明日、ママがいない
(2014年1月期・日テレ・水曜22時枠)

脚本監修 - 野島伸司
脚本 - 松田沙也
演出 - 猪股隆一、長沼誠、鈴木勇馬
音楽 - 羽毛田丈史
チーフプロデューサー - 伊藤響
プロデューサー - 福井雄太、難波利昭
主題歌 - コトリンゴ「誰か私を」





第9話 私の名前を呼んで…最後までありがとう
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ポストは相変わらず担任の教師・朝倉亮の家に入り浸り、妻の
瞳からは亡くなった娘の愛の変わりに扱われていた。
瞳はポストと共に生まれてからのアルバムを見せる中、入園式
まで時を進めていく中で、瞳の中での異変に気が付く。
ポストは亮にアルバムを渡すと、これを見ていると瞳が混乱を
来すようだと語る。
亮はコガモの家までポストを送る中で、友則に妻・瞳の事情を
話して、ポストからの協力で妻が元気になっていることに感謝
を示す。
既に自分の居場所を見つけてコガモの家から出て行ったハズ
のドンキ、ピン美、ボンビの姿が有った。同世代ではポストだ
けが引き取り手がないことに関して、三人は励ますために
女子会と称して一晩中盛り上がろうと語る。

ピア美は音楽室でピアノを弾く中、父親の元で暮らす為に
転校する予定だった。ピアノを捨てて父と暮らす決断をした
ピア美は最後にピアノを弾く。そんな中、ひとみが現れると、
転校先からは一時間くらいの距離なので、毎日私の教室に通い
なさいと言われる。私はピアノよりも父との生活を取った事
を語るが、どうして一つしか選んではいけないと思うのかと
問われ、またピアノが出来ると知って喜ぶ。

オツボネは香織の元にいくと、引っ越ししようと荷物をまとめて
いるのを見て友則とまた暮らすのかと思っていたが、実際には
遠くに引っ越しすると言われる。この手紙を友則に渡しておいて
欲しいと言われるがオツボネはそれを止めようとする。友則は
元刑事なので逃げてもすぐに見つけ出す事を告げるか、友則
とは色々と話した事を告げ、あの人が辛い思いをして一人で
戦っている時に私は寂しさを埋めるためにただ優しくしてくれる
だけの男性と一緒に過ごしてきた事を語り、自分が逃げていた
だけだった事を語る。今更もうあの人の元には戻れないことを
語る。
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次々とコガモの家の子供たちはコウノトリによって引き取られて
いく中で、ポストとボンビだけが進路を決めかねていた。
ボンビの元にはジョリピが引き取りたいという申し出がくるが、
先日まで男の子が欲しいと言っていたのに、変わった言葉に
信頼がおけないと感じてボンビは部屋に閉じこもってしまう。
ポストはニセモノであれ、代替であれ、自分のことを必要
としてくれている朝倉で暮らして、愛の変わりとして生活して
行こうと考える。

色々と波紋を投げかけてしまったドラマだったけど、何が
問題だったのかよく分からないままに騒動が起こり、結局無難
なままで終了してしまった。
なかなか日本では見えづらい児童養護施設の問題を取り上げた
格好で、日本では震災が起きる直前に社会運動のように
して恵まれない子に支援しようとする動きが起きたので
日本も良い方向に向かっているなと思ったけど、震災が起きた
ことによってその事実も忘れ去られようとしてしまった感じ。

日本人の価値感からすると、人間を繋ぐ物として血のつながり以上
の繋がり・関係というのが見えづらいものが有るのも確かだけど、
そんな価値感を打破すべく血のつながりが決して絶対的なものでは
なく、大人の事情によって振り回される現状に対して、
犠牲になる子供たちの反乱とも言うべき幸せになる為に、自分から
親を選ぶ権利が有るという事を示したものだった。

その中でも特に問題視されたのは名前の問題だったのだろうか。
名は体を表すという諺があるようにして、子供につけられた名前
がそのまんま子供の心の傷をえぐるような形で存在していること
に問題が有ったのかなと思うけど、子供社会では意外と現実に
於いても残酷なアダナをつけたりするので、そんなに問題がある
ようにも思えなかった。

更に子供が里親に引き取られる際の取り決めとして、ペットの
のような扱いで、愛想よくする事の必要性を唱えていたけど、
身勝手に子供を捨てたりまた引き取りに来るという大人たちの
事情をつねた格好で、今日の日本に於けるペット事情と同様に
無責任な大人をせめる行動にも思えたけど、現場からすると
やはり問題に写るのかな。

最終的に名前を正しく呼ばれる相手であればこそ幸せがあると
いう事を示したかったのだろうので、名前の問題に
関しては反対者たちにも寛容な目でみて欲しかったと思う。
最後に名前で呼ばれていく子供たちの姿というのが、演出意図
としても見え隠れしていただけに、ちょっとグダグダっとして
しまった感じもしてしまった感じだね。


児童養護施設「コガモの家」

ポスト(キララ) …… 芦田愛菜 (赤ちゃんポストに入れられていた)
ドンキ(真希) …… 鈴木梨央 (母・涼香が鈍器で恋人を殴り捕まる)
ピア美(直美) …… 桜田ひより (ピアノ好き)
ボンビ …… 渡邉このみ (家が貧乏)
ロッカー …… 三浦翔平 (職員兼調理員、コンイロッカーに捨てられてい
た)
佐々木 友則 …… 三上博史 (48歳、施設長。"魔王")
オツボネ …… 大後寿々花 (17歳)
パチ …… 五十嵐陽向 (きよみ幼稚園に通う、母の臭いのシャンプー)
ハン …… 阪本光希 (施設で暮らす双子)
リュウ …… 阪本颯希 (施設で暮らす双子)
水沢 叶 …… 木村文乃 (25歳、児童相談所・職員、"アイスドール")
涼香 …… 酒井美紀 (真希の母、傷害事件)
東條祐樹 …… 城田優 (ボンビの理想の父親)
笹塚蓮 …… 藤本哉汰 (横浜市立川浜小学校児童)
佐々木香織 …… 鈴木砂羽 (40歳、弁当屋"味彩屋")
東條マリア …… Mailys Robin (東條の妻、不妊治療)

川島 …… 松重豊 (ドンキの父希望)
川島美鈴 …… 大塚寧々 (ドンキのハハ希望)
五十嵐みどり …… 高橋ひとみ (音大の教授)
朝倉亮 …… 吉沢悠 (新しい担任)
朝倉瞳 …… 安達祐実 (亮の妻、娘・愛を踏み切りで亡くす)


菊川浩二


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


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