子 …… 木村佳乃 (38歳、自友党議員)
饗庭丈弘 …… 伊嵜充則 (38歳、左官工、アーモンドアレルギー)
桐山友哉 …… 藤重政孝 (42歳、桐山グループの御曹司)
濱倉千恵 …… 松浦唯 (主婦、銀・デ・短・キレ)
西崎早苗 …… ハマカワフミエ (上、美・長・キレ、饗庭と付き合う)
村上涼子 …… 桜木梨奈 (高級風俗嬢)
小峠 …… 植木紀世彦 (左官工)

御友公喜、安田愛里、川畑博稔
宮島岳史、平原多香子、平林弘太朗、野口雅弘
吉田愛美



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